隣のCAMBY

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第二回廊

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第二回廊にも有名なテーヴァダー(女神)はたくさんおられます。
ガイドブックでは、『第二回廊のテーヴァダー像は保存状態も良好。特に○×方角の隅にある5体の美しいテーヴァダー像は見逃せない』とあります。

大きなお世話、私はこちらの女神像のほうが好きです。
アンコール・ワットには全部で1560体のテーヴァダー像があるのに、失礼だと思います。
それに十字回廊で四つの沐浴池を『アプサラ・コンプレックス説』と唱えたからには、今回は『天女の舞』のレリーフを探すことにしました。



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今夜は、本物のアプサラ・ダンスが見られるんです。
貧乏旅行の去年は、アプサラ・ダンスの付いたディナーショーが50ドルと吹っかけられてあきらめた経緯がありますから、楽しみ。

50ドルあれば2泊できるし、残りの10ドルで2日分の食事だって可能。
貧乏旅行でもビールだけは別勘定なのが、私の旅。



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ところどころに麗々しく飾られた像があります。
私には何の像か分かりませんが、脱帽して礼。

誰がどんな祈りをしても、きっと聞き届けてくださると思います。



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祈り終わったら、いつも集合時間に遅れてくるグループが到着。

この様子だともう少し遠回りして見学しても、十分時間的な余裕がありそうだと判断しました。



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細かなレリーフの刻まれた角柱、どれも下の部分がはがれてきています。
回廊のひさしを受け持つ柱の装飾はそのまま残されているのに。



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ぐるりと回り込んで、集合場所に近づきました。
やはりここにも周辺から掘り出された仏像が無造作に置かれていました。
首のない仏像は、近年の騒乱に乗じて盗掘されたものだそうです。

あら、この先は通行止め?
あわてて引き返すことにします。
腕時計は集合時間の3分前。



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出口で先ほどのお祈りグループに遭遇、階段が苦手そうな人たちを尻目に二段飛ばしで駆け下りて、最後尾のそしりはだけ免れました。

なんだか十二支のねずみになった気分でした。

メコンフラッド(4)

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アンコール・ワットの周囲を取り囲む環濠の幅は約250メートル、一辺が約1.3キロメートルの正方形です。
やはり水位は例年よりずっと多め、雨季にしても治水技術にも優れていたアンコール王朝ですから、よほどの洪水がなければ遺跡までは浸水しないとか。

そういえば雨季の洪水と乾季の水不足を、ワットの東西に巨大な貯水池『バライ』を作ってコントロールしたと何かの本で読んだことがあります。
この技術によって東南アジアで初めて安定的な二期作がこの一帯で可能になり、多くの人口を養えたともありました。

濠端にお坊さんたちの姿が見えます。
今はワットの中ではお坊さんを含め、誰も常駐はしていないはずですから見学か修行に来られたものだと思います。

なんだか一部のお坊さんはお祈りをしている様子、一方の集団は談笑。
このアンバランスさが、好奇心を引き起こします。



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お祈りの対象は、巨大な淡水魚でした。
この辺りは神聖な場所、決して釣りなどはできません。
お坊さんに訊ねてみました。

「これもフラッドからですか?」
ひとりのお坊さんから、お答えがありました。
「ここは水門で守られていますから、そうではないでしょう」
そうですよね、なんでも話題性で事象を追いかけてしまうのはいけませんよね。
「それに…」
「それに?」
「洪水などで水質が悪くなったのなら、弱い小魚たちがいちばん先に犠牲になるはずです。この魚は、彼のライフを終えたのでしょう」
私も、合掌させていただきました。



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遺跡周辺の道路です、もちろんこのあたりも漁獲禁止。
制服姿は『ツーリスト・ポリス』、投網を打って魚を獲っていた人が取り締まりの対象でした。

洪水でいつもならありえないお仕事も増えたようです。
せっかく獲った魚もチェックされていました。
たぶんきついお灸だけ済むでしょうけど。



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学校帰りの少年、水溜りの中に入っていました。



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こんな魚獲りなら、きっと『ツーリスト・ポリス』だって無視してくれることでしょうね。
両手を使わない少年、きっと慣れていない遊びなんだろうと思います。

今回は洪水の中での閑話休題でした。



おまけ。
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ホーチミン市内の昨日。
タイだけではないんですよ。

十字回廊の謎

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中央祠堂に向かって第一回廊を抜けると、第二回廊までの間にあるのが十字回廊と呼ばれる『田』の字型の建築物です。
いろんな謎の多いアンコール・ワットでも、いちばん大きな謎がこの十字回廊だとされています。

四ヶ所にある四角いくぼみが何のために使われたのかということ。



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現在では『雨水を貯めて、神々に近づく前の身を清める沐浴場』だという説が有力だと聞きました。
私は最初に訪れた時から、この説に疑問を持っています。

聖水は清水でなければならないのではないか、なぜ4ヶ所もあるのか、防水はどんな技術を使ったのか、満水だと大人の背丈を優に越えるこの深さはなぜなのか、雨水が溢れないような工夫はあるのか、などなどからです。



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やっぱりガイドの『岡本課長』も、どうやら有力な沐浴説をお客さまに説明したようです。
なぜ分かったといえば、義弟が私にこう聞いたから。

