田中瑞雄の母趾球歩きと薬ありの低糖質食

このブログの表題に母趾球歩きを加えました。そして低糖質食にも薬ありをくっつけました。(2013/05/16)

科学

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交尾を通じてイヌの体に巣食い、増殖をいまなお続けるがん細胞は、絶滅したシベリア地方のイヌがこの世に唯一残していったものだ。OZKAN BILGIN/GETTY IMAGES


>>肉まん、おまえこやつに憧れているんだろうが、ジイサンの工程表じゃおまえの息の根もうすぐ止まるとなってるみたい。さてどうするね? 今さら銭バラまいたところで、おまえのクローンはできないぞ!(瑞雄)<<


2019.08.17 SAT 13:00

古代のイヌのがん細胞は、こうして現代に生き延びて“伝染”する:英研究チームが見た「特異な進化」の秘密(WIRED)

イヌのがんとして知られる「可移植性性器腫瘍(CTVT)」が、古代のイヌの体から現代のイヌの体へと6,000年を経て“伝染”し続けてきた方法は、宿主をできるだけ「生かす」というものだった──。そんな研究結果を英国の研究チームがこのほど発表した。世界中の症例サンプルに基づいた遺伝子マップからは、まれではあるがヒトで発症した場合の治療法にも役立つヒントが隠されている。

TEXT BY MEGAN MOLTENI
TRANSLATION BY MITSUKO SAEKI

WIRED(US)


・・・ヒマラヤの高地で、衣のすそにじゃれつくように僧侶のあとを追う毛むくじゃらの犬がいる。パナマ共和国の首都パナマシティには、真昼の暑さから逃れようと、わずかばかりの日陰にうずくまる犬がいる。この犬たちは、いずれも体内でがんが進行している。

2匹はそれぞれ固有の腫瘍をもっているように見える。腫れて皮膚がただれた腫瘍の周辺が、1匹は尾の下部から、もう1匹は両脚の間から送られる血液のせいで紅潮するのが見える。だが、別々の大陸にいる2匹の体内でそれぞれに分裂を続けるがん細胞は、事実上同じ生命体だ。6,000年も生き続けているがん細胞の塊を、生命体と呼んでいいのなら、である。

この長命な細胞群は、もともと凍てつくシベリアの大地をうろついていた一匹のイヌの体の一部だった。人間が車輪や農具を発明する前の時代に生きていた、ハスキー犬に似たイヌだ。

やがて、これらの細胞は変異してイヌの免疫システムを逃れ、宿主であるイヌが死んでも別のイヌの体に乗り換えて生き延びるすべを見つけた。交尾を通じてイヌの体に巣食うこのがんは、現代もなお増殖を続けている。絶滅したシベリア地方のイヌが、この世に唯一遺していったものだ。

こうして何千年ものあいだ、無数のイヌの体から体へと飛び移り、ウイルスのように世界中に広がり続けている。イヌ科において主に交尾を通じて発生する伝染性の腫瘍である「可移植性性器腫瘍(CTVT)」の症例は、いまやアフリカのマラウイからオーストラリアのメルボルン、米国のミネアポリスまで世界各地で、近代のさまざまな犬種にわたって見られてる。


**「特異な進化」の謎を解明へ

CTVTは、現在知られているなかで最も長命ながん細胞だ。しかし、そのDNAをこと細かに調べて進化の起源までさかのぼったり、まるでウイルスのような方法で生き残ってきた背景にある秘密を解明したりした者はこれまでいなかった。

こうしたことをなし遂げるために、世界中のほぼすべての国の獣医たちが資料収集にこの15年協力してきた。この症例に出くわすたびに、採取して腫瘍片を試験管に入れ、ケンブリッジ大学のエリザベス・マーチソンの研究室に送り続けてきたのだ。

マーチソンの名は、別の伝染性のがんに関する研究分野のほうで知られているかもしれない。タスマニアデヴィルを絶滅の危機に追い込んだがんの研究だ。彼女が率いる研究チームは、膨大に集められたイヌの腫瘍サンプルを使って、これまでなかったCTVTの遺伝子マップを作成している。

2019年8月2日号の学術雑誌『Science』によると、研究チームはこのがん細胞が人間の最良の友であるイヌの体をすみかとして増殖してきた経緯をたどり、このがんがなしえた「特異な進化」の謎を解明し始めている。いつの日か、人間のがんを征服するためのヒントが、そこに垣間見えるからだ。

