乗り物百態

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省道・国道

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ベトナムの一里塚、国道は赤いキャップをかぶっています。
青いキャップは省道、この道はニントゥアン省の716号線です。



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海岸沿いを走ります。
実にのどかな光景が展開されるので、さすがのドライバーもクラクションを鳴らすことはありません。



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一年中風の強い地域だと、すでにご紹介しました。
この辺りにも風力発電施設が建設される予定だそうです。



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海岸から離れて、道は国道1号線に向かいます。
やっぱり牛たちが増えてきました。
車も速度を落とします。



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ちょっとした集落を超えると、もうすぐ国道1号線に合流します。
脱穀して間のない籾の天日干しは、もちろん国道では禁止。
さすがに交通量が増えてきます。



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国道1号線に出ると、途端に冷や冷やすることが多くなります。
前からだけではありません。



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大きなトレーラーだってチキンレースに参加しての追い越し。
だから、前の席に座っても後ろの席に座っても同じ。
シートベルトをして、あとは運を天に任せるしかありません。



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また建設中の原発前を通りました。



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ミャンマーからタイの北部を通ってラオス、そしてベトナム北中部を通過するプレートの境界があることを、この国ではほとんど知られていません。
実は私も中国との国境付近を除けば、ベトナムは安定地盤にあると思い込んでいました。
6〜7世紀に建てられたレンガ造りの塔が風化は激しくても現存しているし、ベトナムで唯一の溶岩石柱は200万年以上前のことだと言われているし、温泉はあっても活火山はないし。

建築中の原発だって、シートベルトをしたあとは運を天に任せるしかなさそうです。



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ずっといいお天気に恵まれてきたのに、厚い雲が出てきて雨が降ってきました。
ガイドさんによると、この辺りはベトナムでいちばん降雨量の少ない地域で、もう2ヶ月以上も雨が降らなかったそうです。
自然は、気まぐれです。

ナビ要らずの国

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国道1号線に戻って、南下します。
岩山が目立つようになると、カーナービーチです。



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この辺りでは、海岸線に沿って『統一鉄道』が併走します。
できればディーゼル列車を撮りたいのですが、なにせハノイ−サイゴン間の直通列車は1日6往復12列車。
ローカル列車を入れても、なかなかチャンスがありません。



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ここがカーナー駅、ローカル列車しか停まりません。
確か1日2往復だけの寂しい駅です。
サイゴンからのローカル列車だと、車よりずっと時間がかかります。
単線ですから、あちこちで対向列車や高速列車の追い越しのために停車しなくてはいけないからです。

日本からの高速鉄道を導入する前に複線化するのが最善策だと、国会で閣議決定を覆されたのもうなづけます。
私もそう思います。
南北に長いベトナムでは、旅客だけでなく物流の動脈との確保が命題になっているからです。
急ぐ旅なら航空機を利用すればいいという意見が大勢を占めました。
当時にはなかった『格安航空会社』も誕生していますから、先見の明があったといえるでしょう。
ただし、複線化や電化の計画も遅々として進んでいないのも事実。



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対して、着々と進むロシア製原子力発電所。



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原発建設現場を通り越して、国道1号線から東へ向かう省道に入りました。
こんな過疎地だからこの地が選ばれたといいますが、万一の時はどれぐらいの影響が出るのかデータが公表されることはありません。

日本がほぼ手中にしているニントゥアン第二原子力発電所建設に関しても、同じです。



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ローカルマーケットがありました。
過疎地とはいえ、これだけの人たちが営みを続けているのです。
活気は、サイゴンのローカル市場と変わりません。



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主要道には精通しているはずのドライバーも、さすがに知らない土地に入れば困るようです。
ナビゲーションシステムはもちろん、道路地図も持っていません。
それでも心配することはありません、親切な人が多いからです。

サイゴンでも数え切れない人たちにお世話になりました。
たとえば、道路工事で路線バスのルート変更がよくあります。
日本のように告示などありませんから、バス停で待っていると声をかけられるのです。
「バスは来ないよ」
常に地図は持ち歩いていますから広げると、すぐに人の輪ができます。

「そうとわかれば、バイクタクシーに乗ればいいのに」
家内は言いますが、こんな人たちとのふれあいも楽しいのです。

「日本人ですが、28番のバスに乗りたいんです」
そう言うだけで私の語学力が露呈するらしく、それぞれが言いあいます。
「誰か英語をしゃべる人はいないか」
「日本人が困ってる」
こんな声が聞こえて、最終的には地図上に印を付けていただいて「ありがとう!」で締めくくりとなります。
時には「遠いから、後ろに乗れ!」と大きなジェスチャーもいただきますが、これはたいてい謝辞します。
甘え過ぎはいけないし、歩けばまた『オモロイこと』に出会える可能性も知らない通りでは多くあるからです。

この時も、親切なおじさんが目的の通りに出るまでを細かく教えてくれました。



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これが教えられた通りです。
将来、道幅が拡大されるようでした。



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今度はガイドさんが聞き役。
バイクのおじさんも、とても親切でした。
だから目隠しなし。



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ようやく標識がありました。
この先を左折すると、目的地です。



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おかげさまで観光区への進入道路がわかりました。
道を尋ねること、ナビが発達した日本では希少になってしまったのではないでしょうか。

