日々平安

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はははのラストワン

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毎月最終週には点検してもらっていた歯茎へ埋め込まれたインプラント土台、昨年末に「1月にはボルトを入れましょう」と言われていました。
出来れば去年の内に終わりたかったのに、意外と長引くものなんですね。
指定されたのは午後3時、これは午後の部のトップバッターなのです。
12時半から3時までが歯科医院のお昼休み、ちょっと長過ぎませんかね。

待合室にはヘルメットが一つだけ、助手兼事務員さんもまだ見えません。
このヘルメットは、きっと患者さんの物ではないはずです。
治療室のドアを開けて、声を掛けても灯りは点いているのに無人で返事はなし。

3時ちょうどに正面の入り口から入ってきた助手さん、ごめんなさいねと言いながら診療室に入ってから二階に向かって手拍子を二つ。
何だか仲居さんを呼ぶ雰囲気、降りてきたのは相棒の助手さん。
二階で昼寝でもしていたんでしょうか、それとも寮にでもなっているのかな。



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どうぞと呼ばれて診療台に、まずは接着剤を塗りたくってくっ付いている仮歯を取らないといけません。
男先生も女先生もまだ姿は見えないのに、準備作業だけは進みます。
今日の席は入り口側、ここはエアコンが強くて好きではないけど。

仮歯の周囲を掃除してから血圧測定、これがあるのだったら3日前から血圧降下剤を飲んできたのに。
数値は言ってくれません、やっぱり高そうだ。
先生に電話して、薬を1錠持って来てくれました。
「血圧降下剤です、飲んでから30分は待ってもらわないといけません」



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30分待って、また測定。
そんなに急な下がり方をするのは危険な薬、案の定まだ既定の数値には達していないみたいでもう30分。
少し遅れてやってきた男先生はちょっと不機嫌そう、そりゃそうでしょう、次の予約が入っていますからね。
3度目の測定でやっとOKが出ました、もうこんな時間になってしまっています。
診察台を変わって、今度は奥の方に移動。



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助手さんが準備しているのは手術用シート、ボルト1本入れるのに大げさ過ぎませんかね。
まずは仮歯を男先生が力任せに、普通は前後に揺すってから取るものでしょう。
一気に喉の方向に金具を押し込んだものですから、取れた仮歯が…想像してください。

「ごめん、ごめん。うがいしてください」
はい、咳き込みました。



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「大丈夫ですか?」
「もう大丈夫です」
「ではこの赤い水を2分間、口の中でゆすいでください。飲んだらいけませんよ」
助手さんが準備してくれたのは、きっと麻酔薬でしょう。
イチゴの香り、子供用にもこれを使うのかな。



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「今から、これを入れます」
「ちょっと写真を撮らせてください」
もう口の周りに手術する時の茶色い薬が塗られているのに、ボルトだけは撮っておきたいと思ったのに失敗作。
なんせ手術用シートをかぶっていますから、仕方ありません。



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歯医者さんで打たれる麻酔の注射、1本目は痛いですよね。
お腹に力が入りました、男先生は無言。

時間にするとほんのわずかでしかないのに、なぜ歯医者さんの治療は長く感じるのでしょうか。
助手さんが口の周りの茶色い薬を拭ってくれて、「終わった!」と思いました。

「薬は3日分です、薬局で買った飲んでください。次は3週間後の午後3時」
「それまで仮歯はないのですか?」
「今まで入れていたものは、歯茎の形状が変わっているから使えません」
「また歯型を取って、作ってもらえませんか?50万ドン(¥2500)払いますけど」
「腫れている歯茎が毎日少しずつ収まっていきます、恥ずかしいならマスクをしなさい」



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いつもの薬局に行って、処方してもらいました。
「マスクも、いります?」
妹さんが笑いをかみしめながら、言いました。
「いりません!」



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これが上顎に入ったボルト、少々グロテスクなので小さな画像にしました。
ファミリーも、やっぱり笑いをかみ殺している様子。
「3週間、話し掛けんでくれ!」
「あなた、3週間も喋らずに暮らせるの?1日だって無理でしょうに」

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