ちょい旅

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海岸療養所

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ミニホテルに荷物を置いて、Dさんが案内してくれる最初の場所は「観光地ではありません」との事。
時刻は9時半、クイニョン市内から南に下がって正面の山を越えるそうです。

この街にもタクシーが増えました、夜のちょっとした出歩きにも問題はなさそうです。



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ホーチミン市には山がありませんから、こんな道は子供たちには珍しいのでしょう。
「ここには、象がいる?」
チビが途方もない事をDさんに聞いていました。
もちろんこの辺りには象や虎は棲んでいません。



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20分ほどで『療養所』に到着、数ヘクタールもあるそうですから私たちが知る療養所の規模ではなさそうです。
もちろん、ここでは入場料などは不要。
Dさんが車を降りてひと言二言を交わしただけ、私たちは乗ったままで入場できました。



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突き当りが海岸、ここを右に曲がってしばらく進みます。



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「今はもう使われていません、その病気にかかった人たちが暮らしていました」
運転しながら、Dさんはそう言います。
「その病気は、調べたんですけど英語の辞書には載っていませんでした」
家内に聞いても要領を得ません。



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ここも同じ、こんな病棟が私が見ただけで5棟ありました。
その病気に罹ると恐ろしい顔になって、当時は治療法も分からなかったから、ここに隔離されていたと家内が言います。
「伝染病?」
「そう思われていた」
「なぜ私がここに?」
Dさんに聞くと、こう答えてくれました。
「日本など外国の援助と協力があって、今は熱帯特有の病気専門の病院になりました。たぶんベトナム中部では一番の病院です」



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こんなきれいな海岸沿いに建てられた病院が、今は熱帯病治療の拠点になっているそうです。
PCなら画像右下の『+』マークをクリックすると、拡大できます。
モーターボートや水上スキーが置いてあれば、ちょっとしたリゾートホテルのプライベートビーチと見まがいそうな光景でしょう。
ベンチもあるし、ここで泳ぐのかなと思っても仕方ありませんよね。
ただ、更衣室やシャワー室などの設備が見当たりません。



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こんな看板が何ヶ所かに立てられていました。
『旧暦の10月から3月までは海流が危険な状態になります、泳いではいけません』
今は旧暦の7月ですから泳げないことはないはず、でも誰もいない所を見ると止しておいた方がいいのでしょう。
これが見知らぬ土地に来た時の心得、Dさんも「明日は海遊びがあるから」と言いますから、風景を楽しむだけにしました。



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子供たちはスマホで写真を撮ることに熱中、日陰でDさんとしばらくお話しすることにしました。
ここには最大300人の患者さんがいた事や、設立当初からずっと援助をしている国は日本だけなどが分かったけど、肝心の『ある病気』が判然としません。
「帰り道にその病気に大きな貢献をされた人の胸像があります、停まりますから見てください」



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ここが現在の隔離病棟、窓はきちんと閉めてくださいとの事でした。
画像に写り込んでいる手はDさんがハンドルを握っている所、○○写真とは違います、念のため。
新しい病棟は二つ、ご覧の通りすべてエアコンが設置されていての密閉状態。
どちらの病棟が患者さんたちにとっていいのか、私には分かりませんでした。



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ドクターA.ハンセン、1841〜1912。

『かつて我が国では「らい予防法」の下で患者を強制的に隔離する「隔離政策」がとられていたことなどから、人々の間に「怖い病気」として定着してしまい、患者はもとよりその家族も結婚や就職をこばまれるなど、強い偏見や差別を受けてしまいました』
これはハンセン病の療養所を持つ各県のホームページにあった文章です。

病原菌を発見したノルウェーの医学者ハンセン博士が、『らい病』から病名を改められた由縁だそうです。
もう一つ、大切なことが書かれていたので転載しておきましょう。
『遺伝病ではありません。
 感染力の極めて弱い細菌による病気です。
 すぐれた治療薬により治ります。
 早期に治療すれば、身体に障害が残ることはありません。
 わが国には感染源となるものはほとんどありません。身体の変形は後遺症にすぎません。』



おまけ。
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『ドネイテット バイ 三菱コーポレーション』とドアにありました。
私が帽子を取って挨拶すると、中の4人がみんな手を振ってくれました。
入場する時にDさんが「日本人を案内する」と言ってくれたからだと思います。 

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