レヴュー(パンク)

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]

イメージ 1

 現在も元気に活動しているポール・ウェラー。日本では特に90年代を通して非常に人気があった記憶があります。名作も連発していましたしね。

 そんなウェラーが初めて組んだバンドがTHE JAM。何処かで読んだ気がするのですが、ウェラーはかなり早い時期からミュージシャンなどで生計を立てることを考えており、定職についたことがないというこを聞いたことがあります。父親もマネージャーになるなど、家族共々熱心にウェラーを応援していたことになります。

 彼らを語る際に必ず出てくるキーワードがネオ・モッズですね。ジャケットを見ても判る通り、細めのスーツにネクタイ、ツンツンヘアーではなく、短く刈り込んだ髪は他のパンク・バンドとはビジュアルから一線を引いていました。当然THE WHOやSMALL FACES、モータウンをはじめとしたソウル、R&Bに傾倒しており、後のスタカンにも通じる音楽性をすでに持っていました。

 ウェラーのギター・スタイルもソリッドで切れ味が鋭く、ピート・タウンゼントからの影響は顕著ですが、よくよく聞き返してみると、THE PIRATESのミック・グリーンやDR.FEELGOODのウィルコ・ジョンソンにも通じるギター・スタイルともいえますね。彼らのサウンドにも絶対影響を受けているはずです。

 リック・バックラーの性急なバタバタしたリズムも彼らの初期のスタイルの特徴といえるのではないでしょうか。THE POLICEやSTRANGLERSなどすでにベテランであったバンド以外はやはり、性急なビートを叩いていたとしても、リズムがルーズに流れていますが、彼のドラムはあくまでもソリッドであり、切れ味鋭いウェラーのギターと相まって、非常にタイトなサウンドを形成しています。

 まだまだオリジナリティーを確立するにはいたってはいないものの、他のパンク・バンド達とは違って、偉大なる先輩達の作り上げてきたサウンドを真似ることで、少しずつ自分達のスタイルを形成していったということがわかります。そういう意味ではウェラーって純粋で素直なのかもしれませんね。それでもだいぶ初期から自分がやるべきことが解かっていたようで、自分の欲するサウンドをあくまでも追求していた感じがあります。だからこそ凡百のパンク・バンドからは頭ひとつ、いやふたつ以上抜け出していったのかもしれません。じゃなきゃあ、スタカンなんてバンド、組めないですよね〜。

イメージ 1

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/4d/dd/tntcmc/folder/915997/img_915997_43039563_0?20061217210009.jpg

 THE CLASHの記念すべき1stアルバム。本作にはまだドラムのトッパー・ヒードンは参加していません。THE CRASHもPISTOLSと同様、パンクの代表的なバンドであり、初っ端からメジャー・レーベルとの契約で、作品をリリースしています。よく言われるようなD.I.Y.精神はむしろ、スティッフ・レーベルや4ADやクリエーションなどパンクオリジネイター以降のバンドたちが実践していました。

 しかし本作で聞かれるサウンドはメジャー・レーベルとは思えないほどの音質の悪さで、リマスターされてかなり音質、音圧ともアップしたとはいえ、今聞いてもいい音とはいえません。でも逆にそれがパンクという感じがします。PISTOLSは音も一流のプロデューサーと製作したこともあり、かなり作為的な整合間のあるサウンドに仕上がっています。また初期ソングライターとしても活躍したグレン・マトロックはかなりBEATLESが好きだったということもあり、メロディアスな曲を書き、ポールのようなベースラインで演奏してます。

 歌詞の面でもまさに労働者階級の状況や不平、不満が炸裂したものであり、初々しい彼らのアティテュードが伺えます。のちにアメリカでビッグになるとはちょっと思えないほどの純粋さを感じることが出来ます。

