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フロギテスとは? 大著「動物世界黎明」に拠れば、海底に固着する触手冠動物の一類で、一本の柄と大きなガクによって構成され、柄の先端部で固着する。5㎝くらいの大きさで、口はガクの頂上にある錐状突起の開口部で、ガクの内部の螺旋状消化管を介してガク側面にある肛門に接続されている。ガクの頂上部には触手がある。群生はしていなかったっぽい。。。のような事が書いてあります。右の復元も同書より。 科博の生命大躍進のバージェスコレクションにも、似たような形態の動物ハーペトガスター(Herpetgaster)が出展されていたと思います。 澄江においても、この手の動物化石は非常に稀ながら産出するものです。また産出しても状態が悪い標本が多いため、それと気づかれないことも多いのではないでしょうか。 写真のフロギテスは、やや小ぶりの個体ですが、触手を見ることができます。複雑に入り組んだ消化管をうっすらと確認することができます。口らしきものも見えますが、錐状突起はちょっとわかりません。 柄と触手の先は埋まっていますが、対物で保存もよいこともあり、分離はよさそうです。サイズが小さいこともあり、おそらく触手のうちの少なくとも2本の全容と固着部付近までの柄も高い確率で残っているでしょう。現在割ったまんまの状態ですが、(おそらく)超希産種なだけに掘り出すかどうかはかなり悩ましいです。 カンブリア紀、中国雲南省産です。 #137060 参考
陳均遠(2004) 『動物世界的黎明』 江蘇科学技術出版社
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バージェス型動物
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パソコンの画像を漁っていたら出てきましたので載せておきます。 アノマロカリスの大付属肢です。頭部下部から1対2本伸びているアノマロカリスの「腕」となります。 澄江界隈からは未記載の物も含めアノマロカリスが何種か出ますが、巨蝦(Amplectobelua symbranchiata)は奇蝦(Anomalocaris saron)と並び古い文献にも出てくる澄江ではおなじみの種です。 Amplectobelua属のアノマロカリスはバージェス頁岩からも発見されており、少なくとも澄江から発見された標本を見る限り、Anomalocaris属より遊泳性に優れているデザインであるように見えます(なお、歩行用の肢は発見されていません)。 巨大だから巨蝦と命名されたのでしょうが、私が見てきた限りは例外的なものを含めた実際の最大サイズは奇蝦も巨蝦も同じくらいですが、腕のサイズが大型である傾向はあると思います。おおむね15㎝もあればきわめて大型といえます。 写真は10㎝級と相当巨大な標本ですが、腕の根元を掘り出していません。なので、10㎝という数字よりもさらに巨大な印象を受けます。逆に10㎝級でも根元付近がかなり残っていて露出している標本ならば、数字の割に小さめに感じることでしょう。巨大なアノマロカリスの腕はコレクターの夢ですが、残念ながら最早このクラスの標本を入手する機会はほぼ無くなってきているのではないでしょうか。 腕の刺は捕食に使っていたのでしょう、欠損している事が多いのですが、この標本の個体は根元付近の刺がよく残っています。こんなのに掴まれたらとんでもない事になるかもしれませんね。 カンブリア紀、中国雲南省産です。 #318 下記は比較画像。 同じく10㎝級で、刺が特徴的に欠損しています。刺の欠損はクリーニングや採集時によるものでも刺が母岩に埋まっているものでもなく、元々なかったものです。腕の先端部の刺が通常は3本あるのが1本になっているのが痛々しい… (腕の保存状態が良好にも関わらず刺がここまで欠損している標本はこれくらいで、非常に興味深いです) #99951 |
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ワプティアと思われます。澄江では軟体部が保存されたワプティアは珍しいものではありませんが、この標本の面白いのは三次元的に残っていることです。また軟体部の保存状態があまりよくないのは、この動物が死んでからある程度腐敗した状態の化石(または体液が染み出した状態での化石)だからではないでしょうか。 外殻の外側の覆いを取り去れば、きれいな保存状態の外殻がおそらく出てくると思います(もちろんそんなこと絶対しませんが)。 死んだ魚のような眼が生々しい標本です。 ワプティア・オバタ、 カンブリア紀、 中国雲南省産です。 #136061 |
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つい最近、歯の痕跡が残ったハルキゲニアがバージェス頁岩標本の中で発見されたとのニュースがあり、ハルキゲニアの前と後ろが確定した、というニュースがありました。この発見は、科博の展示物を提供しているROM(オンタリオ博物館)のCaron教授とその弟子のMartinの研究で、世界的に大々的に報道されご存知の方も多いでしょう。たとえば↓の報道
ほぼ時を同じくして、ひっそりと澄江(の産地の近傍)のハルキゲニア関連の発見があったようです。
まずはその写真。
http://icdn.lenta.ru/images/2015/06/30/15/20150630150300906/pic_1f7ae897277761ebcab04988adb7eac0.jpg
どうでしょう?私はこの写真を見たとき、度肝を抜かれました。澄江(とその近傍)には面白い有爪類がありますね〜
いくつかの記事によると、このハルキゲニア近縁種は、一行あたり横に3〜5本(ハルキゲニアは2本)の長い刺と、長い櫛状の突起のついた脚が特徴で、おそらくは海綿の上でプランクトンを濾して食べていたのであろう、との事です。
Collinsium ciliosumで検索すると山ほど出てきます。
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国立科学博物館の上野本館にて「生命大躍進」が開催されています。
脊椎動物誕生から人類に至るまでの一貫した展示がお題目ですが実際のところ展示内容・来館者の関心共にものすごく偏っており、実質「バージェス頁岩展」のような状況です。
さて肝心のバージェス頁岩の展示物ですが、生命の海科学館くらいの規模を予想していましたが…。
実際に行ってみると、さすがにROM(オンタリオ博物館)から借りてきただけあり、非常に充実していてびっくりしました。大きなアノマロカリスの姿ものをはじめ、フルディア、オドントグリフィス、ネクトカリスなど、国内の常設展示では今後も絶対に目にすることができないであろう標本が並んでおり、かつ種類も数も充実しており素晴らしい、の一言です。
が、、、、
激混。
朝一でも混んでいたので、昼過ぎだと寿司詰めだったのではないでしょうか。その道のマニア3割、子供連れ7割くらいでしょうか。こんなマニアックな内容を子供が解するとは想定外でした。会場では「アノマロカリスだよー」「本物のネクトカリスー」のような声がそこかしこに聞こえていましたが、ものすごい時代になったものです。
うーん、とてもじゃないけどゆっくり見られる状況ではないです。
じっくりゆっくり見るなら9月中頃がベストかも知れませんね…。
会場の奥に、東海化石研究会さんの澄江標本が置かれていました。
スペースの都合上、数は少なかったのですが、内容が超ハイレベルで驚きました。
ナラオイア一つとっても、あのレベルの標本はそうそう簡単には手に入らないものです。
(写真)アノマロカリス…、バージェス頁岩の最も有名と言ってもいいと思われる標本です。これはすごい。
(写真)ネクトカリス…、意外に小さかったです。ベツストベルミスと同じです。
(写真)スキオルディア(澄江)…、澄江の最希少節足動物の一つです。この保存状態にして割ったままのペア。これはすごい!
(写真)アノマロカリス(科博の常設展)…、、、、これでも結構すごいものです。
(写真)レアンコイリア(澄江;科博の常設展)…、、、、
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