「ヒトの体にできた腫瘍が成長できる期間は、数年かせいぜい数十年です。このため腫瘍間では激しい競争が繰り広げられます」と、この研究論文の主執筆者であるエイドリアン・バエズ=オルテガは言う。彼はマーチソンの研究室に所属する博士課程の学生だ。


**ドライヴァー遺伝子の変異

ヒトの腫瘍内ではさまざまな突然変異によって細胞の小群がつくられ、それぞれが生き残りをかけて争う。化学療法で攻撃すると薬が効きやすい細胞は死滅するが、耐性のついた細胞は生き残る。こうして一部の変異細胞が腫瘍全体を支配するのだ。

こうした現象は「自然選択」と呼ばれ、腫瘍の初期段階に繰り返し発生する。これによって腫瘍は徐々に攻撃性を増していく。ヒトの体内には200を超える「ドライヴァー遺伝子」が存在することがわかっている。変異すると、がん細胞の適応度を高めてしまう遺伝子だ。

だがCTVTについては、バエズ=オルテガのチームが変異を確認したドライヴァー遺伝子は、わずか5つだった。しかもいずれも、がん発症のかなり早い段階で出現していた。すべて、あのいちばん最初に発症したイヌの体内にあったものと同じだったのである。

「ヒトのがんでも、ごく一般的に見られる変異です」とバエズ=オルテガは言う。「特殊な遺伝子はひとつもありませんでした。CTVTが進化の過程で伝染する手段を得たことを示すものは見つからなかったのです。イヌの体内のちょうどいい場所に、ちょうどいいタイミングで起きた現象だったため、伝染経路を確保することができたのでしょうね」


**ふたつの厳重な“バリア”

がんが伝染性をもつようになるには、ふたつの厳重なバリアを突破しなければならない。まずがん細胞は自力で、ある個体から物理的に移動先になる別の個体を探さなければならない。誤解のないように申し添えるが、この細胞はヒト乳頭腫ウィルス(HPV)のような発がん性の感染性病原体とは違う。

次に、新しい宿主にたどり着くとすぐに免疫システムをかわさなければならない。タスマニアデヴィルには交尾の際に顔を激しくかみ合うという荒々しい習性があり、これががんの拡散原因になっている。イヌの場合は性交によって感染が広がる。イヌの臓器内で腫瘍が成長し、交尾中に細胞が放出されるのだ。

また、少なくとも15種の二枚貝に、致死性の白血病に似たがん細胞が観察されている。このがん細胞はほかの二枚貝に飲み込んでもらうために、自ら海水に流れ出ていく。

貝のがん細胞がどのように生き物の間を移動するのか、パシフィック・ノースウエスト研究所に所属する生物学者であるマイケル・メッツガーは突き止めた。とりわけ免疫系の発達していない無脊椎動物の体内に移動する場合に、がん細胞が伝染性をもつケースが一般的に思われているよりもずっと多く発生しているはずだと、メッツガーは考えている。

「過去にこうした例が確認されていないのは、見ようとしていなかっただけだと言えるでしょう。伝染性のがんの存在は、感染、まん延、転移の境界線をすっかり曖昧にしてしまいましたが、どう分類されようとその進化は止まりません。ただ自分の都合のいいように進化するのみなのです。ある生き物から別の生き物へと細胞をひたすら拡散し続けていきます」


**ヒトにおける伝染性のがんの症例

一方で、脊椎動物は外部から侵入する細胞を排除する能力が二枚貝などより優れているため、この種のがんに感染しにくい。しかし、ヒトにも伝染性のがんの症例がまれではあるが、記録されている。

例えば、患者の免疫系が抑制状態にあったり未発達だったりしたケースだ。臓器移植によってドナーのもっていた病変組織に由来するがん細胞を受け取ってしまった患者や、胎盤を通じて母親のがん細胞を取り込んでしまった胎児などがこれに当たる。

