ちょい旅

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ベンチェーへは新車で

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ジャーン!
ハイエースの新車が来ると言ういつものドライバーに口車に乗せられて、最初のお仕事にエントリーすることになりました。

以前は勤めていた会社のお古、メルセデスを安く譲ってもらって始めたチャーター会社。
社長兼運転手のNさん、経理と営業は奥さんとの二人三脚です。
自分たちで仕事を取れない時は中小の旅行会社から下請け仕事をこなし、家で眠れるのは月の内5〜6日あればいい方だと笑って語る彼は働き者です。
だから、こうやって新車デビューも出来たのでしょう。



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ちょっと見えませんね、でも、トリップメーター(走行積算計)はまだ3桁です。
車の中は新車の香りがプンプン、ハンドルだって手垢もなくピカピカ。

「社長、これからはいいドライバーを雇って、もっと(車を)増やそうぜ!」
「そうなればいいけど。僕はやっぱり車が好きだから、いつまでも運転していたい」
ベンチェー省出身ですから、故郷に車をお披露目するのも今回の目的だそうです。
だからかどうか、今回は前代未聞の1割引でした。



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タイムスタンプは朝の7時、国道1号線(QUOC LO 1)に向かってボー・ヴァン・キエット通りを南西に走ります。
運転席と、一番後部に座った(同じベンチェー省出身の)義弟Bが大声で話をする以外、さすが新車の静けさ。



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国道1号線から南部唯一の高速道路を使って、と思ったら、横目に見ての一般道を走ります。
これは1割引のせいなのかな、さすがドライバー兼社長ですね。

おかげで面白い写真もいっぱい撮れました。



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私が何も言わなくっても、過積載バイクに近づくと、写真が撮りやすいように速度を落としてくれるんです。
ただね、内々に「これを撮れ!」と言われているようで、多少気にはなります。
『バイクの荷物』シリーズを休憩していること、彼は知らないから仕方ありません。



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もうベンチェー省まで、フェリーを使うことはありません。
オーストラリアの無償援助で2000年に架けられたミートゥアン橋の後は、2年前に完成したラックミェウ橋を渡ればもうベンチェー省。
この日だって結構な混み具合、これがフェリーを使うとなると、何時間待ちになることでしょう。



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それに、橋からはこんなメコン川の風景も楽しめます。
メコン川はクーロン(九龍)と呼ばれるように、九つの河口を持っているのはご存じの通り。
これは一番北の支流ティエンザン(前江)で、ベンチェー省は巨大な中洲地帯の一部でしかありません。



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この先の橋を渡ると右折、年に二度以上は訪ねるお家です。
橋が新しくなって道幅が少し広くなっても、辺りの風景ですっかり覚えてしまいました。

豚を運ぶリヤカーのスタイルも、メコンデルタでしか見たことがありません。



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いつも車を降りる場所には、誰も迎えに来ていませんでした。
「2日前に洪水があってね、みんな忙しくしているから」
知らなかった。
しかたがありません、約2kmの道を歩いて行くことになりました。

私は子供たちからずいぶん遅れましたね。
義弟Bも心配そうに後ろを振り返ってくれます、でも、誰も私の荷物を持ってくれそうにもありません。
それぞれが手に余るほどの土産を持っているからです。

新車納入と洪水の後始末とのミスマッチでした。

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