ここから本文です

書庫全体表示

Spendor BC2というのはなんとなく箱鳴りを利用したスピーカーと漠然とイメージしてきました。

ところが、元SONYのスピーカー、アンプ、CDプレーヤーの設計者かないまる氏がお使いのHarbeth HL-4の箱分析を通じて、実に巧妙な工夫がされていることを知ることになりました。

自作スピーカーを作ったといっても、所詮素人の自分と、メーカーでスピーカー設計までされた技術者の分析はこうも違うのかと勉強になりました。

このサイトから適宜引用させてもらいながら、HarbethとSpendorの名器どおしの箱を比較してみたい。

Harbeth
イメージ 1


Spendor
イメージ 2


よく似ていますね。ネジが12本も同じです。

かないまる氏によると
ではこのビス位置。なにか気づきませんか?。

そう。ビスが板が振動するときの節の位置に打ってあり、腹に打っていないんです。フロントバフルは接着でガッチリついていますが、取り外しできる裏板は節で止めてあるわけ。

この「平板を節で止める」というのは、止める相手が面、あるいは枠のときは、板が鳴きそうで鳴かない (振幅の大きいところがロスになる) ので、音的によい方法で、うまくバランスをとるとクセのない開放的な音を作ることができます。

そういえば15年ほど前にマークレビンソンのプリの天板の止め方を山中先生のところで見たとき、ほぼ節にビスが打ってあり、へーと思ったことがあります。山中先生に「振動解析かなにかで決めたのでしょうか」とお聞きしたら「いや耳でやったみたいよ」とのことでした。

銘板
Spendor
イメージ 3


Harbeth
イメージ 4


かないまる氏によると
銘板のアップです。真鍮製の板ですが、単なる飾りではなく、明らかに板の分割振動をのバランスをとっていると思われます。さりげないですけどね。きちんとしたノウハウで音が練られていると思います。

たしかにBC2の銘板は結構厚く、しっかり板に接着していて叩いても鳴かない。
こんなことに気づかれるかないまる氏恐るべし。


ネジ

Spendor
イメージ 5
イメージ 6


Harbeth
イメージ 7
イメージ 8
イメージ 9

同じですね。

ただネジの材質はHarbethが鉄に対して、Spendorのネジは非磁性体のおそらく黄銅と思われます。

かないまる氏によると、
ビスは通常木部で受けずに座金を入れますが、ハーベスの座金は黄銅製です。外して確認まではしていませんが、旋盤加工の引き物で、裏側には鬼目加工 (食い込んで回転止めになるような加工) はしてなく、木部に二段穴を空けて打ち込んであると思われます。

座金のサラ角は鳴きの点で重要です。サラが浅くてビスの中央部だけで当たるようにするとビスの鳴きが聴こえてしまい、深くして外周で当たるようにすると鳴きが悪くなります。

ハーベスの場合は、ビスとほぼ等角にしてビスの凹凸で消極的な食い込みを作り、座金と一体化するような感じに設計してあるようで、非常にアタマの大きいビスを使ったのと近い効果があると思われます。

ビスの鳴きまでコントロールした設計は、日本のスピーカーではあるのでしょうか?
測定や理論ではなく、経験と耳で作ったスピーカーすごいですね。

以上

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事