こうしたケースは極端な例であり、ヒトのがんが伝染性によって広がる可能性を示す証拠は何もないが、想像できなくもないとメッツガーは指摘する。

「人間は互いの顔にかみついたり海水を飲み込んだりしません。しかし、セックスはする。つまり伝染の可能性はあるわけです」


**宿主を「生かす」という戦略

ヒトの間を移動するがんとの闘いを余儀なくされた場合、CTVTに見られる遺伝子の進化を理解しておくことは、科学者たちにとって大きな強みになるはずだ。現時点においては遺伝子マップから、すでにヒトで発症が見られるがんの治療法について多くを学ぶべきだろう。

バエズ=オルテガの分析によると、腫瘍サンプル1件当たりの突然変異はヒトのがん細胞ではわずか100回ほどだが、CTVT細胞内では平均38,000回とおびただしく発生している。こうした突然変異は、イヌたちの体内で途方もない時間をかけてランダムに発生してきた。

そして、数千年前に最初の変異を起こして細胞の一部をがん化して以来、その進化は“止まって”いる。宿主の体をこれ以上がんに支配させる道を選ばなかったのだ。つまり、数千年をかけて適合化を進めながらも、CTVT細胞は攻撃性を増していないということである。

実際に、むしろこれとは逆のことが起きている。CTVTのほとんどの症例はいま、化学療法を1サイクル実施することによって治療できる。進化はがんを制御する方向へと向かったのだ。「この腫瘍にとっての最善の戦略は、普通の腫瘍とは違って寄生動物に似た行動をとることだったのです」と、バエズ=オルテガは指摘する。

「イヌがそれほどダメージを受けていないように見えるため、がんが進行を止めていると考えられがちですが、がんにとってはそれが十分好ましい状態なのです。イヌへの影響を最小限に抑えておけば、がんはいつまでも生き続けることができるのですから」


**がんを“飼いならす”という考え方

このことから、アダプティヴセラピー(適応型治療)と呼ばれる、独創的ながん治療の新戦略が生まれた。腫瘍に対して休みなく投薬を続けるのではなく、断続的な投薬治療に切り替える。遺伝子の変化によって薬への耐性を得た小さながん細胞群が別の腫瘍を構成して、制御不能な勢いを得るのを防ぐといった考え方だ。

アダプティヴセラピーの研究者たちの狙いは、腫瘍を抹殺せずに生かしながら、小さく、穏やかで、安定した状態に保っておくことにある。この投薬治療法については、米国内で6件の臨床試験が既存の抗がん剤を用いてすでに実施されている。

CTVTの研究でわかったことは、時間をかけて進化したがん細胞はもうすでにこうしたことをやり遂げているということだったと、バエズ=オルテガは語る。がんを、その宿主であるイヌたちのように飼いならす時代が来ているのだ。

「がんがいま以上に適合性を高めることはないでしょう」と彼は言う。CTVTがとっているこの戦略にも、どこかの時点でトラブルが生じるかもしれない。これ以上の変化に対応できる遺伝子がもう残っていないからだ。

しかし、進化はまだ続いている。今後も数万年あるいは数十万年にわたって続くだろうと、バエズ=オルテガは言う。「CTVTはわたしたちの誰よりも長生きするでしょうね。おそらくわれわれの子どもたちよりもです」

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ライトセイル2号から撮影された地球 The Planetary Society


>>夢があって・・・、とゆおうとしたが、夢の中身がないではないか! 何しろわたし先急ぐ。(瑞雄)<<


宇宙開発
ソーラーセイル実証機「ライトセイル2号」が太陽光で地球周回軌道航行(Newsweek)

2019年8月13日(火)18時30分
松岡由希子


<ライトセイル2号は、ソーラーセイルを推力として地球周回軌道を航行することに成功した世界初の宇宙船となった......>


・・・国際非営利団体(NPO)の惑星協会が開発したソーラーセイル実証機「ライトセイル2号」が、2019年6月25日、スペースXの大型ロケット「ファルコンヘビー」に搭載され、米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。


**ソーラーセイルを推力として地球周回軌道を航行に成功

ライトセイル2号は、7月23日、地球周回軌道上でソーラーセイル(太陽帆)を展開させ、7月31日、太陽光だけで軌道の遠地点を2キロメートル上昇させることに成功した。

