田中瑞雄の母趾球歩きと薬ありの低糖質食

このブログの表題に母趾球歩きを加えました。そして低糖質食にも薬ありをくっつけました。(2013/05/16)

憲法

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憲法学の病 (新潮新書) 新書 – 2019/7/12 篠田 英朗 (著)


>>《両陛下が体現されている「国際性」こそ、令和・日本の導きとしたいものである》

 結局日本に籠ったまま逝くことになってしもうたわたしら昭和のトッツアンジジイもやり直せるものなら是非にもお供をしてみたい。(瑞雄)<<


正論
「国際主義」の信条を振り返る夏 東洋学園大学教授・櫻田淳(産経ニュース)

2019.8.12


・・・令和最初の終戦記念日を迎える。昭和と平成という2つの御代が去った今、日本の人々の大勢は、七十余年前の「戦争と平和」を、もはや自らの実感としては語れない。七十余年前の「戦争と平和」に関しては、それにどのような意味を与え、それからどのような教訓を引き出すかという知的作業は年々、大事になっていくのであろう。


 ≪日本再起に問われた国際協調≫

 昭和20年11月、終戦3カ月後、現在では戦前の「粛軍演説」や「反軍演説」で知られる斎藤隆夫を中心に、日本進歩党が結成されたけれども、その「立党宣言」には、次のような文言がある。

 「更ニ之ヲ外ニシテハ、排他的優越感ニ基ク国家至上主義思想ヲ払拭シテ、永遠ニ戦争ト武力トニ絶縁シ、国際正義ト相互信頼ト立ツ道義外交ヲ恢復(かいふく)シ、世界協同組織ノ参加者トシテ、万世ノ為(ため)ニ太平ヲ開キ、以テ人類文化ノ進運ニ貢献セサルヘカラス」

 また、戦前、斎藤に並ぶ自由主義者として語られた牧野伸顕もまた、最晩年に至って残した『回顧録』中に次の記述を残している。

 「日本の新憲法の基礎観念も、国際聯合の永久平和の精神を応用して法文を作成するにあったと思われるのであり、日本としてはこの意味において、力の及ぶ限りを尽くして誠実に国際聯合の発達を助成し、その成功を念願とすべきである」

 斎藤や牧野の言葉にも示唆されるように、戦後日本の再起に際して確認されたのは、「国際主義」の信条だった。それ故に、サンフランシスコ講和会議に際して、吉田茂首席全権代表は、講和条約受諾演説中、「われわれは国際社会における新時代を待望し、国際連合憲章の前文にうたつてあるような平和と協調の時代を待望するものであります。われわれは平和、正義、進歩、自由に挺身(ていしん)する国々の間に伍(ご)して、これらの目的のために全力をささげることを誓うものであります」と語っている。

 日本が国際連合への加盟を実現させた折、重光葵外務大臣は、国連総会演説で、日本が国連加盟申請に際し、「日本国が国際連合憲章に掲げられた義務を受諾し、且(か)つ日本国が国際連合の加盟国となる日から、その有するすべての手段をもつてこの義務を遂行することを約束するものである」と宣言した事実を強調していた。

 しかし、実際には、「平和、正義、進歩、自由に挺身する国々の間に伍(ご)して、全力を捧(ささ)げる」という吉田の言葉とは裏腹に、日本の対外姿勢は、久しく「消極性」を免れないものであった。


 ≪窒息させた憲法学者の言質≫

 憲法第9条を盾にして、対外関与に際しての「積極性」を厭(きら)い、それを平和主義の言辞で糊塗(こと)する姿勢が、定着したからである。「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という憲法前文の「国際主義」の精神は、次第に窒息したのである。

 篠田英朗東京外国語大学教授の近著『憲法学の病』(新潮新書)は、「国際主義」の精神を窒息させたのが、宮沢俊義以来の日本の憲法学者主流の言説であったと断じ、その言説における「独善性」、「排他性」、「閉鎖性」を「ガラパゴス憲法学」として批判している。確かに、特に平成改元以降、「国際主義の精神」を日本が発揮して何かをしようとする際、それを絶えず邪魔してきたのは、憲法に係る解釈を占有しようとしてきた憲法学者主流の言説であり、その言説に「幻影としての権威」を見た一部国内メディア・世論であった。

