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エディアカラ生物とは? 最初期の多細胞生物と目される生物群で、特殊な巨大単細胞生物、群体、エアバッグ状生物など諸説ある謎の化石生物の総称で、その時期には「捕食関係がほぼなかった」とも言われています。 エディアカラ生物は動物とは限りませんが、そのうちのいくつかは明らかに動物と目され現在の生物との類縁関係が指摘されているようです。 類似の化石はオーストラリアのエディアカラやナミビアのナマが有名ですが、市場に出回ることは非常に稀で、ほぼロシア白海産のものが出てきていると思います(もっとも、ロシア白海産のものが最も明瞭かつ種類も多様のように感じられますが)。 ロシア・白海産のキンベレラです。 大きさは3.5㎝とそこそこあります。 裏側から見た標本のようで、腹側らしきものが明瞭に見て取れます。またこの『動物』は、前後があるというのもよくわかる標本です。キンベレラ、殻のような構造がありある程度厚みがあったと見られていますが、そのような三次元構造があったであろうと推測させるほど明確な盛り下がりがあります。この手のエディアカラ動物は、生物の体が泥や砂の型に押し付けられた、単なるインプレッションが残っているとされる事が多いようですが、この標本を見る限り甚だ疑問です。もしそうだとすると、黒い染みは何なのかと…。 ちなみにクリーニングは、化学的方法を駆使して行われるそうです。ますますインプレッションではなさそうに思いますが。 現在サプライヤーから、いくつかのエディアカラ生物を買わないか、と言われています。もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、メール(ご存知の場合)か、このフォームにてメールアドレス等をご連絡ください。メールアドレスはそのまま書き込まれると悪徳業者のクロウラーに拾われる恐れがありますので、置換文字列を必ず使って記載願います(例:xxxアットマークyyy.comなど)。このフォームにご連絡いただいた場合、連絡がつきましたら書き込みを削除させていただきます。価格は種類、大きさ、保存状態によりピンキリで数百ドルから1万ドル近くまで、だと思います(欠けていたり小さかったり、または保存が悪かったりするとそれなりに安いですが、種類によってはとんでもなく高いです)。 |
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134017 フォーティフォーセプスとは? 文献『動物世界的黎明』『The Cambrian Fossils of Chengjiang, China』(朝倉書店より日本語版が出ています)に拠れば、『体長4㎝くらいの細長い体躯をした節足動物、柄付の目と1対の頑丈な大付属肢を備える。大付属肢は、捕食に使用していたに違いなくしたがって肉食の捕食動物と考えられる。頭部には円形状のヘッドシールドを備え、3対の二肢型付属肢がついている。尾部は扇状である。鰭脚の形状から見て、遊泳したと考えられるが、強力な歩肢が認められる。(バージェス頁岩型標本によく見られる)大付属肢を備える動物の仲間であろう。』の様なことが書かれてあります(かな〜り適当)。 復元図は、『The Cambrian Fossils of Chengjiang, China』より転載。というのも、両文献に掲載されている復元図はかなり異なっており、私が実標本を観察した結果こちらの方が大付属肢の形状が正解に近いのではないか?と思われるからです。ただし触覚があるのかは実際よくわかりません。 上記の文献にも記載されている通り、フォーティフォーセプスはカンブリア紀によく見られる巨大な大付属肢をもつ節足動物の一例であることはほぼ間違いありません。同様のデザインの動物としてはレアンコイリア、ヨホイア、ジアンフェンジア(尖峰虫)などがあり、節足動物と呼べるかどうかは議論の余地がありますがアノマロカリス類も関連がありそうです。 写真は、腹側から見た標本となります。おそらくフォーティフォーセプスのこのアングルの標本としては世界最高のものだと思います。体は太かったのか堅かったのかは分かりませんが、明瞭に境界を鰭と区別できます。この標本の特筆すべき点はいろいろありますが、異様に細長い歩肢が明瞭に見て取れるところではないでしょうか。ここら辺がアノマロカリスとの大きな違いになるでしょうか。またこの標本では目は左右対称にきれいに収まっているためよくわかりませんが、目はある程度自由に動かせたと見え、標本によっていろいろな方向を向いています。 カンブリア紀、中国雲南省産、大きさは大付属肢先端から尾部先端まで3㎝くらい(尾部はカウンタパートにあります) 参考: 陳均遠(2004) 『動物世界的黎明』 江蘇科学技術出版社 Hou, Xian-Guang; Aldridge, Richard J., Bengstrom, Jan; Siveter, David J. ;Feng, Xiang-Hong 2004; The Cambrian Fossils of Chengjang, China, Blackwell Science Ltd. |
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#cg199-1
関山(ガンシャン)とは?
