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何せ番地が『115−527』となっていますから、どれだけのブロックが使われているかが想像できます。 グーグルマップでいく棟あるかを見ようとしたら、雲がかかっていて確認できませんでした。 もちろん私が聞いたのではなく、こんなややこしい時は家内の出番ですから大丈夫。 この人ごみに混じっての順番待ちなら、近くにあったシネコンにでも入って時間つぶしするしかありません。 政治家さんや高級官僚は別の窓口がある、家内は囁きましたは真偽は不明。 エアコンの利いたここで問診票を書きます、英語は一部だけですからもちろん家内に任せて。 ベトナム語の部分を読んだら、私一人だと1時間仕事ですからね。 数値は教えてくれなかったけどやっぱり高そうで、また舌下錠をいただきました。 これを含んで30分後に再検査、ここで聞いてみました。 「いくらですか?血圧。家で測った時は171−100でしたけど」 「170です、薬を飲んでもまだ高いですよ。何か興奮されていますか?」 「……あなたが美しいからかな…」 もちろんこの程度はベトナム語、家内も近くにはいませんから冗談は言える余裕があります。 ここもエアコンが利いていて、何より人が少ないのが精神衛生上よろしい。 左のデスクが受け付け、ドクターは9時に来るとの事でした。 7時半到着で血圧を測り直して今は8時40分、病院は6時半開院だそうですから日本とは違います。 最初に行った病棟では、診察が始まっていましたけどね。 という事は早くて9時15分、下手したら30分を回ってしまうかも。 そう思っていたら、8時58分に受け付けにいた警備員に呼ばれました。 診察室には私の名前が書かれたカルテが机の上に、先生の入室は9時ジャスト。 眼科専門病院でもここでも、検査技師を除くとすべて女医さんです。 「英語は出来ますか?」 「医療用英語はほとんどできません」 こんな会話から始まりました。 「タバコはやめたと(問診票に)ありますが、いつやめられました?」 家内がおかしなところにチェックマークを入れたみたい、確かにベトナムに来てから半年はやめた経験はありますけど。 「ポケットに入っているのは、シガレットですよね?」 現物を押さえられて困った挙句、落語調で答えてみました。 「はい、この病院に入った時から…」 女医さんの持ったボールペンが震えました、でも眼鏡の奥の目は笑っています。 「私、そんなジョークは大好きですよ。一緒に来られたのは?」 「家内です」 「中に入ってもらってください」 女性二人で10分ほどの長話、決まったのは目を除いた精密検診を兼ねた半日ドックです。 勝手に決めやがって…そう思っていたわが心を見透かしたように、家内が言いました。 「ここにはMRIもあるらしい、あなた3年ぶりでしょ」 ここでは血液を入れるような小瓶に入れないといけません、これには参りました。 両手と小瓶を洗って…すみません、下ネタ話になりました。 これも3年ぶり、以前の病院では日本式の紙コップでした。 ところ変わればのお見本でしょうか。 息を一杯に吸ってから止めるタイミングが、別室からのベトナム語では理解できなかったのです。 二ヶ所で超音波検査、きっと心臓や肝臓、腎臓に膀胱でしょう。 次の部屋では背中から、ここでは男性の技師ですから力いっぱい抑えられて音をあげそうに。 別に私への意趣返しでもなく、部屋の入り口に『強く押さえる事があります』と張り紙がしてありました。 時刻は11時半、同じフロアに検査室があることと患者数が少ない事がこれだけ早くに済んだ理由でしょうか。 私は検査データを持ち歩かずに、すべては受付けに集められてファイリングされます。 「もうすぐ先生が来られますから、ここで掛けて待ってください」 受け付けの警備員、患者の案内までしてくれるんです。 また女性同士の長話のあとで、私に正対して言いました。 「ほとんど健康です、血圧以外。コレステロールも許容値以下だし。食事の注意事項は奥さんに入っておきました」 「塩分控えめ、アルコール控えめ、適度な運動、でしょう?」 「シガレットも止めなさい、あなたのフュ−チャーのためです。」 「私の内臓に点数を付ければ、どれぐらいになります?」 「医者は点数を付けることはできません。でもデータからは肝臓に少しだけダメージがあるけれど、あなたの年齢にすればいい方かな」 内心、休肝日を減らしてもらおうと考えておりました。 最後に、こう言おうと思っていました。
「一般外来病棟では7時から診察が始まっているのに、ここでは9時から、一番VIPなのは先生じゃないかな?」 もちろん言えなかったけど。 |
日々平安
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