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きのうは岡山へ行ってきました。村治佳織さんとヤン=コボウ氏のデュオ・リサイタルを聴くためです。
会場は岡山衛生会館三木記念ホール。「広島・岡山」と一括りにされますが、実のところ広島市内出身
のボクがJR岡山駅を降りて市内を訪れたのは、生まれてこのかた初めてのことです。
あ、もちろん、広島からではなく現居住地の京都から行きましたけどね。
まさかの公演当日の台風18号の本州上陸で中止が心配されましたが、意外と早めに抜けてくれ、
JRのダイヤの乱れはあったものの、公演も中止とならず、そして実際に聴衆の一人として参加できたのは
何にも増して嬉しかったです。これはボクの「念」のなせる技です(ウソ)。
会場は岡山駅から少々離れていましたが(2kmくらい?)、初来訪ということでちょっと徘徊してみたくなり、
会場まで30分テクテクと歩いて、町の風景や空気を感じつつ、ゆったりと歩を進めて行きました。

本日の公演は村治佳織さんのクラシックギター独奏と、村治さんのギター伴奏を従えてテノールの
ヤン=コボウ氏が歌曲を唱するという二種構成。演目はシューベルトとその同時代の作曲家、要するに19世紀前半のロマン派の作曲家による作品。プログラムには「ドイツ・ロマン派の夕べ」とあるけど、ただし、
シューベルトはオーストリア、メルツはハンガリー(このころだからオーストリア・ハプスブルク家領とは言えるが、
ゲルマンと本源がアジア系マジャール人は一括りにできんでしょ。メルツがウィーンで大成したにせよ)、
レニャーニはイタリア出身の作曲家だから、「ドイツ」というのは、プログラムがドイツ語圏のウィーンで
活躍したシューベルト歌曲を中心にしたものであったとはいえ、名が実を完全には表していない気もします。

さて、第1部は村治佳織さんの独奏。1曲目の「ウェーバーの主題によるカプリス」から快調でしたね。
第1部にしても第2部にしても、ギターの独奏曲はギター奏者が作った楽曲で、ギターで弾けばさぞかし
気持ちよいだろう楽曲ばかりでした(村治さんはデビューアルバム『エスプレッシーヴォ』でそれらの楽曲の
いくつかを録音されています)が、村治さんが実にバリバリと弾かれていて、聴いている方もホント気持ち
よかったです。泣き節で演歌的なメルツ「エレジー」や、荘重な序曲に始まりノリノリで怒濤の終結を迎える
「ハンガリー幻想曲」、こういった素晴らしい楽曲を録音して世に出して欲しい所です。
「ウェーバーの主題によるカプリス」は中間部の32連のアルペジオが幻想的で、CD『エスプレッシーヴォ』では
テンポに緩急をつけてロマンティックに弾かれていますが、ここではすべて快速で攻撃的なのが印象的でした。
レニャーニの「カプリス」はプログラムの5→13→22→7という順番ではなく、下のPlay Listに記したように、
13→5→22→7という順番でした。短調→長調→短調→長調、そして重厚にして急→軽快にして急→
荘厳にして緩→軽快にして急という、変化を持たせた展開で聴く者の耳を飽きさせないように図ったものと
解します。この四曲もCD『エスプレッシーヴォ』に収録されており、第7番はトヨタのアリオンのCMにも使用
された楽曲ですが、CDやCMの演奏に比してテンポがややゆるめでしたね。余計な開放弦の音もちょっと
耳障りでした。しかし、この曲は譜面上は簡単そうでも、やはりプレスティシモなんて超特急テンポで弾くとなるとやはりたいへんなのでしょうね。

