民話・伝説 わが家版

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バインチューン

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テトに欠かせない料理のひとつがこのおこわ、バインティエット(Banh Thiet)です。
どこにおよばれに行っても、必ず出てきます。
今回ご紹介するのはバインチューン(Banh Chung)の伝説、我が家ではこのバインティエットしか作りませんから、みなさんの想像力・連想力に期待しながらある伝説をご紹介しましょう。



紀元前の雄王(フンヴーン:Hung Vuong)時代のこと。
時の雄王6世は20人の息子たちの中から、次の雄王となるべき息子を選ばなければならなくなった時、一堂に集めた息子たちを前にして言いました。
「お前たちはさすがにわが息子たちだ。誰もが学問に秀で、武術も戦術も甲乙付けがたい。しかし、わしはお前たちの中からたったひとりだけを選ばなければならないのだ」
「そこでお前たちに、課題を与えよう。期日までにわしがいちばんおいしいと満足させる食べ物を探してきた者を、後継者にしよう」

息子たちはそれぞれ思いついたところに、山海の珍味の情報をもとに出かけました。
18番目(いろいろ説がありそうです)の息子であるランリエウ(Lang Lieu)ひとりだけはどこにも出かけず、母親のお祀りされてある祭壇の前で毎日考え続けました。

期日も迫ったある夜、ランリエウの夢に中に神様が現れて言いました。

「お前の母親からお願いが届いた。奇をてらったものを作ることも、珍味を探すこともなかろう。お前のすぐ手に入るもので料理を作ることだ」
「ひとつはモチ米を蒸してから臼で搗け、米の形がなくなるほど柔らかく搗くのだ。これを丸く仕上げる、天の広さを想像しながらな。これはバインザイ(Binh Day)という」

「もうひとつは洗ったモチ米の真ん中に、甘く仕上げた緑豆と細かく叩いた豚肉を入れて、バナナの葉で包んで茹で上げなさい。これは地の恵みに感謝しながら作ることだ。これがバインチューン(Binh Chung)だ」



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ランリエウはすぐに造って献上しました。
雄王6世はどこの農村でも手に入る材料と、その美味しさに感動され、ランリエウ王子を後継者に指名されたということです。

これらはおめでたい料理として、今もテトや婚礼などに作られ続けているのです。

姪っ子の歴史本から、ランリエウ王子とふたつの食べ物の挿絵をもらいました。
右の大きなお餅がバインザイ、四角く包まれたものがバインチューンです。



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北部では四角く造られたバインチューンが多いと聞きます。
南部では最初の写真のように丸に近い四角、市場で売られているものもこんな状態です。

今はいろんなバリエーションがあるようで、結婚式にはもっとおめでたい赤色のソイガックが使われる方が多くなった気がします。


注:いつも通り、言い伝えの古い物語ですので、これは「わが家バージョン」とご了解下さい。

ジョン伝説

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ベトナム建国伝説に登場する何代目かのフンヴーン(雄王)時代のことと伝えられています。

ベトナム北部、フードン村に住む夫婦に一人の男の子が誕生し、ジョン(Giong)と名付けられました。
ジョンは3歳になっても歩けず、しゃべることすらしないので、夫婦はとても心配していました。

この頃、フンヴーンのヴァンラン(文郎)国は北からの侵略に大いに苦戦していて、帝王は国の各地に義勇兵を求める使者を遣わせました。
使者は夫婦の住むフードン村にもやってきて、大きな声で演説をはじめました。
これを耳にしたジョンは突然立ち上がるや、「お父さん、お母さん。私にたくさんのご飯を下さい。帝王をお助けしなければなりません」と叫んだといいます。

驚いた夫婦はそれでも言われるままジョンにご飯を与えました。
三日三晩食べ続け、ジョンはみるみる大きくなり、立派な少年姿になったそうです。
ジョン少年はフンヴーンの元にはせ参じて拝謁しました。

フンヴーンは少年が持つ尋常ならぬ能力を見いだし、ジョンにまる1日駆け続けても疲れない馬と、何をも切り落としてやまない剣を与えました。
今風に言えば、オーラを見たということでしょうか。

ジョン少年は授かった数十人の部下とともに奮戦し、何日かの後には敵を追い返してしまいました。

その後ジョン少年は生涯ずっとフンヴーンに仕え、優れた武臣として名を残したということです。

サイゴンのホテルニューワールド近くにあるロータリーに、馬にまたがったジョン少年の銅像があり、今も人々に語り継がれています。
ロータリーの名前はフードン、ジョン少年の出身村名です。

ただ、銅像のジョン少年が剣の代わりに竹を持っているのが、わが家で語られる伝説とはかなり矛盾します。【おしまい】

注:言い伝えの古い物語ですので、これは「わが家バージョン」とご了解下さい。

雄王伝説:100の卵

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紀元前1000年頃の北部ベトナムにはヴァンラン(文郎)国が繁栄していたと、ベトナムの歴史書にあるそうです。
古代史に記されたヴァンラン国の王は代々フンヴーン(雄王)を名乗り、それぞれの生涯はゆうに100歳を超えたとされています。
その初代フンヴーンのベトナム建国に関する伝説です。

