古生代のページ

奇怪な古代生物のページです。 一般には目にすることの少ない実物の化石を中心に紹介します。

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カンセロリアとは?
海底に固着し、星形の防御用骨片に守られた軟体部で、海中の栄養やプランクトンを濾しとって食べていたと見られています。消化器官など臓器らしきものは今のところ確認されていないようです。近縁種としてはユタ州の化石をよく見かけることができますが、標本によっては灰色の母色にカラフルな橙〜黄色でとても美しいです。

このカンセロリアはカンブリア紀の奇天烈動物のうちのさらにキワモノの一つ。カンセロリア類(Chanceloriid)は漢字だと開腔骨類と書きますが、カンセロリアを構成する星形の骨編の中が空洞であることから来ています。この構造は、ウィワクシア類やハルキエリア類と言った軟体動物的な動物の骨片の構造や材質に類似しており、海綿とは異なります。また骨片内側の軟体部の構造も海綿らしからぬより高等な動物のものが持っているような結合組織を持っているそうです(ただしウィワクシアの骨片については情報により中空・密と両方あり、どれが最新の情報かはよく分かりませんが)。
要するに、海綿状の原始的な動物のくせに高度な形質を持っていてけしからん!という事です。問題の解決には、両者をつなぐ生物の化石の発見が待たれます。

ウィワクシア、ハルキエリア、カンセロリアは完全体の姿ものの化石は特殊な条件下(Lagerstatten)でしか化石化せず、たいていは骨片のみがバラバラの状態で化石化します(いわゆるSSFの一類)。カンセロリアの星状骨片は、それ同士が骨格のように組み合わされているのではなく、伸縮性のある膜状の軟体性組織に付着する形で形を保っています。下記に掲載の文献に、軟体性組織について詳しく記載されているようです。
"The integument of Cambrian chancelloriids" by STEFAN BENGTSON and XIANGUANG HOU https://www.app.pan.pl/archive/published/app46/app46-001.pdf

写真の標本は、カンセロリアの一種、アロニアと思われます。かなり大型の個体です。カンセロリアは最上部に”口”のような開口部を持ちますが、その部分がきれいに残っています。星状の骨片の密度は少な目で、骨でない部分には軟組織が見事に保存されています。
部分化石ながら、強烈に美しい標本でした。
復元は『動物世界的黎明』より。

参考:
陳均遠(2004) 『動物世界的黎明』 江蘇科学技術出版社


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