レヴュー(プログレッシヴ)

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 ボズ・バレルに続き、イアン・ウォレスも亡くなりました。まだ60そこそこなだけに、残念です。こうしてクリムゾン人脈、しかも同一ラインナップに在籍していた人たちが立て続けに亡くなるというのは、何か因縁めいたものを感じます。

 本作は、クリムゾンの作品群の中でもかなり特殊な位置にある作品ですが、私も含めて意外と好きな作品に上げられることが多いようです。かなり特殊というのは、彼らの作品でもっとも本格的に室内楽を取り入れた楽曲を収録している点です。ライヴで演奏できる曲ではない曲を収録しているという点で非常に珍しい作品と言えます。

 またピート・シンフィールドが本作を持って脱退します。これは新ラインナップの性格やフィリップとの音楽性の違いが顕著になってきたからであり、これにより初期クリムゾンが内包していた叙情的な作風と決別することになります。

 彼らの作品の中でももっともクラシカルな、メロトロンではなく本物の弦楽器で演奏されるものが多いにも関わらず、新加入した3人がまったくもって肉体派であり、シンフィールド曰く、無知で教養のない連中だった点も、そのギャップが面白いですね。

 前ヴォーカリストであったゴードン・ハスケルもそうでしたが、新ヴォーカリストのボズ・バレルもかなりソフトなヴォーカルであったため、本作の曲調に合致していました。その中でも、よくベスト盤に収められることの多い『LADYS OF THE ROAD』はシンフィールドがクリムゾン的優等生な振る舞いではなく、行く先々でナンパを繰り返す3人に対して嫌味を込めて作詞した作品だそうですが、曲も3人のメンバーがちゃかすかのようにコミカルな演奏になって、シンフィールドの意図に対抗しているようです。

 そう考えると本作製作時におけるフィリップの存在って非常に薄かったなあというイメージですね。実際ライヴでもブルーズをまったく弾けないフィリップに対して、わざと他のメンバーが突然ブルーズ・インプロヴィゼーションを始めて、フィリップを笑いものにしたりしてましたからねぇ。

 そんな複雑な時期の作品ですが、特にアルバムB面に当たる『PRELUDE;SONG OF THE GULLS』〜『ISLANDS』の美しさ、はかなさは絶品です。

 BOZ、IAN・・・R.I.P.

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 プログレッシヴ・ロックに目覚めたというか興味を持ったのが、確か高校生の頃。レンタル店でいくつかのバンドを借りて聞いていました。その頃ワーナーのフォエバー・ヤング・シリーズでELPがリリースされるということで、こづかいを握り締めてCDを買いに買いに行ったのですが、なんせ情報不足だったので、作品第2番を2ndだと勘違いして購入、聞いて???となり、自分が思い描いていたプログレとぜんぜん違うものだったので、がっかりしながらもしばらくそれを聞き続け、ようやく今度は本作品を手に入れて、聞いたところ、衝撃的な内容に何度も何度も繰り返し聞いていた記憶があります。

 そんなELPにとって3作目にあたる本作ですが、当初はオリジナル・アルバムとしてリリースしたのではなく、廉価盤としてリリースされたようですね。どうもライヴでのみ演奏していたのが、海賊盤としてリリースされていて、それに業を煮やしたレーベル側がバンドを無理やり説得してリリースしたのが経緯のようですが、現在では彼らの代表作としても認識されています。

 この作品はプログレッシヴ・ロック=クラシック音楽との融合を分かりやすく示した格好の作品だと思います。すでにTHE MOODY BLUESなどがそのようなこともやっており、DEEP PURPLEもオーケストラとの競演を果たすなどロック・フィールドから果敢に他ジャンルとの融合を図っていた時代でしたが、一方クラッシックの素養のあったキース・エマーソンはTHE NICE時代からクラッシック音楽をたくみに自身の音楽に取り入れていました。

 演奏能力がTHE NICEと比べ物にならないぐらいにアップした新バンドでついにキースは自分の進むべき道を見出すことなり、よりクラッシック音楽を取り入れるようになっていきます。1stはまだ小手調べ的な作品で、続く2ndではバンドのイマジネーションが発揮された素晴らしい作品となりました。