 現在でも、安倍晋三首相が掲げる憲法改正の方向には、さまざまな批判が投げかけられている。とはいえ、重要なことは、どのような趣旨の憲法改正であれ、それが憲法前文の国際主義の精神に違背するものであれば、それを受けいれる人々は皆無であろうということである。仮に憲法第9条改正が成ったとしても、日本が「侵略、武力による威嚇又は武力の行使」を禁ずる国連憲章の規定に拘束される事情は変わらない。


 ≪両陛下が体現される国際性≫

 振り返れば、筆者を含む1960年代生まれの世代は、「国際性」をこそ一つの価値として信奉してきた。1980年代半ば、「経済大国・日本」の隆盛が頂点に達し、当時の中曽根康弘首相・安倍晋太郎外務大臣の下で「国際国家・日本」が標榜(ひょうぼう)された時節は、この世代にとっての「若き緑の日々」に重なる。故に筆者は、平成改元直後の国連平和維持活動(PKO)協力法制定から近年の安保法制策定に至るまで、日本が「国際主義の精神」を発揮して何かをする構えを整えるのは、「戦前への回帰」ではなく、「時代の要請」に対する当然の応答だと思ってきた。今、令和の御代を迎えて、今上天皇皇后両陛下は、筆者にとっては、「我等(われら)の世代の両陛下」であられる。両陛下が体現されている「国際性」こそ、令和・日本の導きとしたいものである。(さくらだ じゅん)

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G20大阪サミット閉幕後、記者会見で日米安全保障条約について言及するトランプ米大統領=6月29日午後、大阪市


>>アメリカやらトランプがどげゆおうが、自分の国を自分で守らん国は国じゃなか。わたしゃそげ思ちょりますが、おかしかとこがありますか? (瑞雄)<<


緯度経度
トランプ発言と日米同盟 経緯を知らず軽視・無視は危険(産経ニュース)

古森義久

2019.7.25


・・・参院選が終わり、憲法改正という課題に新たな光が当たり始めたいま、日米安全保障条約を「不公平」だとしたトランプ米大統領の主張にも新しい重みが加わるだろう。

 トランプ氏が6月に「日本が攻撃されれば米国は彼らを守るために戦うが、米国が攻撃を受けても日本は私たちを助ける必要が全くない」と指摘した同盟の片務性はいまの日本の憲法9条に起因するからだ。

 日本側ではこの発言を軽視あるいは無視する向きも多い。だが、その種の反応は都合の悪い事実をあえて見ず、頭を隠すダチョウを思わせる。なぜなら大統領発言は米側の国政の場ですでにコンセンサスに近い認識を反映しているからだ。

 米国が各国と結ぶ多数の同盟は日米同盟以外は双務的、あるいは均等である。同盟相手は自国が攻撃されなくても米国が攻撃されれば集団的自衛権を発動して共同防衛行動を取ることを誓っている。アジア太平洋で米国が同盟を結ぶオーストラリア、フィリピン、韓国は自国が攻撃されなくても太平洋地域で米国が攻撃されれば米国を守るのだ。

 日本側では米軍の駐留経費と基地提供だけで双務的だとする主張もある。だがこれほど国際常識に反し、米側を激怒させる主張もあるまい。同盟が同盟たるのは人間の生命を賭ける有事の防衛行動である。カネと施設の供与だけなら同盟ではなく傭兵(ようへい)だろう。

 日本側ではトランプ発言が孤立した衝動的な非難だとか対日貿易交渉への脅しだとする説もある。だがトランプ氏は4年前から同じ批判を繰り返してきた。

 米議会では2010年から「日米同盟の強化には憲法9条が障害となっている」という見解がほぼ公式となった。議会調査局が議員の参考資料として毎年、作る日米関係報告書に「米国が起草した日本の憲法は集団的自衛を禁ずる9条の現行解釈のために日米間のより緊密な防衛協力への障害になっている」と明記するようになったのだ。

 議員の間でもトランプ氏の政敵の民主党ブラッド・シャーマン下院議員は、日米同盟の片務性をトランプ氏より激しい言葉で非難する。トランプ政権登場から数カ月後、公聴会で「日本が憲法を口実に有事にも米国を守らないならば米国も尖閣諸島を守るな」と2度も日本を糾弾したのだ。