「日本の『温泉』と、どちらが大きい?」



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深さ、お分かりいただけるでしょうか。
床の部分の敷石だって今はこんなに隙間が開いてしまっているけれど、当時はきちんと平らになっていたはず。



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この向こうにも、同じ『沐浴場』があります。

見学が終わって移動を始めた『岡本課長』に、この疑問をぶつけてみました。
「いちばん有力とされている説をご紹介しておいたんですが、私にもいろいろ疑問があるんですよ」
「やっぱり!」
「あなたはどう思いますか?」

「私は…」
遺跡では、妄想する癖があります。
「私は、この中でアプサラ・ダンスが繰り広げられたと思うんです」
「四ヶ所も必要なんですか?」
「今、ホーチミン市でも『シネマコンプレックス』という施設があります。違った映画を見せるのと同じです。四ヶ所で違った踊りをして競い合った…というのはどうでしょう」
「……それ、面白いですね。アプサラ・コンプレックスですか。こんな説を述べる日本人がいると、これから紹介させてもらってもいいですか?」
「あ、それはやめてください、少なくとも『日本人』だけは」

あくまでも妄想から出たもの、何の裏づけもなく突拍子もないイメージだけの産物なんですから。



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第二回廊に入ると、仏像がいたるところに放置されています。
これらは16世紀に入ってから発見されたものが持ち込まれたとありました。
ヒンドゥー寺院に仏像、私にはほとんど違和感がありませんでした。

もしかしてこの仏像たちが、この謎の答えを知っているかもしれません。



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アンコール・ワット中心部の地図をお付けしておきます。
私が今回廻った順路は、黄色の矢印です。

うまく撮れない

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アンコールワット第一回廊のレリーフです。
分かりづらいですよね。

これはフラッシュを使わず、自然光のままで。



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フラッシュを使うと、よけいに真っ白になってしまいます。



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斜めから撮ってもダメ。
カメラの調子が悪くなったのかもしれません。

だから、去年の写真を使います。
でなければ、アンコールワットのサルたちについて説明できませんから。



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『実業之日本社刊 アンコールワット』から、ヒンドゥー叙事詩の『ラーマーヤナ物語』部分を引用。

『庶民の英雄であるラーマ王子は、密林で幽閉されていた間に奪いさらわれた最愛の妻シータ姫を取り戻すため、ラーヴァナ魔王のいるランカー島(今のスリランカ)へ向かった。
途中で出会ったハヌマーン猿王の援軍を得て魔王を打ち破り、めでたくシータ姫を取り戻す』

『ところどころで王子の顔がスールヤヴァルマン2世の顔に差し替えられているといわれおり、王権が神格化されてゆく様子の一端もうかがえる』

サルが大切にされているゆえんです。

実はこの時にもデジカメがメモリエラーを起こして、この画像は携帯電話に付いているカメラで撮ったもの。
5年目になるこのデジカメ、そろそろ更新時期なんでしょうか。



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こんなアラベスク風のレリーフはそこそこ撮れるのに、どうしたことでしょう。



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わがツアー参加者は、ほとんどレリーフに関心を持ちません。
ポツリポツリと回廊を見て回るのは、ほとんど遠くから来た人たちだけでした。

去年修復工事中で見られなかった、同じヒンドゥー叙事詩の『マハーバーラタ物語』のレリーフがある西面南側に行こうと思いました。



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はい、これでした。

うまく撮れないどころか、またまた次の機会に持ち越しでした。

遺跡のサル

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周壁の後、アンコールワットの見学は今までのコースとは変わっていました。
『撮影スポット』に寄ったためなのか、十字テラスを通って西東門をくぐる従来のコース付近が修復工事中だったから、定かではありません。
去年の3月は修復工事があってもまっすぐに通れたのです。
もしかして私ひとりだけがイリーガルな行動をとってしまったのかも知れないと、今頃になって冷や汗が出てきました。

出迎えは、やっぱりサルたちでした。



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ベトナムのカンザー公園にいるサルたちと違って、観光客の荷物を奪ったりする『いたずら猿』はまったく見かけませんでした。
さすが世界遺産に棲むサルたちです。



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仲間内では、こんな揉め事もあるようですが。

「お父さん、もういいじゃないの」
「いやいや、小さな内からしつけておかないと道徳心のないサルに育ってしまうからな」
サル社会はボス猿を中心にした集団生活ですからそんなわけはないんでしょうけど、小猿を威嚇する姿がありました。



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観光客との関係も良好なようで、こんなに近くまで寄ってきてくれます。
日韓ワールドカップ時のD・ベッカムのヘアスタイルに似ているとよく指摘されますが、こちらのおサルさんにはヘア・ドレッサーはいないと思います。



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ひとりの東アジアから来たと思われる観光客が、半分ほど残ったペットボトル水を投げました。
ふたをひねって開けられるサルがいたら、大発見です。



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どうも栓は少ししか回されていなくて、何度かペットボトルを曲げていると、取れました。
この水を飲むのかなと思ったら、遊びだけでした。
残されたゴミ、どうします?東アジアの国からのお客様。



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遺跡のひさしからも見下ろして、今日のお客様を観察しています。

アンコールトム周辺の遺跡ではあまり見かけないサルたちがなぜここにいるのか、みなさんはもうお分かりですよね。
ヒンドゥー抒情詩の『ラーマーヤナ』からだと言われています。
詳しくはのちほどに。

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