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【写真トップ】北米のアメリカナキウサギ(Ochotona princeps)は驚くほど耐久力に富み、気候変動による気温の上昇に適応しており、絶滅のおそれのない低危険種に分類されている。イエローストーン圏生態系で撮影。(PHOTOGRAPH BY DREW RUSH, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
【写真2枚目】サンディエゴ動物園のカリフォルニアコンドル。この鳥を保護するため、人間が野生の個体を全羽捕獲したことで、一時的に野生絶滅種になった。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
【写真3枚目】周囲を警戒する、アラスカ、レイク・クラーク国立公園のグリズリーの母親。グリズリーは、かつて生息していたカリフォルニアでは地域絶滅種となっている。(PHOTOGRAPH BY BARRETT HEDGES, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
【写真4枚目】メイン州の湖を泳いで渡るヘラジカの母子。(PHOTOGRAPH BY ROY TOFT, NAT GEO IMAGE COLLECTION)
【写真ボトム】クロアシイタチは、イタチの仲間としては数少ない北米原産種のひとつ。長くほっそりとした体をもち、夜にプレーリードッグを狩って食料にしている。1日の9割を、プレーリードッグから奪った地下の巣穴で過ごす。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
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環境
絶滅とは何か―実はいろいろある「絶滅」(NATIONAL GEOGRAPHIC)
国際自然保護連合(IUCN)の分類や、専門家がよく使う用語を解説
2019.06.23
・・・絶滅は自然な現象だ。結局のところ、かつて地球上に生息した生きものの90パーセント以上は、すでに存在していないのだから。
とはいえ、この現象を人間が悪化させたのは確かだ。生息地の喪失、気候変動、侵略的外来種、病気の拡大、乱獲および狩猟などによって、われわれは自然に進行する種の絶滅を加速させている。(参考記事:「6度目の大絶滅。人類は生き延びられるか?」)
「独自の生態学的役割を持つ種が、ごっそり失われようとしています」と、米デューク大学の保全生態学教授、スチュワート・ピム氏は言う。たとえば、ラッコやサメのような最上位捕食者の減少により、その生態系はバランスを失いつつある。
日々絶滅する種は数十種類にのぼり、専門家によると、2万種以上の動植物が永久に失われる瀬戸際にあるという。既知の哺乳類の4分の1は絶滅の危機にある。
世界的な種の減少を中心となって追跡調査しているのは「国際自然保護連合(IUCN)」だ。同団体は野生の種の状況を評価し、さまざまなデータを考慮したうえで、絶滅危惧生物をレッドリストとしてまとめている。
そこで以下に、IUCNの種の絶滅に関する分類や、専門家がよく使う用語を解説しよう。
**近絶滅種
絶滅の可能性が非常に高い動物は、「近絶滅種(Critically Endangered)」に分類される。このカテゴリーに属する動物には、森林の伐採や農業などで生息地を破壊されたスマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)やスマトラオランウータン(Pongo abelii)がいる。(参考記事:「オランウータン 樹上の危うい未来」)
**野生絶滅種
原産地にはすでに存在せず、動物園や繁殖施設などの飼育された環境でのみ生息する種をさす。1987年には、最後まで野生で生き残っていたカリフォルニアコンドル(Gymnogyps californianus)27羽が飼育環境に移され、「野生絶滅種(Extinct in the Wild)」となった(飼育された個体が野生に戻されているため、現在は野生絶滅種から近絶滅種に変更されている)。
グアムクイナ(Hypotaenidia owstoni)という飛ばない鳥は、米軍によって偶然グアム島に持ち込まれたミナミオオガシラ(Boiga irregularis)という外来種のヘビによって、絶滅寸前に追い込まれた。グアムクイナは現在、ピッツバーグの国立鳥園などの飼育下でのみ生息している。(参考記事:「毒餌ネズミを空中投下、グアムの蛇対策」)
