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68年にTHE BYRDSが「SWEETHEART OF RODEO」、THE DILLARDSが「WHEATSTRAW SUITE」がリリースされたことはこの時代のアメリカの音楽業界には多くのものをもたらしました。THE BYRDSがカントリー・ロックというジャンルを生み、THE DILLARDSはブルーグラスのスタイルをポピュラー・ミュージックの世界に持ち込みました。またTHE BYRDSに加入するクラレンス・ホワイトもブルーグラスで腕を鳴らしていました。 1969年にリリースされたTHE ROLLING STONESの「LET IT BLEED」に収められている『COUNTRY HONK』はもちろんあの有名な『HONKY TONK WOMEN』のカントリー・ヴァージョンです。THE BYRDSをカントリー・ロック化へと向わせた男、グラム・パーソンズは当時STONESのツアーに同行しており、特にキースとは仲が良かったようです。またBOB DYLANも「NASHVILLE SKYLINE」でカントリーへ接近しています。この1968年以降、70年代にEAGLESが登場するぐらいまでカントリーやブルーグラスなどの要素を取り入れたバンドが次々とデヴューしていきます。POCOやTHE FLYING BURRITO BROTHERSもそうですね。あのGRATEFUL DEADやTHE EVERLY BROTHERSもカントリーへと向わせたわけですから、THE BANDの『MUSIC FROM BIG PINK』と同じくらいTHE BYRDSやTHE DILLARDSの作品にはインパクトがあったのではと思います。 さてさてようやくですが、ここで紹介する彼らは元々はジャグ・バンドとして出発しており、よりポピュラーなフォーク・ソング等をやっていました。初期にはジャクソン・ブラウンが在籍していたことでも有名ですね。本作は彼らの5作目となります。 本作では先の長〜い前置きの例にもれず、カントリー、ブルーグラスをスタイルへと取り入れており、大ヒットしました。元MONKEESのマイク・ネスミスの曲『SOME OF SHELLY'S BLUES』が64位、ジェリー・ジェフ・ウォーカーの『MR. BOJANGLES』が9位、ケニー・ロギンスの『HOUSE AT POOH CORNER』が53位とシングルが立て続けにチャート入りしました。 ほとんどの曲がトラディショナルの改作、ケニー・ロギンスやマイク・ネスミス、ランディ・ニューマンなどのソングライターからの曲など、外部からの曲をやっていますが、そこは彼らのこと、うまい具合にアレンジしており、ひとつのサウンド・スタイルを作り上げています。 本作を聞いていると、まさにアメリカの田舎を擬似的に思い出させてくれます。もちろん言ったこともないし、テレビや映画でしか風景は見たことがありませんが、それでもアメリカ南部の日常生活にはこういったルーツ・ミュージックが不可欠であり、何処かの場末のバーでこんな音楽がいつも演奏されているのでは、という想像をしてしまいます。 |

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