乗り物百態

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タップチャム

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最終日、みんなは買い物に行くとのことで2時間半の自由時間ができました。
私は別行動、目的はチャムタワーの南限とされるポーシャヌ遺跡に行くつもりでファミリーと別れます。
「ひとりで、大丈夫?ホーチミン市じゃないよ」
家内は心配しますがこれも旅の醍醐味、ホテル前にたむろしていたバイクタクシーに交渉を始めました。

「タップチャム(ベトナム語でチャムタワーのこと)へ行きたい」
「タップチャム?その格好で?」



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ちょっと失敗かなと思いました。
というのは半ズボンだったから、朝からこの日差しなんです。

「タップチャムのバス停でいいなら5万ドンだ」
観光地として名高いから、もう路線バスも走っているのかな。
帰りはその路線バスに乗ってもいいなと思いながら、後部座席に跨りました。
5万ドンなら高くない。



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何だか方向が違うみたい。

「この右で待っていると、バスが来る。ここが一番早くタップチャムに行ける」
「どれぐらい待つ?」
「10分に1本ぐらいいろんなバスが来る。それに乗れ」
いくら観光地で有名になっても、10分に1本のバスが来るなんて信じられません。
きっと誤解があると思いました。

「ホテルに戻って!」



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ホテルの近くにあるバスターミナル、ここでいったん降りるつもりでした。
ロスタイムは約20分、5万ドンを支払って構内をぐるりと回ってみることにします。
もしかして、タップチャムへの循環バスみたいなものがあるかも知れないと思ったからです。

ホーチミン行のバスは数あれど、近郊を回るバスなどここにはありません。



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バイクタクシーのドライバーが、いろいろ尋ねて回ってくれています。
この右の人が英語のできる方、私は運がいい。
英語のできる人を見つけてくれたドライバーの努力がうれしくて、大感謝。
もちろん通訳してくれた方にも、です。



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「チャップタムに行きたいのか?その格好で?」
同じことを聞かれます。
「はい、20分ぐらいでしょうから。でも、半ズボンはヤバかったかな?」
「タップチャムなら、ここから1時間半以上はかかるよ」
「えっ!」

この方が取り出したのがスマホ、地図を引き出して見せてくれます。
現在地から少し縮尺を大きくして…。
「ここに行きたいんです」
「ああ、ポーシャヌ!」
「そう、ポーシャヌ!」

この辺りの人たちにとって『タップチャム』とは北に接する省の『ファンラン』のことだと理解できるまで、ちょっと時間が必要でした。
スマホ、こんな使い方ができるんだ。
これはちょっと考えてみる余地はありそうです。



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もう一度値段交渉、往復なのか、どれぐらい観光時間が必要なのかを聞かれた後に提示された価格は、20万ドン。
これほど親切にしてもらった上に、そんなに高いとは思えません。
一も二もなく契約成立、また後部座席に飛び乗りました。



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丘の中腹に立つチャムタワー。
「あれ、あれ!あそこに行きたいんだ」
「ヒュー ロイ(わかってる)!」
ちょっと機嫌を悪くしたかな。
最初から『ポーシャヌ』と言えばよかったな。



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ここが進入路、残念ながら循環バスなどありませんでした。
帰り道の時間を計算すると、ここでつぶせる時間は1時間強。
それでも2年ぶりの訪問ができることに満足感、親切なバイクタクシーに巡り合えたことでほんのりした気分に浸ることができました。



おまけ。
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ポーシャヌ遺跡でもらったパンフレット。
ここにちゃんと『タップチャム』って書いてあるでしょう?
その下の『ポーシャヌ』がちょっと大きいだけ。

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