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タイ風椰子アイス

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最近多くなったスピーカーを使う行商さんたち、パン屋さんに(刃物)研(とぎ)屋さん、不要になった家電回収業に最近は廃品回収のオバチャンまで、まだ1台だけですけど。
そんな中で、今まで耳にした事のない音声が聞こえてきました。
それも繰り返し、繰り返し。
「ユア・ケム・タイラン・ユア」だけが耳に残ります、『タイ風アイスクリーム、椰子の実を使ってる』という事でしょうか。

私にはハワイで食べたアイスクリームもカンボジアで食べたアイスクリームも、違いがさっぱり分かりません。
何がどう違うんだろうとベランダに出てみたら、義弟の店に来たお客さんが注文した様子。
ずいぶん長い間聞こえていましたからもう作り終えたのでしょう、残念だけどこれでは何がタイ風なのかが分からない。
私も初めて聞く呼び声ですから、ご近所様だって珍しいのでしょうね。



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このおねいさんは路地向かいのワンルームマンションに住む大学生さん、これだけ繰り返して『タイ風アイスクリーム』なんて流されると誰もが興味を持つでしょう。
これでアイスクリームがなぜタイ風なのかが拝見できそうです、ありがとうおねいさん。

おじさんはすでに半分となっていた椰子の実を、スプーンで内側に付いた『ココナッツゼリー(固形胚乳)』と呼ばれる部分を刳り出します。
この部分は乾燥させてから粉末に加工すると『ココナッツパウダー』、ココナッツジュースか水で溶くとココナッツミルクになるのです。
生でも名前の通りゼリー状で結構おいしく、チビも小さな頃は大好物でした。



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左の大きな鍋は二重になっていて、内側にアイスクリーム、その外にはドライアイスが入れられています。
ディッシャー(アイスクリーム専用スプーン)で7回も、子供の頃はコーンに1回だけでもうれしかったのに。
相手は小さいけど椰子の実半分、これだけ入れないとアイスクリームが見えませんからね。
あ、『ココナッツゼリー』はそのまま実に入ったままです。



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お次はコンデンスミルク、やっぱりベトナムは『甘い』と『おいしい』が同義語ですね。
この時点で私はダメ、甘過ぎるなと直感です。



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スピーカーの音は止まりません、そして次はチョコレートですか。



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これが最後でしょう、たぶんクラッシュナッツを振りかけています。



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スプーンを付けて、これで完成でしょうか。
おねいさんはきっとルームメイトと食べるのですかね、2個のお買い上げでした。
渡したお金は10万ドン(¥500)、日本だと1個だけでもこの価格では買えません。
サイゴンでも小洒落た店だとこのくらいかな、でも2個貰って待っている所を見るとおつりがありそうです。
ここまで約3分ですから売れればなかなかいい商売、三輪車も古いカブを改造したものですから燃費はいいはず。



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おつりに注目していたらおじさんに電話が、残念ながらいくらの返金だかは確認できませんでした。
でもお客さんが増えてきましたよ、その間に義弟の店に降りてアイスの写真を撮らせてもらいましょうか。
そうすれば価格も分かるし何が『タイ風」なのかも教えてもらえるでしょう。
きっと「また日本人が…」と思われても、ここは敢行あるのみですよね。
行ってきまぁす。

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