 米国では有力紙ウォールストリート・ジャーナルが2017年5月、「日本の憲法9条は日本自身にとって危険になりつつある」とする社説を掲げた。集団的自衛が妨げられているので中国や北朝鮮の軍事的脅威に際して日米で共同対処ができないからだという。

 この種の米側の主張は歴史が長い。1997年5月には最大手の政策研究機関「外交問題評議会」が日米同盟に関する報告書で、日本の集団的自衛権行使の禁止を「日米同盟全体にひそむ危険な崩壊要因」と定義づけていた。ハロルド・ブラウン元国防長官、リチャード・アーミテージ元国務副長官ら超党派の40人以上の専門家の見解だった。

 だからトランプ発言は米側の圧倒的多数派の代弁であり、遅きに失した言葉でもあるのだ。日本側でこうした経緯を知らずにトランプ発言を退けるのは、危険な無知、知っていてそうするならもっと危険な偽善だといえよう。(ワシントン駐在客員特派員)

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長谷部恭男さん


>>ムンX号はどこにもおるとよ、徒党ば組んで。独り籠っちょったらそげ見ゆる。(瑞雄)<<


産経抄
7月20日(産経ニュース)


・・・もっともらしい顔で、とんでもないことを言う人がいる。集団的自衛権の行使を限定容認した安全保障関連法の成立直後の平成27年9月のことである。朝日新聞で、著名な憲法学者の長谷部恭男氏が同法を批判し、憲法条文を見ても白黒の判断がつきにくい場合について持論を語っていた。

 ▼「答えを決めるのは、(中略)『法律家共同体』のコンセンサスです」。憲法解釈は、国民が選挙を通じて選んだ政治家ではなく、憲法学者が決定するというのである。そもそも法律家共同体とは何か。そんな権利を一体誰から与えられたというのか。

 ▼一方、元官僚で作家の八幡和郎氏は著書で明言する。「憲法にかぎらず、そのテーマを扱う学会の大勢に政治や行政は従うべきというコンセンサスなど世の中に存在しません」。マルクス経済学が華やかなりし頃も、それに沿った経済政策を取るべきだとの議論はなかったと。

 ▼安保関連法をめぐっては、国際政治学者の村田晃嗣氏が同年7月の衆院平和安全法制特別委員会で、こう主張したのも印象深い。「多くの安全保障専門家は、今回の法案にかなり肯定的な回答をするのではなかろうか。学者は憲法学者だけではない」。

 ▼それでも長谷部氏は、同年11月の朝日新聞で再び断じた。「国民には、法律家共同体のコンセンサスを受け入れるか受け入れないか、二者択一してもらうしかない」「(国民)みんなで決めたことだから正しいという主張に根拠はない」。

 ▼折しも、ホルムズ海峡を通過するタンカー護衛のためトランプ米政権が有志連合結成を進めており、改めて安保関連法が注目されそうである。国会やマスコミが、また憲法学者の唯我独尊的な解釈をもてはやすと予想され、今から憂鬱になる。

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【写真上】米南部ノースカロライナ州の海兵隊ニューリバー航空基地で11日、陸上自衛隊のオスプレイの機体を点検する隊員。来年3月に予定される日本配備に向けて、飛行・整備訓練が続けられている。日の丸を付けたオスプレイがメディアに公開されたのは初めて。
【写真下】陸上自衛隊オスプレイの操縦席=11日、米南部ノースカロライナ州の海兵隊ニューリバー航空基地(画像を一部処理しています)


>>こうやってオスプレイまで持とうとゆうのに、上から目線のどこかの国から「戦争できない弱い国」と見られて「攻撃するぞ」と脅された。笑とったらあかんぞ、あの国妄想食って生きている。(瑞雄)<<


陸自オスプレイを初公開=米軍基地で飛行、整備訓練−隊員「従来機より安全」(時事ドットコムニュース)

2019年07月15日08時25分


【ジャクソンビル(米南部ノースカロライナ州)時事】米南部ノースカロライナ州の海兵隊ニューリバー航空基地では、陸上自衛隊による垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の飛行・整備訓練が続けられている。時事通信は11日に訓練の様子を取材した。日の丸を付けたオスプレイがメディアに公開されたのは初めて。