その後も太陽光によって順調に航行し、8月5日には軌道の遠地点を3.2キロメートル上昇させ、地球との距離が729キロメートルに達している。


**光子がソーラーセイルにあたって推力に

ライトセイル2号は、ソーラーセイルを推力として地球周回軌道を航行することに成功した世界初の宇宙船であり、地球から打ち上げられたソーラーセイル実証機としては、2010年5月21日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)によって打ち上げられた小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス(IKAROS)」に続いて2例目となる。

ソーラーセイルとは、反射材でできた巨大な帆で太陽の光を反射させ、推力に変えるというものだ。光は、エネルギーと運動量を運ぶ光子(フォトン)と呼ばれる粒子でできており、光子がソーラーセイルにあたって跳ね返ると、運動量の多くが伝達され、光が反射した方向と逆方向へ加速する。化学ロケットに比べると推力は小さいものの、途絶えることはなく、時間の経過とともに速度を上げることができる。太陽光を無限に活用できるのも利点だ。


**1年後、大気圏に再突入して燃え尽きる見込み

ライトセイル2号のソーラーセイルは、電気の絶縁材料であるマイラー(テレフタル酸ポリエステル)をアルミで被覆したもので、4枚の三角形をつなぎ合わせることで、ボクシングリングと同サイズの32平方メートルの正方形をなす。

制御システムがライトセイル2号の方位をコントロールしており、8月3日には、地球の影に入るとソーラーセイルモードから自動で切り替わる機能も実装された。ソーラーセイルを展開した7月23日以降の10日間で、ライトセイル2号がソーラーセイルモードで航行した時間は、全体のおよそ3分の2を占めている。

ライトセイル2号は、軌道を上昇させるミッションを1ヶ月間、実施したのち、およそ1年かけて徐々に軌道を外れ、大気圏に再突入して燃え尽きる見込みだ。ライトセイル2号の航行状況は、惑星協会の公式ウェブサイトでリアルタイムに公開されている。

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【写真トップ】マヤ文明で都市の破壊を伴う「総力戦」が起きたのは紀元9世紀に干ばつが連続し、食料をめぐる争いが始まってからというのが定説だった。(PHOTOGRAPH BY DEA/G. DAGLI ORTI/DE AGOSTINI/GETTY)
【写真2枚目】ライダー(LiDAR)という手法を用いて作成した地図。現在のグアテマラ北部にある古代マヤの都市ウィツナルの神殿を示している。近隣の都市から見つかった石碑によると、ウィツナルは紀元697年5月21日に「焼かれた」。(PHOTOGRAPH COURTESY PACUNAM/ESTRADA-BELLI)
【写真3枚目A&B】ラグナ・エクナーブの湖底から収集した堆積物のサンプル。異常に厚い炭の層を含んでいることから、紀元690年から700年の間に大規模な火災が起きたことがわかる。(PHOTOGRAPH BY LYSANNA ANDERSON)
【写真4枚目】ラグナ・エクナーブの湖底から抜き取った堆積物のサンプル。ここには、何世紀にもわたる環境条件が記録されている。(PHOTOGRAPH BY DAVID WAHL)
【写真ボトム】メキシコ、ユカタン半島にあるバラムク(ジャガーの神)洞窟。ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー、ギレルモ・デ・アンダ氏が1000年以上手つかずのまま封印されていた儀式用の器を調べている。(PHOTOGRAPH BY KARLA ORTEGA)


>>「本性」、いやな言葉だね。「人の本性」となるとなおいやなの何でだろ? (瑞雄)<<


古代
マヤ文明の衰退、従来説を覆す研究成果(NATIONAL GEOGRAPHIC)

「食料難により全面戦争が勃発」説に異議

2019.08.08


・・・古代マヤ文明において古典期と呼ばれる700年ほどの期間(紀元250年ごろから950年ごろまで)、戦争はある程度「儀式化」されていたというのがこれまでの定説だ。(参考記事:「知ってるようで知らないマヤ文明」)

 つまり、王族が連れ去られたり、象徴的な建造物が解体されたりすることはあっても、大規模な破壊行為が行われたり、一般人に大量の死傷者が出たりしたことはめったになかった。そして古典期の終わりになって干ばつが増え、食料が不足した結果、王国間の戦争が激化して文明が衰退に向かっていった、という説だ。