中国雲南省近辺には、澄江以外にも特異的に保存状態の良いカンブリア紀の化石産地(Largerstatten)があります。関山はそのなかの一つで、澄江より僅かに新しく、凱里よりも古いもので、澄江とは出土する種が異なります。澄江では比較的少ない古虫類や三葉虫が多く産出し、ガンウェイカリス(具刺広衛蝦)などのようにここでしか採れないものもあります。
関山化石は一時工事があったのか出回りましたが、めっきり見なくなりました。一説によると高速道路ができたのだとか…。とてつもなく巨大なレドリキアなど、ここの三葉虫化石は素晴らしかっただけに残念です。
さて関山からもアノマロカリスが産出します。アノマロカリス・サーロンとして扱われることが多いのですが、異論もあるようです。たとえば下記の文献。この文献では、関山アノマロカリス2種、Anomalocaris kunmingensisとParanomalocaris multisegmentalisが紹介されています。ちなみに中国語ではどちらもサーロンと同じ奇蝦のようです。
A. kunmingensisについては読む限りは正直A. saronとの違いは微妙すぎてはっきり言って怪しいですが。P. multisegmentalisは確かに素人目にも違いはありそうです。A. saronとの違いは、節の数がより、かつ腕の外側に飛び出している刺状突起の数も多い、また全体的にスレンダーで、腕の内側の刺状突起を構成する小突起の数も多い。実際そんな感じがしなくもないです。
さて写真も関山のアノマロカリスです。が、不完全のため記載の特徴は確認のしようがありません。目を皿にすれば分かるかもしれませんがその気力もありません。ただ全体的なプロポーションは、文献に掲載されているP. multisegmentalisに近いでしょうか?標本大きさはカーブにそって大体3㎝くらい。
文献:
YuanYuan Wang, DiYing Huang, ShiXue Hu. (2013) New anomalocardid frontal appendages from the Guanshan biota, eastern Yunnan. Chinese Science Bulletin 58, 3937-3942.
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フロギテスとは? 大著「動物世界黎明」に拠れば、海底に固着する触手冠動物の一類で、一本の柄と大きなガクによって構成され、柄の先端部で固着する。5㎝くらいの大きさで、口はガクの頂上にある錐状突起の開口部で、ガクの内部の螺旋状消化管を介してガク側面にある肛門に接続されている。ガクの頂上部には触手がある。群生はしていなかったっぽい。。。のような事が書いてあります。右の復元も同書より。 科博の生命大躍進のバージェスコレクションにも、似たような形態の動物ハーペトガスター(Herpetgaster)が出展されていたと思います。 澄江においても、この手の動物化石は非常に稀ながら産出するものです。また産出しても状態が悪い標本が多いため、それと気づかれないことも多いのではないでしょうか。 写真のフロギテスは、やや小ぶりの個体ですが、触手を見ることができます。複雑に入り組んだ消化管をうっすらと確認することができます。口らしきものも見えますが、錐状突起はちょっとわかりません。 柄と触手の先は埋まっていますが、対物で保存もよいこともあり、分離はよさそうです。サイズが小さいこともあり、おそらく触手のうちの少なくとも2本の全容と固着部付近までの柄も高い確率で残っているでしょう。現在割ったまんまの状態ですが、(おそらく)超希産種なだけに掘り出すかどうかはかなり悩ましいです。 カンブリア紀、中国雲南省産です。 #137060 参考
陳均遠(2004) 『動物世界的黎明』 江蘇科学技術出版社
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パソコンの画像を漁っていたら出てきましたので載せておきます。 アノマロカリスの大付属肢です。頭部下部から1対2本伸びているアノマロカリスの「腕」となります。 澄江界隈からは未記載の物も含めアノマロカリスが何種か出ますが、巨蝦(Amplectobelua symbranchiata)は奇蝦(Anomalocaris saron)と並び古い文献にも出てくる澄江ではおなじみの種です。 Amplectobelua属のアノマロカリスはバージェス頁岩からも発見されており、少なくとも澄江から発見された標本を見る限り、Anomalocaris属より遊泳性に優れているデザインであるように見えます(なお、歩行用の肢は発見されていません)。 巨大だから巨蝦と命名されたのでしょうが、私が見てきた限りは例外的なものを含めた実際の最大サイズは奇蝦も巨蝦も同じくらいですが、腕のサイズが大型である傾向はあると思います。おおむね15㎝もあればきわめて大型といえます。 写真は10㎝級と相当巨大な標本ですが、腕の根元を掘り出していません。なので、10㎝という数字よりもさらに巨大な印象を受けます。逆に10㎝級でも根元付近がかなり残っていて露出している標本ならば、数字の割に小さめに感じることでしょう。巨大なアノマロカリスの腕はコレクターの夢ですが、残念ながら最早このクラスの標本を入手する機会はほぼ無くなってきているのではないでしょうか。 腕の刺は捕食に使っていたのでしょう、欠損している事が多いのですが、この標本の個体は根元付近の刺がよく残っています。こんなのに掴まれたらとんでもない事になるかもしれませんね。 カンブリア紀、中国雲南省産です。 #318 下記は比較画像。 同じく10㎝級で、刺が特徴的に欠損しています。刺の欠損はクリーニングや採集時によるものでも刺が母岩に埋まっているものでもなく、元々なかったものです。腕の先端部の刺が通常は3本あるのが1本になっているのが痛々しい… (腕の保存状態が良好にも関わらず刺がここまで欠損している標本はこれくらいで、非常に興味深いです) #99951 |