【特集】垂直離着陸機オスプレイ


 ◇海兵隊仕様と同性能

 日本には来年3月の配備が予定されるが、受け入れ候補地ではオスプレイの安全性への懸念などから反対運動が起きている。事故などが許されない状況の中、陸自隊員は安全への信頼確保に向けて訓練を重ねていた。

 同基地のだだっ広い駐機場には、数十機のオスプレイが等間隔で並んでいた。その端には、機体後部に日の丸とともに「陸上自衛隊」と記された真新しい3機。自衛隊専用の無線機や衛星通信機器を搭載した以外は、海兵隊仕様のオスプレイと同じ性能を持つ。

 今年5月から順次ニューリバー基地に納入された。1機が飛行訓練を行う中、陸自の整備員数人が米軍関係者らと最新機の点検を行っていた。

 「オスプレイは航空電子機器の塊だ」。整備担当の笹山貴裕一尉は、オスプレイは従来のヘリコプターよりも電子機器が多く搭載され、整備が複雑だと語る。

 2016年に沖縄県名護市沖の浅瀬に海兵隊のオスプレイが不時着、大破した事故などから、日本国内ではオスプレイの安全性に対する不信感が根強い。だが、オスプレイでは一つの機能が故障しても、3重のバックアップがあり、機能不全に陥る可能性は低いという。操縦士として訓練を受ける竹内亮三佐も「オスプレイの安全性を勉強すれば、前に乗っていた機体には怖くて乗れない」と笑う。


 ◇「スマートフォンの感覚」

 ただ、ヘリと航空機両方の特徴を併せ持つオスプレイには両翼端にプロペラとエンジンを搭載した「ナセル」があり、この角度を調整するなど、これまでに経験しなかった操作が増えた。多用途ヘリUH−1Jの搭乗経験が長い竹内三佐は「アナログの携帯電話からスマートフォンに変わったような感覚」と表現。「慣れるまでに時間がかかるが、慣れてしまえばより便利だ」と語る。

 オスプレイの性能については「例えば日常生活で通勤時間が3分の1になったり、どこかに行くのに3回必要だった給油が1回で済むという便利さを実感したりすることは少ないが、オスプレイが導入されれば、それが現実になる」と強調する。「(離島防衛などの)緊急時にはその速度と航続距離がどれだけの恩恵をもたらすか計り知れない」と述べ、オスプレイ配備が国防に貢献すると力を込める。

 16年秋に始まったニューリバー基地での陸自隊員の訓練は来年5月でいったん終了する。訓練を担当する海兵隊のコーベイル少佐は陸自隊員について「非常にプロフェッショナル。お世辞ではなく、本当に素晴らしい」と絶賛。オスプレイの安全性には「私はけがをしたくないし、毎晩家族の顔も見たい普通の人間だ。少しでも安全性に懸念があれば、この仕事をしていないよ」と笑顔を見せた。

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【写真トップ】10メートル近い高さから飛び込む訓練をする水陸機動団の隊員(相浦駐屯地)
【写真2枚目】水陸機動団長の青木
【写真3枚目】水陸機動団の輸送にはオスプレイも使う(陸自提供)
【写真4枚目】水陸機動団の隊舎(相浦駐屯地)
【写真5枚目】アイアン・フィストを視察した陸自幹部らに状況を説明する青木
【写真6枚目】海岸から上陸する水陸両用車「AAV7」(陸自提供)
【写真7枚目】最先任上級曹長の日高
【写真ボトム】水陸機動団の隊員は着衣のままでも水中で活動できるよう訓練を重ねる


>>世の中にはいろんなんがおる。友軍や思てたやつから撃たれる時代や。そんなんに気い付けなあかんし大変やな・・・。(瑞雄)<<


変われないなら消える 日本版海兵隊の挑戦 (日経新聞)

自衛隊 精鋭たちの組織論(1)

2019/7/7 2:00 (2019/7/8 2:00更新)
日本経済新聞 電子版


・・・24万人の隊員を抱える自衛隊。特殊な任務にあたりながら、人を資本とする大組織はどう運営されているのだろうか。日本版海兵隊といわれる水陸機動団やサイバー防衛隊など注目の部隊を取り上げながら、組織運営での試行錯誤を追った。


