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「ユンボン(私のこと)ノ ニャック・シー(歯科医)ハ ヤサシイカー?」 チビが聞くので、若いし優しいよと答えました。 すると私も行くと言い出して、お父さんの運転するバイクを準備します。 お父さんもチビに甘いだけではなく、店を離れてゆっくりしたいのでしょう。 すぐに話はまとまって、出掛けることにしました。 歩いても知れた距離なのに。 どれかすぐに分かります、これがグラグラしてその奥も(歯ではないけれど)痛む所があるそうでした。 若先生は口調も優しく、チビもリラックスとまでは行かずとも、緊張から解き放たれてきたみたい。 でも、いつもは持たないハンカチを握りしめているのはまだどこかに硬さが残っているのでしょう。 以前は女性のアシスタントがいたのに、今はお父さんに変わっていました。 40分かかって歯石を取るのが6万ドン(¥300)です、信じられますか。 何回かに分けることもなく、1日ですべて終わってしまうのもうれしい事です。 日本だと、予約して再訪するのが常でしたから。 黄変した乳歯もなくなって、その奥も薬を塗ってもらって、肩から力も抜けていました。 お父さんは日陰になる筋向いで休憩中、支払いが終わったらまた頼むよ。 私が40分かかって6万ドンだったのに、10分で終わったチビの治療費は20万ドン(¥1000)とは、不思議だなぁ。 歯科医の治療費とは、入れ歯や差し歯を作る以外はほとんど人件費だと聞いたことがあります。 チビもこの日で終わり、歯の奥の痛みもぶり返すことはありませんでした。 これは7月の終わりごろの事。 ひと月も経たないのに、また来ました。 今度はもちろん一人、キーンと嫌な音も覚悟。 触診の後で、レントゲンを撮ることになりました。 これで証拠が残ります、どんな死に方をしても歯型が証明してくれることになります。 ベトナムではDNA鑑定には時間がかかります、その間誰か分からないままで待っているのは嫌ですからね。 投影は下の筒状になったところ、歯の裏側に感光フィルムを入れるのは同じでした。 先生がビーサン履いているなんて、やっぱりベトナムです。 日本でかかった歯科医では小さな部屋に案内されて、レントゲンを撮ったものです。 VIP部屋で治療されるのも初めて、今日は高くつきそうな予感。 ずっしりと重い鉛入りのベストを着込んで、撮影です。 ちょっと待ってと、記念撮影。 余裕がありますね。 もう口を開け続けているのは限界かなと思って、1時間を過ぎた頃に「2回に分けてもらえませんか」とお願いしてみました。 「あと少しで終わります」 樹脂の詰め物をして完了、これは臭いですよね。 臭いが消えて、慣れるまで我慢です。 歯茎の痛みも、まだあります。 「はい、これで終わりです。2日後に痛みがまだあったら、もう1回来てください」 「ありがとうございました」 不思議だなぁ。 黄色の四角形で塗りつぶしてあるのは私のサイン、銀行と公官庁用とは別にしています。 そして2日後、歯茎の痛みはずいぶん薄らいできたけれど、詰め物が取れました。 キーン、そしてまたあの嫌な臭い。 また我慢しなければ、今回は15分ほどで終わりました。 「おいくらですか?」
「前回いただいています、今日はその治療の延長ですから」 「???」 不思議だなぁ。 |
日々平安
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