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椰子の使われ方も、今まで何度かにわたってお伝えしてきました。 今回は、椰子の葉を使った屋根葺き作業をご紹介します。 ちょっとした地方都市では、専門の商売をするお店を見かけるほど一般的だった椰子の葉で編まれた屋根材も、耐久性からトタンやスレートに取って代わられつつあります。 「5年から8年で取り替えないといけないし、10年も使うとちょっと大きな鳥が止まったら、そこから雨漏りがする」 と、これは義弟の弁。 これを造るのは椰子園農家の副業でもあります。 これが作られて間もない屋根材、芯には竹が使われています。 昔は義弟の家でもこの屋根材を作っていたそうで、子供頃の義弟は椰子の葉をきちんと並べる役だったとか。 「葉の青いうちに曲げたり編んだりしないといけないから、1日にたくさん出来ない」 「枯れると破れるから?」 「そう。それに、並べて編む時に紐を通す孔が大きく裂けてしまう」 「紐は、何を使う?」 「椰子の葉っぱの、芯」 すべて植物から作られる、天然素材の屋根材です。 「竹は、ベンチェーにもあるのかな?」 「お義兄さん、ベンチェーの意味を知ってる?」 「いいや…」 「ベンチェー(Ben Tre)は、『恥ずかしがり屋の(Ben:Shy)竹(Tre:Bamboo)』という意味。今は椰子で有名になったけど、まだまだ竹林はたくさん残ってるよ。オレの名前(Mang)はタケノコという意味だよ」 またひとつ、ベンチェー、いや、勉強になりました。 二日酔いの重い頭を抱えての散歩中に、どこかから私を呼ぶ声が聞こえました。 「ヘーイ!カモン!」の声は、屋根葺き作業中のお二人からです。 この顔…どこかで見たような…そうそう、昨日の『嫁取り式』で出会った人たちでした。 別に高いところは苦手じゃないけど、今は地球も回っているしまっすぐ歩く自信も皆無、安定した地上からの作業拝見でお許しをいただくことにします。 軒はスレート葺き、その上の本屋根の葺き替えの始まりでした。 屋根材はもちろん椰子の葉を編んだもの、これを腰の部分にぶら下がっている束で骨組みの竹にくくりつけていきます。 これほどじゅうぶん乾燥させると、虫も付かないそうだし雨もはじくそうです。 それに、何よりトタン葺きと違うのは、防音効果と断熱効果にずっと優れていることでしょう。 上ばかり見ているとやっぱり気分が優れない二日酔い、5分ほどでやっぱり散歩を継続することにしました。 ほぼ1時間後に戻ってくると片面が葺き終わり、反対側の作業に取りかかっておられます。 でも、この状態ではまだ完成ではありません。 このお宅のように裾を切り揃えて、水椰子の強い葉芯で押さえを付けると、ようやく出来上がりになります。 これで、少々の強風でもきっとだいじょうぶです。 別の建物になりますが、内側はこんな状態です。 スコールの大きな雨粒が打ち付けても、熱帯の強い陽射しが降り注いでも、これだけ密に敷き詰められたなら室内は快適に過ごせることでしょう。 「椰子の葉葺きの屋根は、とてもエコな気がする」
「欠点も、あるよ」 「どんな?」 「火に、弱いこと…」 |
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