■南西諸島防衛へ発足

「日本版海兵隊」と呼ばれる組織が2018年3月に発足した。長崎県佐世保市の相浦駐屯地にある陸上自衛隊の水陸機動団だ。他国からの離島侵攻などがあった場合、いち早く駆けつけ奪還作戦を担う。中国の軍備増強をにらみ、自衛隊初の水陸両用作戦部隊として南西諸島の防衛のために立ち上げられた。

相浦駐屯地を訪れると、迷彩服を着込んだ隊員達が、3階建てのビルほどの高さがある飛び込み台から次々とプールに飛び込んでいた。「上を見よ、下を見よ。水面よし!。前を見よ。入水!」。水しぶきを上げて、水面に吸い込まれていく。


この部隊を初代団長として率いるのが青木伸一(53、陸将補)だ。隊員は約2400人。ほとんどが自ら志願してきた志が高い隊員だ。立ち上げからの1年超を振り返り「大変だったが、達成感を実感しながら過ごした。いろいろな経験と厳しい訓練を積み、与えられた任務を遂行できる自信と能力が身についた」と語る。

青木は日本の守りはもちろん、陸上自衛隊の新たなあり方を模索するうえでも期待を集めるキーマンだ。実直冷静な語り口。気さくな人柄で知られるが「目は笑っていない」との声も。過酷な訓練を積んできたがゆえの迫力だ。

入隊は1988年。防衛大学校を卒業してすぐに配属されたのは北海道東千歳駐屯地だ。当時、世界は東西陣営に分かれた冷戦下。日本にとっての最大の脅威はソ連による北海道侵攻であり、それを守る陸上自衛隊こそが日本の防衛の中心だった。青木が北海道を志望したのも「日本防衛の第一線で勤務したい」という理由からだ。


■特殊作戦系を歩む

入隊から17年後、青木は同期のなかでは1番乗りで1等陸佐に昇進し、その後、幹部としての道を歩み始める。青木のキャリアを特徴づけるのは出世の早さだけではない。陸自の中でもめったにいないほど特殊作戦系の部隊を率いるポストを歴任してきた。その歩みを振り返ると、時代とともに変遷してきた陸自の存在意義も浮き彫りになる。

たとえば、10年にはテロ・ゲリラ対処を担う特殊部隊「特殊作戦群」の群長に就任した。同部隊は「北朝鮮の脅威」が急速に高まるなか「北朝鮮の工作船を捕まえて乗り込む」など今まで想定されていなかった危険な任務が急速に重要度を高めたため生まれたものだ。青木は3代目の群長として部隊の強化や拡大に貢献した。

その後、司令部勤務を経て、18年3月、満を持して任じられたのが水陸機動団の団長だ。「大任だと感じた」と青木は語る。

水陸機動団の発足は陸自にとって大きな意義を持つ。最大の目的はもちろん南西諸島での有事の際の即応体制の整備だ。だが、陸自にとっては自らの新たな「レゾンデートル(存在意義)」を模索する戦いとも重なる。

ここ30年、自衛隊を取り巻く環境は大きく変わった。青木の入隊当時、青木が希望したように日本の防衛の最前線はソ連をにらんだ北海道にあり、防衛力の中心もソ連軍の上陸をはばむ陸上部隊にあった。

だが、世界情勢の変化で戦闘機による対領空侵犯や海上での警戒監視活動といった海空の自衛隊の役割が重要性を増した。海自や空自、内部部局からも「陸自の数はもっと減らせばいい」とのやっかみは多い。「陸自削減論」だ。

最近では政府内で「防衛計画の大綱(防衛大綱)」の議論がされるたびに陸自の削減が論点になった。現に1976年に策定した防衛大綱で18万人だった陸自の定数は18年は15万9000人まで減った。予算も高額な戦闘機や艦艇に優先的にまわされることも増えた。そのなかで必要性が低下した戦車部隊を減らし、火砲を扱う野戦特科の部隊も徐々に減らすなどリストラも進めてきた。