 『WHITE RIOT(白い暴動)』ではイギリスで起きた黒人暴動の様子が語られていますが、差別されている黒人が自分たちの権利を主張している姿を見た彼らは、白人といえば勉強されられて、よい教育を受けていると思っているが、実は政府の都合のいいようにコントロールされているだけだと感じ、我々は表面上は優遇されているように見えるが、ひょっとしたら黒人よりも表現することをよくされているんじゃないかという考えを持ち、それを今こそ表現すべきときだと声高に叫んでいます。

 この後一気に音楽性を広げていき、80年代に入るとオーソドックスなロック・バンドへと変貌していく様はどことなくU2とだぶるところがあります。共に自分たちのアイディンティティを求め、そしてアメリカへと向かっていく様は共通点が多くあるような気がします。しかし当時のTHE CLASHは魂を売ったとして、本国イギリスからそっぽを向かれてしまうという苦悩を背負うことになってしまいます。そういった意味ではU2、ボノの方が戦略的に長けていたのかもしれません。

 とにもかくにもここにはロック・バンドとして君臨する前の、パンク・バンドとしての彼らの歩みが克明に記録されています。

イメージ 1

イメージ 2

 本作は、SEX PISTOLSを脱退したジョニー・ロットンが、ジョン・ライドンとして新たに結成したバンドの2NDになります。PISTOLSにおいてもその当時のロックを否定し、パンク・ロックを始めたわけですが、PISTOLS、そしてパンク・ムーヴメントをいち早く抜け出したライドンは、本バンドにおいても、またもやパンクすらも否定するような音楽性を持って、シーンに返り咲きました。

 本作において示されるのは、ライドンのロック(パンク・ロックも含む)じゃなけりゃ、何でもいいというスタンスでしょう。ロックでなければ、何でもいいというのは確かWIREのメンバーが言っていたせりふだった気がしますが。元CLASHでもあったキース・レヴィンの神経を逆なでするような金属的な音とフレーズを奏でるギターに、ダブ・サウンドをルーツとしたジャー・ウォーブルのベースは当時のシーンにとっては革新的であり、脱パンク、ポスト・パンクといった言葉がふさわしいサウンドになっています。またライドンのヴォーカルも、PISTOLS時代での何に対してでも噛み付いていくような外向きのエネルギーに満ちたものではなく、うちに秘めたような呪術的なヴォーカルへと変貌しており、ライドンのスタンスも劇的に変化しています。

 オリジナル・リリースでは、45回転盤3枚に分けて収録されたヴィニール盤を缶に入れるというなんとも斬新なアイデアであり、なぜ45回転盤かというと、純粋に33回転盤よりも音が良いというライドンのこだわりが伺えます。本当はオリジナルLPで聞きたいところですが、持っていないので、CDでしか聞いたことがありません。やはりLPの音はCDと比べ、劇的に良いという風に聞いているので、聞いてみたいものです。

 収録された音は先に述べたようなサウンドで、ミックスも非常にベース音を増幅させたダブ的なミックスになっています。これは当時レゲエを聴きまくっていたライドンだからこそでしょう。レゲエといえば、当時のパンク・ミュージックにとっては非常に大きな意味を持つサウンドであり、THE CLASHやTHE POLICEも積極的に取り入れてきました。しかしそれらはいずれもロック・フォーマットを崩すことなく、取り入れていたのに比べ、本作におけるそれはダブというフォーマットを借りた別のものでした。ライドンの呪術的なヴォーカルやサウンドも個人的にはJOY DIVISION、イアン・カーティスとも相通ずるものが見られると思います。

 今聞いても刺激的な作品ではありますが、不安定な気分の時に聞くと、よりいっそう気分が不安定になることは必死です。

イメージ 1

 最強の3ピース・バンド(CREAM、BBA、ジミヘンなど色々最強はありますが)のひとつ、THE POLICEのデヴュー・アルバム。パンク・ムーヴメントに乗り、デヴューはしたものの、実はプログレやジャズ等をこなしてきたベテラン・ミュージシャンの集まりであった彼らですが、ここで表現されている音はまぎれもなく攻撃的なロック・サウンドであり、彼らの意気込みが感じられます。