私だってバス停に立っていると、バイクが寄ってきて道を尋ねられます。
「アン、オイ(『お兄さん』に近い語りかけ)」から始まる言葉に、とても気をよくします。
でも、返す言葉は「私は日本人です、わからないんです」と答えなければならないことが、とても残念。

おぢゃま

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ドライバーさんにとっては邪魔者でしかなさそうです、もういいじゃないかというほどクラクションを鳴らすのですから。
人間だって整然と歩くことなく、公然とルール破りをすることだってあるのに。



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やっぱり一番多かったのは、牛さんたちです。



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ほかに、山羊さんたちも。



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羊さんたちだって。



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たまに、アヒルさん。



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でも、やっぱり牛さんたちが圧倒的。
いずれも国道ではなく、省道でした。



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国道だって、横切らないといけないこともあります。
わがドライバーは、こんな遠くからクラクションを鳴らし始めます。



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ちょっとした渋滞の先、国道に出られなくなったトレーラーが立ち往生していたのが原因でした。
ここではクラクションを鳴らしません。
ドライバー同士の連帯感からでしょうか。



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もっとお邪魔虫が、これ。
自転車のおじさん、直立不動。
何があったのか、車内ではいろんな意見が飛び交っていました。
結論は出ませんでした。

満載

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販売店に「このカメラは欠陥品です。立ち上げて最初のスタンバイランプが点灯しても、必ずピンボケになるんです」と言っても、「もう一度オートフォーカスを利かせれば問題ありません」と返されてから我慢しています。

対向車が高速だと、こんな画像しか撮れません。



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トラクタぐらいのスピードならじゅうぶん間に合います。



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牛車なら、2台まとめて撮れます。



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これは、ズームをもう少し利かせばよかった。



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個人的には、これぐらいが好きです。
風景も入ってどの辺りかすぐに思い出せます。
でも、後方からだと牛の足しか写りませんから、あまりカメラを構えることはありません。



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油断していると、こんなチャンスを逃しそうになります。
前方に小さく入っているように、牛車は道の端をゆっくり進むのが習性になっているはず。
わがドライバーが不要なクラクションを鳴らしたので、温厚な牛君もムカッと来たのでしょう。
中央寄りに進路を変えました。

あわてた牛車のおじさんは小枝の鞭を振るいます。
少々痛い目をしたって「じゃかましいわい!」と威嚇行為をしたくなった牛君の気持ちは、よくわかる気がしました。



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この牛車は荷物を運び終えたのでしょう、お疲れ様でした。



おまけ。
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牛のあとは、ネズミ。
持ち運びできる超小型レーダー検知器は、日本製だそうです。

帰り道・塩の道

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帰りは約束どおり、オーストラリア組が知人宅に寄りました。
他人様の旧交を温める場に同席するのは、かえって気を遣わせます。
われわれサイゴン組はご挨拶だけを交わして、1時間ほど近くのドライブに出かけることにしました。

「何にもありませんよ」
何にもないなんて、砂漠の道だってサボテンがあるでしょうから。
そう冗談を返して走り出すと、やっぱり興味を惹かれる対象がありました。



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興味といっても私だけ、残りの乗客は『ハマメシ』疲れからでしょうか、広くなった車内でそれぞれ眠り始めます。



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しっかり目を開いていたのは、前列シートの3人だけ。



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「作業している人がいたら、停めてくださいね」
ガイドさんにそうリクエストしていたのに、やっぱり人影は見えません。



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塩田の中にも電柱が立てられています。



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私も無口になりました。
この方もお休みになりましたから。
みなさん、遅めのお昼寝タイムです。



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オーストラリア組を迎えに行って、ホテルに戻ります。
省道702号線、朝に通った時に『モアイ像に似てる』と思った岩。



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省道もあちこちで整備工事が行われていました。

若い頃にとんでもない山奥での仕事をしたことがあります。
3ヶ月に満たない期間でしたが、6人が10畳間で雑魚寝した宿舎の旅館で朝晩の食事はできても、昼食には四輪駆動車で片道20分以上の道を往復するので休憩した気がしませんでした。

その頃はコンビニ弁当なんて当然ありません、毎日作ってくれた握り飯も2週間を超えると食べる数も減ってきます。
近くの工事現場では同業他社が『飯場(はんば)』を作ったと聞いて、一緒に使わせてもらえないかと交渉したら思いのほか簡単に了解をもらえました。
土木作業にかかわる作業者たちには、ひと癖もふた癖もある人が多い時代です。
『飯場』のおばちゃんは中年の現場監督にさえ子ども扱いをするし、口の悪さは誰もがたじたじとなってしまう女傑。

また思い出話で横道にそれてしまいました。
ここの現場では宿泊もしているそうです、おいしい食事を作ってくれるおばちゃんもきっといるでしょう。
ベトナム女性はほとんど女傑の要素を持ち合わせていますから、雰囲気は同じだろうと思います。



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おそらく計画図にはない空き地が作られ、バレーボールのネットが張られていました。
現場作業者のレクリエーションは、ベトナムの方が上みたいでした。



おまけ。
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バスだって避けてくれる手作り四輪駆動車にも出会えました。

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