日々狂簡

細々とやっております

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今回紹介する絵は、クエンティン・マセイスの描いた

醜女の肖像

かのダ・ヴィンチとの交流もあり、多大な影響を受けたと言われる

北方ルネサンスの巨匠です。


さて、この『醜女の肖像』ですが、一体どういった絵画なのか?


年老いた女性が着飾り、一輪の花の蕾を持って窓際から遠くを眺める。

異様な光景でもありますが、ロマンチックに感じる人も居るやもしれません。


私自身、この絵を初めてみたときに

「この作者は、何の意図があってこんな絵を描いたのだろう?」

という疑問を感じました。


モノの本を読み、それなりの知識を得るに至りましたが、

その答えを、すぐそのままここに書くのは芸術的好奇心を養うに反すると思うのです。

まずは観て、自分なりの感想を持ったうえで答えを調べる。


その感想が正解か不正解かはどうでも良いと思うのです。

観て感じて考える。絵画は知識ではなく感性で楽しむものですから・・・。


というわけで、モノの本に書いてあった答えとは?


当時の絵画は、飾って鑑賞するためのものではなく、

人に物語や戒めを伝える、情報ツールとしての役割がありました。

この絵画も、風刺画という扱いで、戒めを伝える作品のようです。


まず老婆の衣装は、この作品が描かれた時代では、

既に時代遅れとなっている、本来は貴族の若い女性が身に着ける衣装であること。

その手に持っている花は、当時では『婚約の象徴』とされておりますが、花開いていません。


つまりこの絵画は、醜い老婆が年甲斐もなく若く着飾り、

無謀にも恋を追い求めている。という姿で、

「そんなみっともない事は、おやめなさいな」

という風刺・戒めの絵画である。と解釈されているようです。


この作品が描かれたのは、1513年頃。

今より500年も昔の事です。


当然、世の中は大きく様変わりしております。

高齢者の数も、当時とは比較にすらなりません。


今、この絵を観た人が

「いくつになっても、どんな醜い姿だとしても、恋をするのは素敵な事」

と解釈しても、何ら誤りではありませんし、

そう感じるのも絵画の楽しみ方だと思うのです。

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