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白州町歴史講座 白州町の遺跡(「白州町誌」一部加筆)
遺跡とは、私達の祖先が行なった、何らかの生活の痕跡がある場所を指す。具体的には、日常生活の場である居住の跡、死後の人間との共有空間である墓地、工房や水田など生産に関する場所、祭祀にかかわる施設や所、交通に関連する施設、城跡など、人間の行動にかかわる全ての痕跡を包括するものである。
これらの場の性格を正しくつかむためには、発掘調査を行なわねばならないが、単に、遺跡であるかどうかの判断を下すことは比較的たやすいことなのである。特に、古墳や城館跡のように、地形の観察や伝承の検討により、発掘調査に依らなくとも、遺跡と断定することが出来る場合も多い。集落址を始めとする埋蔵物包蔵地についても、地表に散布している土器片の有無から、遺跡としての判断がつけられるのである。いずれにしても、遺跡と断定する第一歩は、実際にその地に立ち、地形を観察し、石器や土器などのかけらが落ちているかどうか歩きまわることから始めなければならない。同時に、地元の人に、出土品の有無や地名の由来や伝承などを尋ねることが必要である。実際田畑の耕作や道普請の折に、貴重な土器や石器が発見される例が多いのである。また、古御所、屋敷平といった地名は、中世城館跡に由来する場合が多いことから、小字名や伝承も重要な資料なのである。このような、現地踏査によって、遺物を採集し、地名や伝承を聞き取る方法を分布調査あるいは表面採集調査と呼ぶ。この方法でも、遣物が散布している範囲を調べれば、遺跡の大体の大きさがわかるし、採集された土器の形や文様を観察することから、その時代もおおよそながら判断することができる。従って、分布調査とは、考古学にとり、最も基本的かつ重要な調査なのである。現在、文化庁を中心に、全国遺跡地図がまとめられているが、そこに掲載されている遺跡の大半は、この分布調査で確認されたものである。しかし、地表面の観察が中心となるこの分布調査には、おのずから限界がある。つまり、遣物が拾えない状況の地「山林、荒地、水田、宅地、道路、水面下など」に埋没している遺跡は、確認できないからである。換言すれば、深く耕作される畑地に限り、遺跡の性格を相当正確につかむことができるということになる。
さて、白州町の遺跡を述べるにしても、この分布調査の成果が中心となっており、一覧表(第一表)に記載された遺跡以外にも、未発見の遺跡が相当数埋没している可能性は高い。本町における分布調査は、教育委員会により、昭和四十六年度と、五十八年度との二度にわたり実施されている。ここでは、それらの成果を基に、主な遺跡について、地区ごとに紹介してみよう。
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