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「そもそもキミは今月末にカナダ留学に出発だろう?10日間も旅行する余裕があるのか?」 そう言ったらクイニョンから一人で列車に乗って帰るからいいのだそうです。 しかし約束の時間を守れない子供が、カナダまでたどり着けるのでしょうか。 わがファミリーで、一番時間にルーズな少女ですから心配。 駅の入り口はもう一つありますから、そちらも見てみましょう。 私が常夏のサイゴンでジャンパーを着ているわけ、あとで分かります。 また北口に戻って来ました、ここなら乗車口も見えますから大丈夫でしょう。 途中にあった売店で、ベトナム独特の商品がありました。 茣蓙。 格安のハードシート(座席が木のベンチ)に乗る人はこれが必須。 折りたたんで座布団代わりに、床に広げて敷布団代わりになります。 カシューナッツを食べながら令嬢が来たのは発車10分前、荷物はあらかじめわが家に置いていたので私が運び込んでおきました。 そうだ、これから『ナッツ姫』と呼ぶことにしよう。 三年ぶりの統一鉄道ですから、ちょっとご紹介しておきましょう。 早朝は歯を磨く人でいっぱい、正面のバーはタオルを掛けるためについているのではありません。 列車がよく揺れるので、これを掴んで歯を磨きます。 以前は下に線路の砂利が見えたものでした。 今はタンク式になって、停車中でも使用できるようになりました。 一歩前進。 『ナッツ姫』が「私も行く、クイニョンのマグロは美味しいから」と言い出すまでは4人用のコンパートメントを予約していました。 4人で行く予定だったのに、5人となると変更せざるを得ません。 四人部屋で一人他の部屋に泊まるとなると、私しかありませんからね。 写真を撮ったりタバコを吸ったり、乗務員さんとバカ話するのに、私は忙しい。 そのために出たり入ったりするのは、他の方々に迷惑でしょう。 左の天井が冷房の吹き出し口、室内では温度や吹き出し角度の調整ができないので、一番上のベッドは非常に寒いのです。 もちろん毛布はベッドごとに付いているけれど、エアコンが苦手な人間には我慢できないからなのでした。 三段ベッドの一番上、もしご利用の節は避けた方がいいと思います。 ビールが…飲みにくい。 起き上がると頭が天井に当たります、膝は立てられてもそれ以上は上げられません。 おかげで、列車からの朝陽も見ることが出来ました。 これは攪拌機があるから、エビの養殖場でしょう。 その向こうが南シナ海、ベトナムでは『東海』と呼びます。 ただし、国特有の呼称を世界に押し付けたりは致しません。 こんなブランケットも枕も、ベッドごとに付いています。 あと20分でジューチ駅に到着ですよ、そろそろ起きて歯磨きしなさい。 私の名前を消した線のすぐ下、684000ドン(¥3420)とありますね。 本来私は一段目のベッド、上になるごとに安くなります。 二段ベッド式のコンパートメントなら80万ドン(¥4000)前後、やっぱり一段目が高くて二段目が少し安い価格設定です。 私たちが降りる準備をしていると、向かい側のベッドに寝ていた若い男性が目を覚ましました。 「すみませんね、うるさくて」 「私もジューチ駅で降りますから、大丈夫です」 Dさん、ちゃんと迎えに来てくれているかな。
ダイヤが変わって、ちょっと到着が早くなったことを知っているかな。 |
ちょい旅
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