|
泥温泉はマッドスパと言うのです、でも、私の印象からは『泥温泉』の方がピッタリする気がします。 遠くに二つの島が見えてきました。 奥に見える左手の島がモンキーアイランド、旧ソ連向けの研究用として飼育されていたサルが目的が失われて、今は観光施設としてちょっとした人気です。 1995年に行ったことがあって、カメラ(当時はまだデジカメは持っていません)を盗られそうになりました。 ニホンザルより二回りほど小さいけれど、そのわんぱくぶりは相当なものです。 ソ連崩壊で生き延びることのできた命なのに、もう少しおとなしくしてくれませんかね。 時刻は午後1時を回っていました。 チャンフー通りの海岸すべてが遊泳でき、ほぼ直線で5キロメートルもある長さは、たぶんベトナム一・二を争うと思います。 山と海との距離が近くて、初めて来た時はここまで開発されていなかったから神戸に似ているなと家内と話したものでした。 鳳凰樹はベトナムで『夏休みの花』とも言われます。 ほぼどこの学校にも植えられていて、生徒や学生はこの花が咲く季節を首を長くして待っているとか。 青空に、似合う花でもあります。 市内からも有料マイクロバスが送迎していて、この時間になると団体客だけでなく、泳ぎ疲れた人たちもたくさんやって来ます。 ここでは泥が薬用になるからでしょうか、8人が一緒に入る浴槽を借りるとひとり21万ドン(¥1050)と知って、日本語で言いました。 「ボッタクリやぁ〜」 無料の手荷物預かり所から更衣室へ、私はレンタルの水着は好みませんから先ほど泳いで濡れたままの海水パンツをはきました。 更衣室の警備員が「無料で貸してくれるよ」と指さして教えてくれます、いいんですこれで。 「オレ、これは嫌だよ」 もう今の日本にはないでしょうが、私が育った田舎ではたくさんあって、お百姓さんが利用していたものとそっくり。 案内人に袖の下を渡して、別な浴槽に替えてくれるようお願いしました。 もう12年もいればベトナム流に染まっていますから、すっかりお手の物。 ただし、罪になるようなところでは一切致しません、念のため。 どうです、ちょっとは温泉らしい雰囲気が出て来たではありませんか。 やっぱり日本人、水着のままで温泉に入るのはリラックスできません。 女性軍は『美肌効果』の文句にあらがえず、長風呂のご様子。 私は30分そこそこでおいとまさせていただきました。 向こうに温泉プールが見えたから、子供たちとそこで遊ぼうと考えたのです。 私のプラスチックの腕輪色を見て、警備員に言われました。 「それに、温泉の後でシャワーもせずに入ったらいけません」 プールで泥を落とそうと思っていた私、顔から火が出そうでした。 子供たちはまた泥風呂に、私はヌルヌルの世界からさようなら。 シャワーを浴びて着替えてから水着を洗うと、なかなか泥は落ちません。 これで家内たちは貸水着を選んだのか、この時になって分かりました。 『女の長風呂』なんて、田辺聖子さんのエッセイ集がありましたっけ。 ならば私は『カモカのおっちゃん』になって、電話で呼び出されるまでビールを楽しみましょう。 見つけたのは大胡蝶、この前で花見酒と洒落込むとしますか。 まだまだ咲き始めでしょうか、残念ながら大写しに出来るような低い位置には咲いてなかったけど、大満足です。 ビールが入って口ずさんだのは『神田川』、熱帯で日本の寒い冬を思い出して。
♪いつもぉ〜私が〜待ぁたぁされたぁ♪ |
ちょい旅
[ リスト ]