 しかしそうはいってもベテラン達の集まりだけに、若い連中がバンド始めるかって具合にやり始めたバンドとは違って、すでにそこには高いミュージシャン・シップが備わっていました。そこには沢山の打算的計算がすでになされており、彼らの一枚も二枚も上手の頭の良さが伺えます。

 デヴュー当初は4人で活動していたものの、シングル1枚のみでギターの1人を解雇し、3ピースで活動することとなりますが、それはおそらく技巧的に何の問題もない彼らがあえて空間的な隙間を作ることにより、パンク的なスカスカ感を感じさせようとしたことと、その隙間を利用することで自分達の演奏を最大限発揮でき、聴衆にアピールできるというエゴイスティックな考えが合わさってなされたことと思います。

 またレゲエ・サウンドの導入についても、THE CLASHが積極的にレゲエを取り入れており、またレゲエに対する純粋なリスペクトを表現していた彼らに対し、それをやすやすと消化し、THE POLICEの音楽として表現してしまうことで、THE CLASHのそんな思いすら超越してしまおうとしたしたたかさを感じます。

 スティングが書く歌詞についても『ROXANNE』は娼婦について、『CAN'T STAND LOSING YOU』は自殺について歌っている通り、他のパンク・バンドとは違って直情的な歌詞というよりも、人間のえぐい部分について表現しており、まるでルー・リードのような文学的表現をしている点で全く違うベクトルを持っていたといわざるを得ません。

 しかしそんなことを抜きにして、単純に音楽として聞いても、彼らの楽曲は非常に強力であり、キャッチーな魅力に溢れています。そしてスティングのシニカルで知的な存在感は女性を魅了したことでしょう。

 演奏面についても、スティングの甲高いヴォーカルにうねりまくるベースライン、アンディ・サマーズのコード・カッティングやエフェクター類を効果的に利用したサウンド、スチュワート・コープラントの細かいシンバル・ワーク等聞くべきものが沢山詰め込まれています。

 
 

開く トラックバック(1)

イメージ 1

 本作はいまや英国ポップの至宝ともいわれるXTCがリリースした1stアルバムになります。1975年頃からHELIUM KIDZとして活動をしており、キーボード奏者のバリュー・アンドリュースが加入するにあたり、XTCと改名し、「3D-EP」をリリースした後、本作をフルレンス・アルバムとしてリリースします。

 リリース当時イギリスではすでにパンク〜ニュー・ウェイヴ旋風が巻き起こっており、そんなさなかに彼らはデヴューしました。性急に刻み続けるドラムス、カッティングしまくるギター、シャウトするヴォーカルはまさにパンクであり、そんな中奇妙でチープなシンセ・サウンドが鳴り響き、聴くものを煙に巻くようなサウンドを作り出しています。それこそまさに奇妙で変態的なポップ職人アンディ・パートリッジの思う壺です。またところどころにレゲエ的なリズムが取り入れられており、同世代のTHE POLICEもレゲエ・サウンドを取り入れていましたが、そういった時代の流れもきっちり掴んでいるところがアンディの鋭い嗅覚を感じさせます。そういったある意味あざとさがパンクの流れに乗って出てきたバンド達とは違ったのでしょう。

 ここに収録されているボブ・ディランのカヴァー『ALL ALONG THE WATCHTOWER』は秀逸なカヴァーであり、特にコリン・ムールデリングのうねうねとうねりまくるベース・サウンドが印象的です。これほど人を食ったサウンドを作り上げながら『THIS IS POP』なんて皮肉っぽい曲を書いているあたりが憎たらしいですね。

 後にKING CRIMSONを解散させたロバート・フィリップがTHE LEAGUE OF GENTLEMANを結成するにあたり、XTCを脱退したバリー・アンドリュースを加入させたことを考えると、バリーのシンセ・サウンドが当時のムーヴメントの中でいかに刺激的であったのかがわかります。

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


.
tntcmc
tntcmc
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事