 続く本作ではクラッシック音楽を素材として、彼らの想像性をさらに付け加えることで、まさに素晴らしい作品へと変貌していきました。これがライヴであるとはにわかに信じられないくらいの出来で、彼らの音楽性が驚異的であったことがうかがい知れます。

 そして本作が世に示されたことで、世界中、特に日本において、プログレ=クラッシック音楽との融合というイメージがついたのではないかと思います。サイケデリック・ロックでもカンタベリー、ジャズ・ロックでも電子音楽でもない、シンフォニック・ロックをエンターテイメント作品として提示したのが本作といえるでしょう。

 他の大物プログレ・バンドではこれほどクラッシック音楽を聴きやすいものとして提示することは不可能だったのではと思います。一番近いのがYESかもしれませんが、あのバンドはやはりジョン・アンダーソンのヴォーカルあってものですからね。

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 いわずとしれたYESの「危機」と並んでもっとも有名な作品となります。彼らにとっては4作目であり、前作までのオルガン奏者のトニー・ケイからシンセサイザー全般を使えるリック・ウェイクマンに交代してレコーディングされました。

 今回は音楽的なことよりも2種類のリマスターされたCDが手元にあるので、それの比較をしてみたいと思います。

 片方は2001年リリースのHDCDでデジタル・リマスタリングされたもの、もう一方は2003年にライノからデジタル・リマスタリングされてリリースされたものです。こちらはリマスタリング作業では有名なビル・イングロットとダン・ハーシュが作業を行っています。

 HDCDはPACIFIC MICROSONIC社で開発された高音質記録方式で通常のCDは16bitのところを20bitでサンプリングを行うことにより、16bitよりも高音質で再生されるというもの。これは通常のCDプレイヤーでも再生可能ですが、専用のデコーダーがあればもっとその効果を体験することが出来るようです。私は残念ながら通常の装置しか持っていないので、その効果を十分に引き出すことは不可能ですが、通常のシステムで聞いた感想を述べたいと思います。

 まずHDCDで記録されたCDですが、リマスタリング効果は残念ながらあまりよい方向には出ていない感じがします。いわゆるドンシャリ系の音で高音と低音が出すぎており、時にはひずみすら感じさせるので、時々耳障りに聞こえることがあります。いわば現代的な音といえるので、アナログの時代からこの作品を聞いてきた方にとってはちょっと違う音なんじゃないかと感じると思います。

 一方ライノからリリースされた方は非常にナチュラルなサウンドで、音の立体感を損ねないように丁寧にリマスタリングされているように聞こえます。ライノは昔から非常に丁寧な作業をする会社のため、マニアから人気があるのですが、今回もおそらくオリジナル・テープ及び1stプレスのLPを聞いて、当時の音の質感をしっかり把握した後に、マスタリングを行っていたのではという感じがします。

 正直この辺は個人の好みにもよるのでどちらが素晴らしいとはいいがたいのですが、個人的には後者に軍配を上げたいと思います。

 またライノ盤にはボーナス・トラックが収録されておりサイモン&ガーファンクルの『AMERICA』と『ROUNDABOUT』(EARLY ROUGH MIX)が収録されています。『AMERICA』は1972年にシングルとしてもリリースされており、本作と近い時期にレコーディングされていた理由で収録されてたと思います。ジョンとクリスはサイモン&ガーファンクルがお互いに好きだということでバンドを組み始めたので、この選曲はうなずけるものがあります。

 また『ROUNDABOUT』(EARLY ROUGH MIX)は初めてオフィシャル化された音源で、リリース版と聞き比べるのが非常に興味深かったです。このMIXは非常にヴォーカル及びコーラスが前面に出ており、バックの音が奥に引っ込んで、しかも平坦に聞こえます。この辺はレコード会社は初期の彼らをフォーク・ロック・バンドとして売り出したかったことと関係があるのと、ジョンの発言権が大きかったことが伺えます。またギターやシンセの定位が最終マスターと違うのも面白いです。

 かなりマニアックな話になってしまいましたが、名盤は手を変え品を変え次々とリリースされるので、こんな聞き方も可能なのかなと思います。

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 一応へザー3兄弟が中心となり、自らの楽曲を具現化するために製作された作品ではありますが、この作品はGENESIS加入前のスティーヴ・ハケットが在籍していたということで今では認識されているバンドとなっています。

