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そとからみた(山梨)県民性(資料『郷土史事典』山梨県 手塚寿男氏著 1978)
きびしい甲斐の風土と歴史環境が、どのような人柄をはぐくんできたかについて、大正初年に刊行された「東山梨郡誌」は、当時の評論家山路愛山の観察を、つぎのように紹介している。
国民(県民)の性格は一言にしていえば、人生の修羅場なる意義を極めて露骨に体得したるものなり。彼等の租先は痩せ地に育ちたるが故に、生存競争の原理を極めて痛切に感ぜざる能はざりき。彼等は人生を詩歌の如く眺めること能はず。彼等にありては、人情も詩歌も夢幻も、要するに薄き蜘蛛の巣の如きのみ。
彼等は人生をまだ戦場なりと自覚す。故に奮闘す。(略)往々にして極端なる自已中心主義なり。去れど彼等はこれと共に堅忍不抜なり。直情径行なり。其向ふ所に突進して後を顧みざるなり。故に彼等は財界の雄者として成功す。彼等の理想は勝利なり。他人を圧倒することなり。人生の思想を露骨に語りて、何の掩(おお)ふ所なきなり。
半世紀以上前の評であるが、はたして現在はどうであろうか。謙虚に省察の資としたい一文である。
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