■陸自の存在意義とは

「国土防衛にとって陸軍種は基本だ」。青木はこう強調する。「領土があっての領海、領空だ。『領土を守り抜く意志』こそが侵略側にとっては一番怖い。陸自の態勢が縮小してしまうと、そこには隙ができ、相手に誤ったメッセージを与えてしまいかねない」

一方、青木はこうも強調する。「変化のない組織は生き残れない」。青木の問題意識は陸自全体の危機感を映す。今の日本の「最前線」を守る水陸機動団は「陸自削減論」をはね返す希望の精鋭部隊だ。

あとはひたすら水陸機動団を強くするのみ。ただ、自衛隊は憲法で掲げる「専守防衛」の下で一度も実戦経験がない。そこで重要になるのが米海兵隊との共同訓練だ。

今年1〜2月、水陸機動団は米カリフォルニア州で海兵隊との実動訓練「アイアン・フィスト」に参加した。そのなかでもっとも緊迫し、真に迫った訓練が総合訓練として実施した水陸両用作戦だ。

「侵攻した敵を撃破せよ」。ミッションを受け、迅速に艦艇に装備品を積み込み、最速で移動する。海岸に近づくと、荒れる海に次々と水陸両用車「AAV7」を投入し、迅速に乗り込んで上陸する。その後は、敵陣を攻撃し、地域を奪い返す――。このように本格的なAAVでの上陸訓練をするのは初めてのことだが、水陸機動団は無事、使命を完遂した。

このプログラムは部隊発足前に青木が描いていたものだ。「かつてはAAVも持っておらず、将来はこうした作戦が必要になるのではないか、と考えていた」と青木。今は水陸機動団が発足し、AAVも持っているが、本格的な上陸訓練は日本では許認可の問題もあり、なかなか難しい。カリフォルニアでの訓練だからこそ具体化した。

激しく打ち寄せる波のなか、すべるように次々と上陸するAAV――。青木がイメージしていた水陸機動団の姿がまさにそこにあった。「ここまできたか」

そして訓練当日、高台から作戦をみていた青木はこう振り返る。「本当に感慨深くて涙が出そうだった」


■見張りが寝れば全滅も

青木の下で隊員らとの橋渡し役を担う最先任上級曹長、日高幸治(53、准陸尉)は自衛隊のもとにある水陸機動団と米海兵隊との違いをこう表現する。「圧倒的に違うのは『実際の戦闘を基準に考えている』点だ」

水陸機動団のような厳しい任務を希望する隊員たちは能力も高く、向上心もある。当然、自身のスキルアップには熱心だが、全体のスキルアップに全力をあげたり、組織のために自分を律するという面では「戦争に行かなければいけない人たちとの差はどうしても感じる」(日高)。「この部隊はもし見張りが寝ていたら、いつでも全滅する可能性がある。共同訓練では彼らの体験談を踏まえ、そういったリアルを感じることができ、考え方がいろいろ変わった」と日高は語る。

日高自身も水陸機動団の発足前から米海兵隊との共同訓練を重ねてきた。その日高の脳裏に焼き付いているのは数年前の米海兵隊との訓練で海兵隊幹部が語った言葉だ。

訓練が始まる前のレクチャーの場。幹部が概要を説明していた。まず航空機で敵陣地に近づき、大砲や迫撃砲で攻撃し、最後に歩兵が制圧する……。ある若い自衛隊員がこう言った。「やっぱり歩兵の役割が重要ですね」。それに対して海兵隊幹部はこう答えた。「違う。勝利という共通の目的に参加した全てのものは平等だ。だが、海空の優勢を取ったら終わりじゃない。最後にブーツで上陸して旗を掲げるのは陸の歩兵だ」。様々な職種への敬意と自身の任務への強い自負がにじんでいた。

今、日中関係は改善基調にある。だが、南西諸島を巡る緊張が緩んでいるわけではない。沖縄県尖閣諸島の周辺では毎日のように中国公船が航行しているのが確認されている。「万が一の有事」に備える重圧は大きい。

だが、それだけに厳しい訓練に耐える隊員たちのモチベーションは高い。青木はこう語る。「この部隊は新しいことを開拓する夢と希望の固まりだ。夢と希望をどう具現化するかは今いる隊員たちにまかされている。こんなやりがいのあることはそうそうない」=敬称略、つづく

(加藤晶也)

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