**地域絶滅種
IUCNのレッドリストには含まれない区分だが、一部の原産地で見られなくなった動物は「地域絶滅種(Locally Extinct)」と呼ばれる。たとえばハイイログマ(グリズリー、Ursus arctos horribilis)は、カリフォルニアでは絶滅しているものの、ほかのエリアでは今も野生に存在する。
米国のニューイングランド地方では、冬に雪が少なくなったことで、ある種のダニの生存期間が以前よりも長くなった。そのせいで一帯のヘラジカ(ムース)の数が激減している。痩せこけ、毛が抜け落ちてまだら模様になった体で歩き回る“ゴースト・ムース”は、まるで森をさまよう屍のように見える。
**低危険種
絶滅のおそれがないと評価された種は、IUCNでは「低危険種(Least Concern)」に分類される。
たとえば、アメリカナキウサギ(Ochotona princeps)がそうだ。寒い場所を好むアメリカナキウサギは、気候が温暖化するにつれ、標高の高い場所へ移動していると誤って報じられることも少なくない。米西部のグレートベースン地域内には、アメリカナキウサギが地域的絶滅状態にある場所が幾つか存在するのは確かだが、学術誌「Arctic, Antarctic and Alpine Research」に発表された2018年の調査によると、この種は適応力が高く、今も同地域全体に生息しているという。
「ナキウサギは非常に耐久力に富んでおり、標高が低く温暖な場所で暮らしている例を見つけるたびに驚かされます」と、IUCNウサギ目専門グループの副長アンドリュー・スミス氏は言う。(参考記事:「ナキウサギ、“食糞”で温暖化に適応」)
**機能的絶滅種
米カリフォルニア大学バークレー校の保全生物学教授、スティーブ・ベイシンガー氏によると、「機能的絶滅種(Functionally Extinct)」とは、個体数の減少によって生態系の中で機能を果たせなくなった種を指す。(参考記事:「「絶滅」ヨウスコウカワイルカの目撃情報、中国」)
たとえば、アメリカグリ(Castanea Dentata)はかつて北米全土で見られたが、20世紀初頭、ある菌の繁殖によって35億本が枯死した。生き残った本数はごくわずかで、アメリカグリは現在、機能的絶滅となっている。
**絶滅種
IUCNの分類による「絶滅(Extinct)」とは、「世界的に絶滅」していること、あるいは「どこにもいない」ことを意味すると、ベイシンガー氏は言う。絶滅種としての分類は、該当する動物の生息地を時間をかけて入念に調査したうえで行われる。
かつては米国に多数生息していた色鮮やかなカロライナインコ(Conuropsis carolinensis)は、おそらくは狩猟と生息地の喪失によって数が減り、現在は公式に絶滅に分類されている。コーネル鳥類学研究所によると、カロライナインコは銃声がしても逃げずに傷ついた仲間のもとにとどまったことから、特に標的になりやすかったという。
**再発見された絶滅種(ラザロ種)
ときには、絶滅したと考えられていた種が再び姿をあらわすこともある。多くの場合、特定の種を目当てに人里離れた生息地を調査すると、再発見に至る。
こうしたいわゆる“ラザロ種(キリストによって復活したラザロにちなむ呼称)”は一般に、通常の生息地で数十年間目撃されず、その後、意外な場所や人口が少ないために見つかりにくい場所で発見されることが多い。
2010年、IUCNの両生類グループとNGOの「コンサベーション・インターナショナル」は、科学的および美的価値の高い絶滅した両生類10種を探すための計画をスタートさせた。この調査は実際に、パレスチナイロワケガエルなど数種を再発見するという成果を上げている。(参考記事:「絶滅両生類再発見」の状況)
このほか、新たに発見された時点ですでに絶滅の危機にひんしている種もある。
エクアドルアンデスに生息するマンドゥリアクアマガエルモドキの場合、発見された場所が鉱山だったため、金や銅の鉱脈探査のせいで、生き残りは難しいと見られている。(参考記事:「透明カエルの新種発見 エクアドル金鉱候補地で」)
文=LIZ LANGLEY/訳=北村京子
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