 しかしそれだけで度々日本盤でリイシューさせるということはないでしょうから、本作には本作自体の魅力があるはずです。

 先に述べたように南アフリカ出身のへザー3兄弟がイギリスと南アフリカを行ったり来たりしている中で、この時代でいえば当然プログレッシヴ・ロック・ムーヴメントへとぶつかる訳で、彼らも実験的音楽におそらく興味を持ち、いくつかの楽曲を作り上げました。そしてそれを作品としてリリースしたくなるというのは当然の話で、へザー3兄弟中実際に演奏しているのはジョンだけであり、他の2人は作曲だけということになります。

 そこでGENESIS加入前で、初録音のスティーヴ・ハケットがプレイヤーとして召集されるのですが、GENESISでもじわじわと染みてくるような、決して派手なサウンドとは言い難い個性のため、本作においてもスティーヴの目のさめるようなプレイが聞けるっ!というわけではないと思います。

 朗読をはさんで楽曲がならんでおり、その辺は初期GENESISをほうふつとさせ、テーマとして人間の誕生から成長していく様をキリスト教的観念をコンセプチュアルに表現している様はまるでTHE MOODY BLUESのようでもあります。

 正直なところ楽曲に練りこみが足りないため魅力が足りず、歌詞についても着眼点は悪くないものの、ちょっと独りよがり的な部分のなきにしもあらずという感じもします。そしてとっちらかったような実験的なサウンドと、未消化な部分も目立ち、B級でしかありえないのですが、でもこれがイギリスの当時の先進的な音であり、作品であったことは間違いないでしょう。そしてそこにいとおしくも口惜しい微妙な感情を重ねることが出来、そんなところが彼らの魅力を感じてしまいます。それが我々日本人の感じるイギリスなる音であり、偉大なる大英帝国に対する憬れとコンプレックスが本作を魅力的なものへと押し上げているような気がします。(これは本作に限らず、当時の英国音楽全体に対してそんな感情を持つ日本人は多いのではないでしょうか。もちろん私もその1人ですが。)

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 元COLOSSEUMのジョン・ハイズマン率いるTEMPESTの2ndアルバムになります。COLOSSEUMではジャズ・ロック的なサウンドで勝負していましたが、60年代後半よりハード・ロック・ムーヴメントが勃発し、かなりの人気を集めるに至って、おそらくそのトレンドを意識したかたちでTEMPESTを立ち上げたと思われます。

 しかしジャズ的志向の強いアラン・ホールズワースをギタリストとして向かえた1stはストレートなサウンドを構築してはいましたが、ホールズワースには窮屈であったようで、1作のみで脱退してしまいます。そして迎えられたのが元PATTOのオリー・ハルソールでした。

 オープニング・ナンバーから前作とはがらりと変わったキャッチーなナンバーが飛び出し、少々戸惑いを覚えます。そして続く2曲目はBEATLESのカヴァー『PAPERBACK WRITER』はオリジナルよりスピード・アップし、まるでパンク・バンドのようです。その後のサウンドもカラフルに彩られており、1stにあったストレートな部分がかなり薄れています。それでも後半部分は従来のジャジーな部分など顔を覗かせます。

 これはおそらくハイズマンの売れ線志向が強まったことと、ハルソールの参加によるものでしょう。ハルソールは早速単独作3曲、ハイズマンとの共作1曲といきなりメイン・コンポーザーとして活躍しており、元々幅の広い音楽性を身につけていたハルソールが加入することで、必然的にこのようなサウンドになったのでしょう。
 
 元々それほど作曲能力が高いわけではないプレイヤー志向のホールズワースでは限界があったのでしょう(その辺はジェフ・ベックと似ていますね)。おそらく1stの時点で高い作曲能力を持つメンバーがいれば、ホールズワースの利点が働いて、より素晴らしい名盤が生まれた可能性があります。

 1stのサウンドの方がすっきりしているということもあるし、ホールズワースにはフレージングやトーンを作り出す能力は天才的なので、どちらの作品が素晴らしいとは一概には言えませんが。なのでリスナーの好みに委ねるのが一番だと思います。

 しかしラストの『TURN AROUND』でのハルソールのギターにはうなるしかありません。

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