中国の史書にはもっと細かく、紀元前2880年からとされていて、紀元前258年にアウラック(甌駱)国を建てたアンユンヴーン(安陽王)に滅ぼされるまでの2622年間、18代の王が続いたとされています。
こちらは一度計算していただくとお分かりでしょうが、いかにも壮大な歴史書です。
この「十八史略」に登場する三皇(天皇、地皇、人皇)伝説から始まる子孫の一人、漢方薬の祖とされる炎帝神農氏がベトナム史書の始めに名が記されているそうです。

この炎帝神農氏から三代目の帝王には二人の男子があり、帝王はこの二人を平等に扱おうと、本来なら長男に国土全てを譲るところを二つに分けて兄には北方を、弟には南方を分け与えました。
弟はドンディンクワン(洞庭君)の娘と結婚し、生まれたのがラックロンクワン(貉龍君)で、この血筋は名前の通り龍だとされています。



ラックロンクワンは長じて山びと(仙人)の娘であるアウコ(嫗姫)と結ばれます。
ふたりの間にできた100個の卵から、100人の男の子が生まれたそうです。
ふたりはそれぞれ50人ずつの子供を連れ、ラックロンクワンは海に近い平野に、アウコは山岳地帯に住むことになりました。
ラックロンクワンに従った子供のなかから、初代フンヴーンが登場するのです。
長々とややこしい話が続きましたが、ベトナムを知る背景としてはとても重要なことなのです。

なんだか前半は史実に基づいた話で「へ〜、ほ〜」と思わせておいて、後半はとりとめのない物語になります。
高校の先生を含めた家族・一族総動員でのお話ですから、本来の史実・真実とはかけ離れているかも知れません。
なぜラックロンクワンとアウコが離れて暮らすことになったのかも、今もってわかりません、残念。【おしまい】

注:言い伝えの古い物語ですので、これは「わが家バージョン」とご了解下さい。

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スターフルーツの伝説

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昔々、北部のある村に大地主が住んでいました。
大地主には強欲な兄と謙虚な弟の二人の息子がいました。
父親が亡くなったあと、兄は全ての土地と財産を独り占めにして、弟にはスターフルーツの木1本を分け与えただけでした。
それでも弟は大喜び、そのスターフルーツの木は年中実をつけ、その実はとても美味しかったからです。
弟は熟した実を売るだけで、食べるにはまったく困りませんでした。

やがて兄は資産家の娘と盛大な結婚式を挙げ、ますます家は隆盛に、一方の弟は心優しい農家の娘をもらい、スターフルーツの木の横に小さな家を建てて相変わらず慎ましく暮らしていました。

ある日、大切なスターフルーツの木に大きなカラスがやってきて熟した実をついばみ始めました。
優しい夫婦は「お腹が減ったカラスが食べるのだから」と、追い立てることはしませんでした。
ところが大きなカラスは、その日から毎日やって来ては熟した実だけを食べるようになりました。
何日も市場へ売りに出かけられなくなった夫婦は困り果て、とうとうその日の食べ物がなくなってしまった朝、カラスにお願いしました。
「大きなカラスさん、あなたが毎朝来るようになって、市場で売る実がありません。今日のご飯もなくなってしまいました」
するとカラスはこう答えました。
「このスターフルーツを一度食べると他のものは食べられません。これからも食べさせてくれるなら、明日あなたの手のひら三つ分四方の袋を持ってきなさい。お礼をいたしましょう」

翌朝、約束通りの袋を作った弟が待っていると、やって来た大ガラスは背中に乗るように促しました。
カラスは弟を乗せて海を渡った渓谷に飛んでゆくと、そこにはたくさんの金貨があったのです。
手のひら三つ分の袋に金貨を詰め込んだ弟は、再び大ガラスの背に乗って家に戻りました。
スターフルーツはカラスに食べさせながら弟夫婦はとっても豊かになり、家も大きく立派になりました。

兄は急に裕福になった弟を不思議に思い、嫁を追い立てるようにして訳を聞きに行かせました。
理由を知った長男は、自分が相続した広大な土地とスターフルーツの木を交換するよう弟に迫りました。
弟は兄の指図通りに従い、兄はスターフルーツの木の下で大きなカラスを待ち受け、弟と同じ言葉をかけます。
カラスもまったく同じ言葉で応じ、兄は約束より大きな手のひら五つ分四方の袋を持ってカラスの背中に飛び乗りました。
海を越え、渓谷に着いた兄は弟よりずっとたくさんの金貨を詰め込み、「さあ、家に戻ってくれ」とカラスに命じました。

ところが金貨が多すぎて、カラスは羽ばたいても飛び立てません。
「半分にしてくれないと重くて飛べません」
カラスが言うので兄は袋から金貨を取り出して戻すふりをしながら、ポケットに金貨を移し替えただけです。
大ガラスは渾身の力で飛び立ちましたがそれでも海の上で力尽きてしまい、兄はポケットに詰め込んだ金貨の重みで海中深く沈んで行きましたとさ。【おしまい】

注:言い伝えの古い物語ですので、これは「わが家バージョン」とご了解下さい。
  画像は昨年分を含め再掲、日曜日外出の間に6個全て親戚さまの胃袋に収まりました。

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