ちょい旅

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二人で翻訳

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ミーア漁港からハウとジンの家に向かいます、港から3キロほどでしょうか。
両側にあるのはエビの養殖池、日本へも輸出されています。



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いつの間にかコンクリートの道に変わって、ここを左に曲がると『地図にない橋』になるけれど、目印だった道路真ん中にあったジャックフルーツの木もなくなっていました。
橋に行くのは後にして、ハウとジンの家に行ってご挨拶をしないといけません。
それに、お父さんがぜひお願いしたいことがあると聞いています。



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到着すると、玄関にジャックフルーツが二つ。
おやつ用に庭から食べ頃の実を切って来たそうです、田舎はこれができるからいいですね。



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お父さんはもともと漁船員、いわゆる半農半漁の『ハウ・ジン家」でした。
ご存じの通り好漁場の南シナ海は某大国の海賊もどきが出没、お父さんの漁船も発砲されて同僚が足に大けがをした話は以前に書きました。
以降、家族も漁船に乗る事には大反対して、起業したのが氷屋さん。
氷屋さんといってもかき氷を売るわけではなく、漁船に積む氷を作って売る仕事、つまり製氷業です。

漁船の出港は午後から夕方にかけて、開業後は運送業者に来てもらっていたのに、何とトラックまで購入したそうです。
運転手はもちろんお父さん、出荷時には農家からアルバイトが来てくれるそうでした。
製氷工場もお父さんの手作り、漁船員ってみなさん器用なんですね。



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そのお父さんが所望されているのは、この取説の翻訳でした。
今使っているのはMYCOM(旧・前川製作所)の冷凍機、設備を増やしたいからと購入したのは三菱電機製のチリングユニット、平たく言えば冷凍機なんですけどね。

「10年前の冷凍機と聞いて買ったけど、本当か?」
それをまず言われても専門外、今の日本の車だって分からなくなっているのに。
まず中を読んでみましょう。



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このページでスマホ検索するのは私、フムフム、けっこう高価な機械類なんですね。
でも、この機械の写真が出てきませんね、確認しようがありません。
取説の中を読んでみましょうか。



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これは単なる冷水の場合、別のマイナス10度以下に設定するページを探しましょう。
ビルの集中冷房に使われるのが冷水モード、冷媒は…フロンガスですか。
今お使いの冷凍圧縮機はアンモニアですから、何かあった場合の危険度はかなり減少しますね。



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これは最初のエア抜き、冷媒を入れるのは真空状態にしてからです。
私が日本語で平たく言うと、家内がベトナム語に翻訳してお父さんに伝えます。
お父さんはノートにメモ書き、この図はアンモニアを注入する手順と全く同じですからきっとお分かりだと思います。



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あ、ありましたよ、手掛かりが。
1995年9月1日現在とアフターサービス網の紹介欄にありました、今から20数年前の『現在』です。

日本には中古機械専門商社があって、東大阪の『金物団地』などに行くと大小さまざまな中古機械が展示されています。
ベトナムにも仲介業者がいて、建設機械等の特殊機械が減益として活躍しています。

「10年前というのは信じてなかったけど、1995年以降の製品か……」
お父さんは悩み始めました。



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実は、もう買ってしまったそうでした。
三気筒の圧縮機、見るからに『整備・点検済み』の状態ではなさそうです。
一番肝心なシリンダヘッドが、汚れたまま。

「いくらで買ったの?」
返事はありませんでした。
ベトナム人は大阪人気質に似ていて、安く買ったら自慢の種に出来ます。
絶対高く掴まされたのでしょう、その表情で察しがつきます。

船乗りは気性が荒い、ジャックフルーツをいただいたら次の遠戚様へご挨拶に回りましょう。

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