 しかし、8月5日付けの学術誌「Nature Human Behaviour」に掲載された論文で、気候の影響でマヤの農業が崩壊するより前に、兵士だけでなく一般人をも巻きこんだ激しい戦闘行為(「総力戦(total warfare)」と表現されることが多い)が起きていた証拠が示された。(参考記事:「マヤ文明の衰退は気候変動のせい?」)

 米地質調査所(USGS)の古気候学者デビッド・ウォール氏が初めて中米グアテマラ北部のラグナ・エクナーブという湖に向かったのは、2013年のことだった。古典期後期と呼ばれる時代(紀元800年〜950年)に起きた干ばつの証拠を探し、それが農業に与えた影響を突き止めるためだった。この湖は、古代マヤの都市遺跡ウィツナルがある崖の下に位置している。ウォール氏は、この湖の底にたまった堆積物を調べれば、かつてここで繁栄していた人々に何が起きたのかがわかると考えた。(参考記事:「封印されていた古代マヤの洞窟、祭礼品が多数出土」)


**湖に沈む火事の痕跡

「切り立った地形に囲まれているので、湖には毎年約1センチのペースで堆積物がたまります。そのため、堆積物はここで起きたことを細かく映し出す鏡になるのです」とウォール氏は説明する。堆積物が急速にたまっていることから、森が伐採されて土地が開かれたことがわかる。また、堆積物からトウモロコシの花粉が見つかっており、このあたりでは主としてトウモロコシが栽培されていたこともうかがえる。しかし、ウォール氏がラグナ・エクナーブの底から見つけたもののなかでもっとも特筆すべきは、大きな炭の塊を含む厚さ3センチほどの層だった。

「土地を開くために森を焼くことが多かったので、このあたりの湖の堆積物からは、よく炭が見つかります。しかし、湖の調査を20年間行ってきましたが、これほどの厚さの層を見たのは初めてでした」


 最初、ウォール氏は、この炭の層が大規模な火災によってできたのではないかと考えた。この火災の後、数十年から数百年間の堆積物に含まれるトウモロコシの花粉は減っていた。この火災と花粉の減少は、ウォール氏が興味をもっていた古典期後期の干ばつによるものかもしれない。ただし、それ以前(放射性炭素年代測定によると、紀元690年から700年の間)に湖にたまった炭からは、干ばつの証拠は見つからなかった。(参考記事:「マヤの水の神殿を発見 “激動の時代”の爪跡か」)


**「バラム・ホルは焼かれた」

 ウォール氏がこの発見の意味を解明しようとしていたとき、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラーで米テュレーン大学の考古学者フランシスコ・エストラーダ=ベリ氏のチームがウィツナルで初めての発掘を開始した。この遺跡は1960年代に発見されていたが、詳しい調査は行われていなかった。

 発掘が進むにつれて、意図的に壊された建造物が多く、火災の痕跡があちこちに残されていることもわかった。つまり、火は侵入者によって意図的に放たれた可能性がある。さらに、珍しいものも見つかった。古代マヤ人が名づけた「バラム・ホル」という都市の名前がはっきりと刻まれた碑だ(多くの都市のマヤ名はわかっていない)。(参考記事:「マヤのピラミッドに科学のメス、謎を解明へ」)

 この地域の他の遺跡からも石碑は見つかっている。それらに刻まれた言葉を集めたデータベースを検索したところ、そばにあるナランホという町で見つかった石碑から、近隣の王国に対する一連の軍事行動が成功したという記録があることがわかった。その中に、697年5月21日に当たる日に「バラム・ホルは焼かれた」という記述があった。

「これはまさに、炭が湖に堆積していた時期です。この記述と、火事が起きたという事実を、確かにつなげることができたのです」とウォール氏は言う。(参考記事:「古代マヤ文明の要塞を発見、従来のイメージ覆す」)

 驚くべきことに、ナランホの石碑に誇らしげに「焼き払った」と刻まれた都市はバラム・ホルだけではない。それどころか、近隣の少なくとも3つの都市でも同じことが起きていた。その1つ、現在のブエナビスタ・デル・カヨからも、最近になって大規模な火事の痕跡が見つかっている。したがって、このころより1世紀も後の古典期後期になって初めて「総力戦」が始まった可能性はかなり低いと、今回の論文の著者らは考えている。

