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大変しばらくぶりで申し訳ありません。
昨年10月以降、別途の執筆活動に集中するために、しばし本ブログを御無沙汰しておりました。
今週からまた、インドネシアを中心とした東南アジアの華人経済情報をアップデートしていきますので、改めて宜しくお願い致します。
さて、お休みさせて頂いていた間に、インドネシア経済に対する世間一般の評判はかなり厳しい見方が増えました。
2013年5月22日のFRBバーナンキ議長による米国の金融緩和縮小発言に端を発した「新興国危機」は、インドネシアを始めとする経常収支が赤字に陥っている新興国で、為替安・株安を連鎖的に巻き起こしました。
インドネシア、トルコ、南アフリカ、インド、ブラジルの新興経済5か国は、2013年8月にモルガンスタンレー証券から「Fragile5(脆弱な5か国)」とまで名付けられ、同年5月以前までのチヤホヤから手のひらを返したように酷評され始めました。
その後、Fragile5プラスアルファの新興国に対する市場からの冷たい視線が続く中、「次のきっかけ」がなかなか発生しない中、市場は大きく売り買いを仕掛ける機会を虎視眈々と待ち続けていました。
そして2014年1月23日、日本のほぼ真裏に位置する遠い国、アルゼンチンの通貨ペソが大幅下落しました。市場は、それいけとばかりに、世界中で株式を売り浴びせ、世界同時株安が発生しました。
ペソ急落のきっかけは、アルゼンチン実体経済の悪化が原因であることは間違いないのですが、その引き金を引いたのは中国の景況感指数の悪化でした。要は、中国の景気悪化懸念がアルゼンチンからの農産物輸入減を想定させ、これを材料にアルゼンチンの金融通貨当局が通貨安を容認したとの見方が広まって、瞬時に市場がペソを見切り売りしたのです。
そのペソ売りが、先進国・新興国問わず、ほぼ全世界で株式市場の売りを誘いました。
しかしながら、日米欧の先進国市場ではその後株価が持ち直し、一方のFragile5を含む新興国群では「買い」がなかなか定まらない状況が続き、国際通貨基金(IMF)が公表しているように「2014年はリーマンショック後で初めて、先進国のGDP増加額が新興国を上回るであろう」という見通しがあたかも始まっているかのように見えています。
この状況の中で、市場は、「では、生き残る新興国はどこか?」という選別を行い始めています。
Fragile5は、どの国もすべて市場から見放されるのでしょうか?
その他の新興国、例えば中国や韓国、アルゼンチンやメキシコなどは、どこも全て救われるのでしょうか?
Fragile5の中でも、強いて言えば、今後半年〜1年間で勝ち残り組と負け組が選別されることでしょう。そして、その中で、インドネシアは勝ち残っていく可能性を高く有していると考えられます。実際、「アルゼンチン・ショック」後の通貨の動きが示しているように、トルコやブラジルと比較してインドネシア通貨は大きく売られていません。
理由は3点。
(1)今年実施される総選挙および大統領選挙の行方について、想定外の結果が発生する可能性が低くなってきている(=政策の継続性が担保される可能性が高まっている)。
(2)1998年のアジア通貨危機経験の教訓から外貨準備高を積み上げており、短期的なショックには耐久性がついている。また、これを補完する東アジア地域内外貨融通セーフティーネット「チェンマイ・イニシアチブ」が存在しているため、大きな不安になり難い。
(3)中国の経済成長は減速したとはいっても、しばらくは7%以上の高い成長が見込まれ続けており、東南アジア全体の経済成長エンジンもまだ力強く、長期的に見れば人口ボーナス期を最も謳歌する人口構成期に入ったインドネシアへの市場成長期待はまだまだ高い。
2016年オリンピック以降の景気後退が心配されるブラジル、政情不安がくすぶるトルコ、インフレ懸念に悩まされ続けるインド、外貨準備の大幅な減少が発生している南アフリカ。
