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私の地獄のようなにらめっこは、流石に馴れてきたのかいつまでも堪えられるようになった。
しかしにらめっこだけでは済むはずもなく、基礎体力をつけるということでタートルズの四人には私の組み手や格闘技などを伝授してもらった。
だが予想とは違いこれは楽々とこなせた。
構えから何から全てまではいかないが、フットソルジャーには十分太刀打ちできるところまで上達していた。
小さい時から、武道家であるお祖父ちゃんの後ろ姿をずっと見てきたので何となく手順がわかるのだ。
にらめっこでは全く駄目だった私を見てきた者達にとっては、これは凄いとしか言いようがないようであった。
「夏江ちゃん凄いね!!!こんなに早く上達するなんてオイラびっくりんご!」
マイキーが何とも言えない位瞳を輝かせて言ってきた。
まぁ本当に凄いのは私のおじいちゃんだけどね。
その日の夜、私は一度下水道から出る事にした。
どうやら、この町にはあの四人達の良い理解者がいるようだ。
名前はエイプリルだっけ?
まっ、とにかく私は制服と体操服の二枚だけでいつも過ごしているから、不便だろうと考えたらレオが貸してもらえるところがあるから行ってみようと言ってくれたのだ。
「でもその人に迷惑かからない?」
「大丈夫だ。エイプリルは俺達によく協力してくれるから。」
そういうとレオは暗い道を歩き始めた。
彼の後ろから離れぬようと必死に歩くのだが、速い。
暗い夜道にも関わらず、まるで日が照っている日中のようにささっと動いている。
流石忍者なだけに、影で行動するのが得意のようだ。
いつかは忘れたが、ラフが「あいつは人一倍影の行動を好む」と言っていた。
初めはどんなものかと思ったが、成る程と頷ける。
「ついたぞ。」
考えているうちについたようだ···が、何処にも家に入る玄関らしきものがない。
あるのは何処からの煙か判らないのがもくもくと吹き出ている換気扇と、ビルの屋上しか私の視線からはわからない。
といきなりレオがジャンプし、下に消えていった。
「ちょ!レオ!?」
「どうしたんだ?俺はここにいるぞ」
レオがジャンプした場所に近寄ると、階段があった。
しかもそれは、直接窓に通じているものだった。
これ不法侵入とかじゃなかろうね?
下手したら、警察にお世話になる行為である。
それでもなんの躊躇もなく窓を開けるレオ。
そして中に入っていった。
私も少し気がひけたが、レオ達の友人なら問題ないだろうと勝手に言い聞かせ中に入っていった。
「エイプリル、いるかい?」
レオが呼ぶといるわよと返事をしながら、赤い髪の毛で上に団子結びをしているまだ20代くらいの女性が現れた。
「はぁい!その子が夏江ね。私はエイプリル・オニールよ。宜しくね」
「よろしくおねがいします。オニールさん」
「よしてよ、オニールさんなんて。エイプリルでいいわ」
「それじゃ、エイプリルさん。お願いします」
一通り挨拶が済むと、早速エイプリルさんが服をどっさりと持って来てくれた。
どうやら、私と同じ位の時に着ていた服のようだ。
暫く間服を決める為に、レオには退場してもらいエイプリルさんと二人っきりになった。
「話はさっきドニーが電話してきてくれたわ。夏江のこともちゃんとわかったわ」
そう言えば、ドニーと話が合うのがエイプリルさんとあともう一人はレザーヘッドと言う人らしい。
ドニーと話が合って、私の今の状況を理解できる人は一体この世に何人いるのだろうかとマイキーと話してたっけ?
「大変だったでしょ?可哀想に辛かったでしょう」
可哀想にと言われたのはここでは初めての事だった。
「みんなの前では気丈に明るく接しているって聞いたけど本当は自分じゃ処理仕切れてないでしょ?」
なんだ?これは???
なんか全て見過ごされているような感覚だった。
そんな事ないよと言ってみるが、その声が震えているのは私の気のせい?
「ここでは別に我慢しなくていいのよ?夏江」
エイプリルはそういうと私の頭を撫ではじめる。
あれ?なんだか顔が熱くなってきた。
次いでになんか目の前がうるうるしてきた。
そう思った時には私は声を出しながら、エイプリルに抱きつき泣いていた。
エイプリルはまるで自分の子供あやしている母親のように背中をさすってくれた。
エイプリルはまるでお母さんのようだ、そう感じた。
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