 ウォール氏は、「都市を焼くというのは、これまで考えられていたよりもかなり早くから一般的な戦術になっていたようです。そのため、激しい戦争が起きてマヤが衰退したという考え方は、再考が必要だと考えます」と言う。現在、ウォール氏は、マヤ文明崩壊の原因が本当に気候だったのかという観点でも調べている。大規模な火災の後、トウモロコシの生産量は大きく減少したようだが、完全に栽培されなくなるのは紀元1000年ごろのことだ。そのころ、干ばつがこの地方全体を襲った可能性が高いことが別の研究から明らかになっている。


**マヤ文明古典期に何が起きたのか?

 そこから考えられるのは、たとえ激しい戦争を切り抜けていたとしても、気候の変化によって穀物の栽培が難しくなり、それによってマヤが衰退した可能性があることだ。古典期後期よりもかなり前から激しい戦争が起きていたことを示す証拠は最近になって徐々に増えており、ウォール氏の研究によってまた一つ増えたことになる。

 米アリゾナ大学の猪俣健氏は、「古典期を通して激しい戦争が起きていたという解釈が増えています。その結果、人口や経済活動が減少したのかもしれません」と言う。ただし、現在と同じように、戦争はある程度制限されていたようだ。「そのため、十把ひとからげに決めつけるのではなく、時期によってどのように戦争が変化していったかを細かく調べる必要があります」という。なお、猪俣氏は本研究には関与していない。

 同じく本研究とは無関係である米カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校の考古学者ジェームズ・ブレイディ氏は、今回の新発見を「おもしろく、刺激的」と形容する。

「古典期後期より前の戦争が儀礼的なものでしかなかったとは、どうしても信じられませんでした。戦争ははるか昔から行われてきた事実に違いなく、重大な事態を招くこともしばしばだったのです」

文=TIM VERNIMMEN/訳=鈴木和博

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【本上】ことばにできない宇宙のふしぎ 単行本 – 2019/7/22 エラ・フランシス・サンダース (著), 前田 まゆみ (翻訳)
【本下】翻訳できない世界のことば 単行本 – 2016/4/11 エラ・フランシス・サンダース (著), 前田 まゆみ (翻訳)


>>只今わたし「摩訶不思議なお隣さんの頭ん中」に迷い込んでおりますんで、脱出でき次第「理解できなくても許せる世界」に浸ってみたいと思っております。ああ・・・。(瑞雄)<<


おすすめ本レビュー
『ことばにできない宇宙のふしぎ』「宇宙と人間」を楽しむ大人の絵本(HONZ)


成毛 眞 2019年08月05日


・・・本書の3年前に出版された同じ作家の『翻訳できない世界の言葉』は本当にステキな大人の絵本でした。世界中の言語から、その言語にしかない言葉を選び、その意味とイメージに合わせた絵が添えられているのです。たとえば

「PORONKUSEMA」 フィンランド語で「トナカイが休憩なしで、疲れずに移動できる距離」

「IKTSUARPOK」 イヌイット語で「だれか来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること」

「CONTISUELTO」 カリブ・スペイン語で「シャツの裾を、絶対にズボンの中に入れようとしない男の人」

「SAMAR」 アラビア語で「日が暮れたあと遅くまで夜更しして、友達と倒しく過ごすこと」

「TIAM」 ペルシャ語で「はじめてその人に出会ったときの、自分の目の輝き」

アラビア語やペルシャ語にじつは美しい言葉があることを知って、彼らに対する見方が変わってしまいます。各地の言語や文化を知るというよりも「地球と人間」を楽しむというイメージでしょうか。発売から3年経ってもアマゾンで1400位台。10万部突破のベストセラーなんです。これからも売れ続けるでしょう。日本語からは「KOMOREBI」などが選ばれてます。

さて『ことばにできない宇宙のふしぎ』は言葉から科学にモチーフを変えた新作です。いわば「地球と人間」から「宇宙と人間」に視線を広げたのです。

この出来が素晴らしい!宇宙、光、元素、DNA、ミトコンドリアなどの基礎科学の言葉と概念を、美しい絵とともに短い文章で紹介しているのですが、簡単な言葉を使っているのに、じつは奥が深いのです。

たとえば「光度」。光の強さの説明ですが、話はどんどん進み、最後には銀河中心にあるブラックホールとクエイサーの説明で終わります。文章はわずか2ページ。「鳩がビーチチェアに座って宇宙をみあげている絵」が添えられてます。