これらの状況を概観するだけでも、インドネシアは「経常収支が赤字」という点だけは他4か国と同じですが、よりポジティブな側面を客観的に凝視してみれば、上述したように「勝ち残り組」になっていく可能性は非常に高いと考えられます。
中国経済の先行きも諸々議論がありますが、減速はあったとしても、世界の中では引き続き高いレベルの経済成長を続けていくと考えられます。
一方、経常収支が黒字であるがために、「Fragile5」には含まれていない韓国ですが、今年1月22日にはIMFから警告的に、韓国経済は依然として下方リスクがあると指摘され、脆弱な経済回復を支える金融・財政政策を確立すべきだとの見解が示されました。
韓国当局はウォンの過度な変動に対して為替介入を繰り返しているとみられており、IMFは介入における透明性の向上も促しています。
インドネシアの短期的な先行きについて、あえて留意点を言えば、理由(1)に書いた大統領選です。
出馬すれば大本命、当選すれば市場も好感と言われる現ジャカルタ特別州知事のジョコ・ウィドド(ニックネームは「ジョコウィ」)が出馬するか否か、ここ1か月程度の動きを注視する必要がありますね。
東南アジアの華人資本家達の多くは、インドネシア市場の長期的な成長期待に、大きく賭けています。その行動には、根拠があると考えるべきでしょう。
やはり今年も、インドネシア経済に大注目です!
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インドネシアの貿易収支は12月も黒字で3か月連続の黒字の連続です。ルピアは金曜日の市場で5%ほど急激にアップし、ルピア安になんとか歯止めがかかった感じもあります。
さてどうなりますか。
2014/2/16(日) 午後 7:25 [ TJ Adventure ]
TJ Adventureさん、コメント有難うございました。
ルピア安が輸出拡大に寄与して貿易黒字に結びついているようですね。2012年に受けたFDIが輸出に寄与し始めている傾向も見られます。2013年のGDP成長率が、最終的に中銀予測を上回ったのも良いサインです。ご指摘の通り、引き続き要観察ですね。
引き続きお立ち寄りいただければ幸いです。
2014/2/16(日) 午後 9:06 [ tknaito ]
私は、日本の株式しかし投資していませんが、つい先般の株式下落の要因がアメリカの金融引き締めで新興国の景況感が悪いと言うだけで、あれだけ下がると言うのが解せないのです、私など素人が到底経済の事は、分かりませんが、インドネシアは、今後ますます発展して行きそうな、雰囲気ですね。
2014/2/17(月) 午前 11:13
tknaitoさんへ(+´∀`+)
通りすがりのOLですσ(´・ε・`*)!tknaitoさんのブログを偶然見つけたんですσ(゚ー^*)正直tknaitoさんのブログファンになっちゃったです!イイ!!Σ(QДo´b)b書き込んでいいのかな?どうなのかなぁ〜って思って…今日ドキドキしながら書き込んでみました(+´∀`+)初カキコなんで、ちゃんと書き込まれてるか心配なので…連絡もらいたいです☆待ってるです(*´∀`*)
2014/2/25(火) 午前 4:45 [ ijujun@i.softbank.jp ]
まいどきくちゃんさん、コメント有難うございました。返信が大変遅くなってしまい、申し訳ございません。
株式市場は、ホントに短期的には色々な流布で上下しますので、あまり一喜一憂されない方がよろしいかと。。。 インドネシアが中長期的に経済成長可能性を持っているのは、世界中のエコノミストが認めている構造的要因です。あとは、今年の大統領選がどうなるか、ですね。ウォッチしていきたいと思います。またお立ち寄りください。
2014/3/2(日) 午後 10:52 [ tknaito ]
ijunjunさん、カキコ有難うございました。どのような部分をお気にいって頂けたのかなど、記事に対するコメントも頂ければ幸いです。またお立ち寄りください。
2014/3/2(日) 午後 10:53 [ tknaito ]