ちょい旅

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象牙塔

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チャム遺跡にご興味のない方には退屈な記事、これでおしまいですから我慢していただきますように。

朝7時にホテルを出たというのに、バインイット遺跡群を出たのは11時過ぎ。
何とも私の遺跡巡りは時間がかかります。
チビや家内はあきらめてくれていると思いますが、ドライバーにとっては『こんな客は初めて』でしょう。
カンボジアでも行方不明者扱いを受けたことがあるぐらいです。

「象牙塔の近くは何にもないと思いますから、この近くで食事をしていかないといけません」
この近くだって『皿メシ』を食べさせるような店しかなかったんですけど、その一膳めし屋に入って済ませました。

到着は13時過ぎ、ここで車を降りました。
ベトナム語ではズォンロン塔(TAP DUONG LONG:南部読みではユーンロン塔)、これがなぜ象牙塔(Ivory Tower)となるのか分からない。
家内はフランス人が勝手に付けたのではないかと言いますが、真相は闇の中です。
石碑には12世紀建立とあったのでそうしておきますが、10世紀や11世紀という説もあるのが不思議。



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チケットはこちらとある民家で家内が大人二人分(@7千ドン)を購入、ところが門は閉まっていました。
ドライバーがあちこち駆け回って事情を聴くと、どうやら見学時間が決められているらしいんです。
ここで助けの神登場、たぶんチケット売り場の人が電話をして、まだ休憩中にもかかわらず担当者を呼び出してくれたとのこと。

家内とドライバーの、『日本人が〜』攻撃が功を奏したようです。
とりあえず、みんなに感謝。



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入り口には、確かに見学時間が書かれた看板が立てられていました。
いろんな注意書きの下に『午前7:30〜11:00  午後14:00〜16:30』とあります。
小一時間も早く開けてくれるなんて、きっとこの方は公務員ではないと思うのであります。



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雨季の真っ最中ですから、こんなものでしょうね。
みなさんはぜひ乾季の間にお越しください、レリーフもきっときれいにみられると思います。
『チャムタワーに行くなら、午前の早い時間』、これも鉄則の一つ。
塔は東向きだし、祭礼も朝陽の昇る時間に行われたそうですから。

象牙塔は砂岩彫刻をたくさん嵌め込んだ『ビンディン様式』がよくうかがえる遺跡と言われ、北副祠堂・南副祠堂・主祠堂で構成されています。
高さは主祠堂が40m、二つの副祠堂が38m。




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塔に近づく前に、こんな出土物が一列に並べられているのに気付きます。
先頭が黄色い枠ですから、きっとナーガ神(頭が最大9つもある蛇神)でしょう。
材質は砂岩、きっと博物館に入り切らないからここにあるのだろうなと、変な邪推をしてしまいました。
どこからどんなように発掘されたのか、さっぱり分かりません。



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2006年に修復が終わったとされているのに、やっぱりフンタン塔と同じく落下防止の処置がされています。
砂岩彫刻そのものの保存は比較的いいのに、これでは興醒めしてしまいそう。



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チャムタワーとして高さ40mは確か最大の主祠堂、北側の花葉彫刻はきれいに残されている…はずなのに。
私のカメラでは、きれいに写っていない。
40mの高さがネックになったのか、5倍ズームの限界なのか。
たいていこんな遺跡を巡る方たちは、肩から紐を掛けた大きくていいカメラをお持ちなんですけどね。



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これはズームにしようか、引いて全景を少しでも入れようかと迷いました。
力持ちのガルーダ君が対象。
二枚撮っておけばよかっただけの話なんですけど。



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修復されたといっても、レンガは崩れているんですよ。
塔の下には、いっぱいレンガ屑が転がっているんです。
旅の記念品として自分へのお土産を買う習慣はありません、先々のチケットやパンフレットを集めるのが趣味。
このレンガ屑たちには…もらっていいのかどうか悩みました。



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敷地の南側にも、砂岩の彫刻らしきものが並んでいます。
これは『ちょっとポケットに』という訳には行かないでしょう、私たちが乗って来た車でも運ぶのは無理。
こうして風雨にさらされて、どんどん朽ちて行くしかないのかな。



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細かな細工がご覧いただけると思います。
この遺跡で、どんなところに使われていたのかの資料は全くありません。

ビンディン省はベトナム政府に、『ビンディン遺跡群』を世界文化遺産としての登録を働きかける準備をしているそうです。
チャンパ王国の遺跡としては『ミーソン遺跡群』が既に登録済み。
1ヶ所にまとまった宗教的遺跡に対して、省の広範囲にわたって存在する遺跡群は少々訴える力に欠けます。
観光客があまりにも少ない上に、管理も十分とは決して言えません。
まずは国内向けのPRから始めてはどうでしょうか、ベトナム人の理解も必須だと思いました。



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何だかここには、ポーシャヌ遺跡のような舞台があったような予感がします。
チャムの伝統楽器で踊るセクシーな天女の舞、見えるような気がしませんか。

これで三か所のチャム遺跡巡りはおしまい、長い文を読んでいただいてありがとうございました。



おまけ。
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「このレンガ、もらっていいですか?」
「いいですよ」
意外に簡単な許可がいただけました。

右が『ミーソン遺跡』のD群修復の際に、フランスからの技術者からいただいたもの。
左が今回のレンガ、人工的な筋が残されているような気がしてなりません。
どちらも大切な『私の宝物』です。

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