たとえば「月」。月と地球が互いに手を出して抱き合っている絵の隣には、たった1ページの文章が書かれています。遠心力と重力が釣り合うことで月が公転していることが上手に説明されているのですが、驚くのはその先。重力とその効果について時空が歪んでいるからであることを説明してしまうのです。そのステキな文章を引用してみましょう。


地球は月よりも大きいので、月に影響を与えるほど大きな時空の歪みを生み、月を支配し地球のまわりを回るように”命じて”いるのです。

でも、月はそんなことを気にしないでしょう。なにしろ、地球から目をそらすなんてことが、月にはできないのですから。


ね、ステキでしょ。これで1800円。『翻訳できない世界の言葉」と合わせて3400円。絶対のお買い得。この2冊を携えて旅にでてみましょう。

なんで急に「ですます体」になったかって?『翻訳できない世界の言葉』を読み直して、すっかり優しい気持ちになってしまったんです。うふふふふ♡


*成毛 眞
HONZ代表。元マイクロソフト社長。インスパイア取締役ファウンダー。元早稲田大学ビジネススクール客員教授。産経新聞、週刊新潮、日経ビジネスなどに書評寄稿多数。代表的著書に『面白い本』『大人げない大人になれ』。雅号は「半覚斎」

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【図上】S0-2という恒星は、銀河系の中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*」に非常に近いところを通る。この図では、ブラックホールは時空にあいた底なしの穴として描かれている。(ILLUSTRATION BY NICOLE R. FULLER, NATIONAL SCIENCE FOUNDATION)
【図下】いて座A*付近の複数の恒星の軌道を追跡した図。S0-2の軌道を黄色で強調してある。(IMAGE BY KECK, UCLA GALACTIC CENTER GROUP)
【写真】銀河系から遠く離れた4億2000万光年の位置にあるおたまじゃくし銀河。 NASA, H.FORD(JHU),G.ILLINGWORTH(UCSC/LO),M.CLAMPIN(STSCI),THE ACS SCIENCE TEAM,AND ESA


>>宇宙も宇宙やが、こないなことを思いつくアインシュタインの脳味噌の方が不思議でならんの、わたし。それで悩んでみよう思ても悩めんけどね。(瑞雄)<<


宇宙&科学
巨大ブラックホール、アインシュタイン理論を証明【NATIONAL GEOGRAPHIC】

天の川銀河の中心にあるブラックホールが一般相対性理論の正しさ示す

2019.07.29


・・・恒星が超大質量ブラックホールに接近するとどうなるか?

 答えは、「天文学者がアインシュタインの理論を検証できる」だ。

 私たちの銀河系(天の川銀河)の中心には巨大なブラックホールがある。科学者らはこのほど、その近くを回る恒星を観測することで、恒星から出た光の波長が、ブラックホールの強力な重力場によって引き伸ばされたことを確認した。アインシュタインの一般相対性理論によると、光は非常に強い重力場の中を通過するときにエネルギーを失う。今回の測定は、その予想を検証する最良の方法だ。(参考記事:「天の川銀河のブラックホール」)

「超大質量ブラックホールの近くで重力がどのように働くかを、今回のような手法で直接検証するのは初めてです」と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の天文学者アンドレア・ゲズ氏は説明する。同氏のチームによる研究成果は7月25日付けで学術誌『サイエンス』電子版に発表された。「重力は、宇宙を理解するうえでも、私たちの日常生活においても、重要です」

 天文学者たちは、極端に強い重力環境で一般相対性理論が成り立たなくなる証拠を発見したいと願っている。そうすれば、私たちの宇宙に残るいくつかの大きな謎を解決できるような、新しい物理学の可能性が見えてくるからだ。(参考記事:「ダークエネルギーは一般相対性理論を書き換えるか」)

 とはいえ今回は、アインシュタインの正しさがまたもや示された。


**ブラックホールを16年で1周する恒星

 一般相対性理論によれば、私たちが重力として理解しているものは、物体の質量が時空を曲げた結果として生じるという。また、重力は光にも影響を及ぼし、非常に重い物体は、その近くを通る光を曲げる。この現象は「重力レンズ効果」と呼ばれ、1919年の皆既日食のときに観測されたことで知られる。それ以降、一般相対性理論は科学の大黒柱となった。(参考記事:「重力レンズ使った星の重さ測定に成功、ハッブル」)