第2部はギター伴奏とテノール歌唱によるシューベルト歌曲およびギター独奏。
テノールのヤン=コボウ氏は昨2008年3月、大阪でバッハ・コレギウム・ジャパンとのバッハ『マタイ受難曲』
公演以来。あのときは、エヴァンゲリスト(福音史家)という大役だったわけですが、埼玉、東京、そして最終公演地である大阪での公演ということもあり、先立つ両地で声を出し切ったのか、声が出てこないところがあり、「がなる」傾向が見受けられ(そのあたりにより「弱い」「表現過剰」だとボクはあのとき捉えたのかも)、
良い印象を受けなかったことは、「BCJのバッハ『マタイ受難曲』 大阪公演 2008年3月22日」記事で記しました。
本公演も川崎、鎌倉、武蔵野ときて最終なので「大丈夫かな〜」と心配していたのですが、
まったくの杞憂に終わってしまいました。
大阪での『マタイ』では険しく、いかにも苦しそうに声を出していたコボウ氏とはうってかわって、実にリラックス
した表情で(むろん宗教曲と世俗曲というちがいもあるでしょう)、豊かな表現と伸びやかな美声を聴かせて
くれました。「「シューベルト『美しき水車小屋の娘』(コボウ盤)」記事でも記した通り行き過ぎた感情の表現もなく
スッキリとした歌声なので、本公演でも耳に優しい印象を受けました。
やはり、たった一度の「ナマ」体験で演奏家の実力を判断してはいけないようですね(自戒)。
ギター伴奏とのマッチングですが、村治さんもあまりイヤラシさのない演奏家ですから、コボウ氏の声とは
よく調和するのかもしれませんね。
最初はどんなものかぜんぜん見えてなかったのですが、あまりの嵌り具合にはビックリです!
通常、伴奏はピアノですが、アルペジオの音型が多く、これはやはりピアノよりギターということもあるでしょう。
村治さんの独奏は、メルツの「愛の歌」とシューベルト(タレガ編曲)「楽興の時」の二曲。前者はしっとりと聴かせるロマンティックな楽曲、後者はロシア民謡風のちょっとおどけた舞曲(?)で、第1部のバリバリとは対照的で弾き分けの変化が持たせてあり、よい構成だったと思います。

アンコールは3曲ですが、本篇で大満足していますから、付け足しはもう省略。

これを要するに、「良かった」。感動できた。
携帯が鳴ったこと? 近くで鳴ったから、気にならなかったと言えばウソになるけど、
ギター独奏で鳴らなかったから許せる部分があるようです(苦笑)。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/6c/57/tiento_antiguo/folder/1535758/img_1535758_49439608_4?1255088410


村治佳織が奏でるドイツ・ロマン派の夕べ〜気鋭のドイツ人テノール、ヤン・コボウを迎えて〜
おかやま国際音楽祭2009  2009年10月8日(木)19:00開演  岡山衛生会館 三木記念ホール
第1部
01 メルツ:ウェーバーの主題によるカプリス Op.50※
02 メルツ:エレジー※
03 レニャーニ:『36のカプリス』Op.20より※
  .第13番 ニ短調 アレグロ・モデラート          .第5番 ニ長調 アレグロ・モルト
  .第22番 ハ短調 アダージョ          .第7番 イ長調 プレスティッシモ
04 メルツ:ハンガリー幻想曲 Op.65-1※
〜休憩〜
第2部
05 シューベルト/ラゴスニック編曲:『美しき水車小屋の娘』Op.25 D.795より
  .第1曲:旅          .第2曲:どこへ?         .第6曲:好奇心の強い男
  .第12曲:休み         .第13曲:緑のリュートのリボンをそ         .第14曲:狩人
06 メルツ:愛の歌 Op.13-4b※
07 シューベルト/タレガ編曲:楽興の時 Op.94 D.780※
08 シューベルト/村治佳織編曲:ミューズの息子 Op.92-1 D.764
09 シューベルト/奈良守康編曲:音楽に寄せてOp.88-4 D.547
10 シューベルト/奈良守康編曲:セレナード〜『白鳥の歌』D.957より
アンコール
11 シューベルト/編曲者未詳:野ばら
12 シューベルト/ラゴスニック編曲:『美しき水車小屋の娘』Op.25 D.795より第8曲「朝の挨拶」
13 シューベルト/ラゴスニック編曲:『美しき水車小屋の娘』Op.25 D.795より第3曲「止まれ!」
※ギターソロ

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