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父親を早くに亡くした女性のお話です。 お母さんも大病を患い、暫しの入院生活の末に他界したそうです。 その頃は彼女も成人し、仕事もしていた時分。 周囲に親戚や知人も多く、嘆き悲しむ彼女を随分支えてくれました。 中でも、彼女の今の旦那さんが出来た人で、当時は、付き合っている彼女の母親の死に際し 何かと手を貸し、骨折って助けてくれました。 お母さんは、女手一つで彼女を育て上げました。 苦労も多々あったでしょうが、辛い顔を彼女に見せたことがありません。 大した不自由も無く、大学まで出してくれました。 おかげで、今の旦那さんと知り合うことも出来たのです。 当然、親子の仲も良く、彼女にとってお母さんは、母であり、姉妹であり、親友でした。 でも、一度だけ、お母さんを泣かせた事があるのを、彼女は悔やんでいました。 遊びを覚え始めた頃、背伸びして、生まれて初めて朝帰りをした日。 寝ずに待っていたお母さんと喧嘩をしました。 咎めるお母さんに、「もう子供じゃないんだから、放っといてよ!!」と言い放ってしまった。 お母さんはそれ以上何も言わず、ただ大粒の涙を流していました。 お母さんの涙を見たのは、後にも先にもそれ一度きりです。 彼と二人で遺品の整理をしながら、そんな話をとつとつと語っていると、彼が言いました。 「実はさ、お母さんが亡くなった晩、夢にお母さんが出てきたんだよね…。 お母さんさ、子供の君を膝に抱きながら、童話を読み聞かせる様に君に語りかけていたよ。 こんな風に…。」 『おおきくなっても わすれないでね おおきくなったら 何になりたいってきいたとき あなたは さんびきのこぶたになりたいって いったことを おおきくなっても わすれないでね おおきくなったら 何になりたいってきいたとき あなたは おうちつくりやさんになりたいって いったことを おおきくなっても わすれないでね おおきくなったら 何になりたいってきいたとき あなたは おかしつくりやさんになりたいって いったことを おおきくなっても わすれないでね おおきくなったら 何になりたいってきいたとき あなたは お母さんみたいになりたいって いったことを おおきくなっても わすれないでね おおきくなっても わすれないでね…』 ああ、私は小さいとき、そんな事をいっていたなあ…。 彼女は、涙が溢れ出るのを、止めませんでした。 今の、彼女のお仕事は、菓子職人になった旦那さんと一緒に営む、町の小さなケーキ屋さんです。 「さんびきのこぶた」にも「おうちつくりやさん」にも成れなかったけど、 「おかしつくりやさん」には成れたわ、と彼女は笑います。 ―いえ、もう一つ彼女が成れたものがあります。 それは、3人のお子さんの、立派なお母さんです。 かみさんの友人のお話でした。 |

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泣けた。素直に泣けたわ。
母の愛は深し。
2008/3/5(水) 午後 5:01
いい話やぁ〜〜!!ほんと母の愛は深しですね!!by旦那
2008/3/5(水) 午後 6:59
ゴロウさん、旦那さん、父の愛の話もありますので、そのうち記事にします。
2008/3/6(木) 午前 11:56
心に染みるお話ですね。
2011/7/23(土) 午後 4:08 [ ぱっと ]