 だからこそ科学者たちは、銀河系の中心にある太陽の400万倍の質量をもつ怪物級のブラックホール「いて座A*」と、そのまわりを公転する恒星の集団に強い関心を寄せているのだ。いて座A*は地球から約2万6000光年離れたところにあり、ガスと塵のカーテンの向こうに隠れている。(参考記事:「銀河系ブラックホールの近くに恒星発見」)

 今回の研究の主役であるS0-2という恒星は、いて座A*のまわりの楕円軌道をわずか16年の周期で公転している。いて座A*に最も接近するときには、時速2500万kmという、光速の3%に迫る猛スピードで宇宙空間を駆け抜けることになる。

「こうした天体は、人間の一生ほどの短い時間で変化が観察できます」とゲズ氏は言う。「私たちが目にする星座の配置は有史以来変わっていません。けれども重力場が非常に強い銀河系の中心部では、恒星はどんどん動いているのです」

 S0-2は楕円軌道上を運動するため、超大質量ブラックホールに近づくときと遠ざかるときがある。ゲズ氏らは、S0-2が2018年5月にいて座A*に最接近する様子を観測したいと考えた。研究チームはチリとハワイのマウナケア火山の山頂にある望遠鏡を使って、同年3月から9月まで、この恒星の運動を詳しく調べた。

「恒星の軌道の形を詳細に知っておく必要があるのです」とゲズ氏は言う。「恒星がブラックホールに最接近して、最も強い重力場を経験しているときが、アインシュタインの一般相対性理論を検証できるときなのです」

 これらの観測データを1995年から収集されてきた大量のデータに追加することで、S0-2の軌道全体を3次元で計算することが可能になった。


**重力が光を引き伸ばす

 一般相対性理論を検証するため、研究チームはS0-2の位置の測定結果と、その運動の観測結果とを合わせることで、「重力赤方偏移」と呼ばれる効果を測定した。

 簡単に言うと、S0-2がいて座A*に最接近すると、ブラックホールの強力な重力によってS0-2からの光のエネルギーが失われ、波長が長くなる。つまり、光のスペクトルが赤い方にずれるのだ。


「重力赤方偏移はスペクトルから読み解くことができます」とゲズ氏は話す。S0-2からの光は、秒速200km程度減速されたのに相当するエネルギーが失われていた。これは、いて座A*と同じ大きさの重力を及ぼす天体について、アインシュタインの方程式が予想している数値とぴったり一致する。おまけに、この研究により、いて座A*の質量と距離を、より正確に知ることができた。

 科学者たちはこれまでも、より弱い重力場をもつ太陽系などのまわりでも、同様の方法で一般相対性理論を確認している。GPS衛星は地球の重力による相対論的効果をたえず補正しなければならず、それを行わないと、あらゆる種類の地図アプリを使ったナビゲーションが不可能になる。

 さらに、ドイツのマックス・プランク宇宙物理学研究所のGRAVITYチームは、数十年にわたって銀河系の中心部を調べていて、2018年、S0-2の光にゲズ氏のチームが今回発表したのと同じ重力赤方偏移を検出し、学術誌『Astronomy & Astrophysics』に発表している。

 2つの測定で同じ結果が出たことは、重力のふるまいがニュートンのモデルではなくアインシュタインの理論と一致していることを示唆しているが、詳細に見ると食い違いもある。ゲズ氏は、この不一致は観測機器や基準系による系統誤差によって説明できるのではないかと考えているが、両チームが銀河中心の観測を続けていく上で、こうした誤差をなくしていくことがますます重要になるだろうと話す。

 GRAVITYの主任研究者であるフランク・アイゼンハウアー氏は、独立した別々の測定により重力赤方偏移が確認されたのはすばらしいことだと言う。銀河系の中心の超大質量ブラックホールは、彼にとって、ブラックホールの物理学と重力理論のカギを握る天体であり続けている。

「銀河の中心に関する研究の未来は明るいと思います」と彼は言う。(参考記事:「天の川銀河に1万個のブラックホール?研究成果」)


文=Nadia Drake/訳=三枝小夜子

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