日々平安

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櫛に思う

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今はメーカー名さえ分からない、何の変哲もない櫛です。
いくらで買ったのかも覚えていません。

「ベトナムのホテルにはアメニティーセットなんてないからね。あるのは石鹸だけ、それも洗濯石鹸か化粧石鹸か判別不能だよ」
そう先輩に言われ、下着類などと一緒に近所の洋品店で買ったものですから1979年のこと、今年で35年になりましょうか。
もちろん、家内よりずっと長いお付き合いです。
何も気にかけずに買ったのにわが髪の毛との相性は抜群、歯先が頭皮に当たるのも心地よくて、使い続けているのです。

思えば当時、日本のモノ作りが『品質第一』とどんな生産現場にも標語が貼られていた頃。
一方では『ウォークマン』がソニーから発売された時期でもあって、日本の製造業の隆盛が始まる時期と重なり合います。
こんな櫛が35年も使い続けられるなんて、きっと作った人も想像しなかったでしょう。



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恥ずかしながら20代後半、歓迎会の翌朝で顔が腫れあがっていますが当時の写真です。
『日本からのエンジニアはスーツにネクタイ、黒い革靴』
そんな先入観がベトナム人通訳さんたちにもあったようで、ハノイのノイバイ空港に着いた私はジーンズのスリーピースに当時流行っていたバスケットシューズ姿。
政府招請の仕事とあって悪評高かった荷物の検査はなくほぼ先頭で通関できたのに、最終のグループが空港を去る頃になってようやく通訳さんから声を掛けてもらったことを思い出します。

今の風景とは全く異なる、ホーチミン廟前のバーデン広場。
ハノイにはまだトロリーバスが運行していました。

小・中・高校を通じて丸刈り、その後も今もずっと短髪で過ごしてきた私です。
GSブームや反戦運動などで長髪がブームになっても蚊帳の外だったのは、中学校から始めたスポーツのせいだったかも知れません。
もっとも今では、このスポーツだってアフロヘアーやモジャモジャ頭がいっぱい、ゲーム中なら引っ張ってやろうかと思うほどです。

あ、脱線しました。



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以来、この櫛は(ベトナムを含む)6ヶ国へ私と同行してくれました。
ブランド品でもなく、あえて人様の目に触れることもない愛用品。
きっとその時代には、日本中にこんな品があふれていたことでしょう。

「いいものを作れば、きっと世界に通用する」
そんなことをおっしゃる経営者がいます。
それは事実なんです。
ただしそれだけでは無理、何らかのプラスアルファが必要なことを、みなさん忘れておられます。

この広告が「そうではないんだよ」と教えてくれます。




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昔のこと、技術開発に所属していた時、尊敬する専務に呼び出されたことがあります。
「君の図面は独創的だし、とっても面白い。けど、使ってくれるのは、何の専門的な知識もない素人さんなんだよ」
私が描いたある健康機器の図面を前に、そう言われました。

『いいもの』にはもちろんデザイン性や使いやすさに優れたことや、いろんなアイデアも必要です。
私が好きではない理由は後で述べますが、iPhoneがいい例でしょう。
あんなに高い価格設定でも売れる、途上国では階層を誇るアイテムだとも言われるほど。
説明書なしに使えるからという説もあるし、(マスコミに踊らされている)アップル信者のおかげという説もあります。

技術者同士の交流会で、ある家電メーカーの方からこんなことを聞いたことがあります。
「グーグルがもう少し早く(携帯電話ソフトの)アンドロイドを発表していてくれたら、アップルの後塵を拝さずにいたんだけど」
その会社は液晶画面が強み、これを生かしたいろんな製品を研究開発していたそうでした。
「当時のNTT(ソフト)では無理なところもあったし、何より連続使用時間が5時間が精一杯で(取締役会に)蹴られて(研究は)縮小」

私は聞きました。
「アップルだって、発売当初は10時間も持つモデルではなかったですよね?」

一部の皆さんにはいまだに信奉厚い『中興の祖』と呼ばれる人たちが、私は嫌いです。
家電メーカーならP社の中村某、So社の出井某、Sh社の町井某、車メーカーではT社の奥田某等々。
特に家電関係に関しては短期の結果重視になって、あまたの優秀な技術者たちが会社を去ってゆく事態になったことが現状を招いたとも考えるからです。
悔し涙で海外に職を求めていった技術者たち、両手に余るほど知っています。

製品のサイクルも短くなって、「車は5年持てばいい」と放言する社長も出てくる始末。
『過剰品質』と指摘されて、法定部品保持期間に合わせた製品がどんどん世に送り出されたのもこの頃からでした。
リサイクル業が大繁盛しているベトナムでも、いくら優秀な日本の中古家電だって、もう引き受け手などなくなっています。
少々高くても丈夫で長持ち、もうそんなイメージが『日本製』からなくなってきているのに気づいている日本人は、ごくわずかでしょう。

先日訪れたベトナムの家電量販店で、テレビの撤去作業が行われていました。
円安で日本製品が売れる、もうそんな時代は残念ながら終わったようです。


あ、私がアップルを嫌いなわけですか?
別に製造工場を持たないからではありません。
社会貢献もほとんどしていないし、米国にありながら数兆円を『節税』と称して在外資産として保持しているからです。
グローバル企業としての在り方、これも考え直さないといけないのではないかと。

ところで皆さんは20年以上使い続けている隠れた逸品って、お持ちでしょうか。

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