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しかし、この事件、報道する媒体によって目撃の年月日が違っており(カーターの報告書では1969年10月となっ
ている)、それに伴って目撃当時のカーターの肩書きも「ジョージア州知事」だったり「大統領候補」だったりして
ややこしい。
懐疑的な分析で知られるUFO研究家ロバート・シェイファーは、リアリーのライオンズクラブで記録を調べまし
た。そして、クラブに提出された会議の報告書から、カーター氏がリアリーのライオンズクラブで演説したのは
1969年1月6日(月)だと特定しました。
(しかも1969年10月以前に、リアリーのライオンズクラブが解散している事も突き止めました。よって、カーター氏
の報告書にある1969年10月にリアリーでライオンズクラブの会合が行われる事はあり得なかったのです。前述
のとおり、報告書は事件から数年経って提出されているので、カーターの記憶違いだったのでしょう。ちなみに、
カーター氏がジョージア州知事になったのは1971年ですから、事件当時は知事ではなく州議会議員でした。)
そこから、シェイファーは「UFOの正体」に一気に近づきました。
シェイファーらは、カーター氏と一緒にUFOを見たとされる人々を訪ね歩き、インタビューして回りました。
その結果、殆どの人はその夜のUFOなどは憶えていないと言う事実が判明したのです。
市長だったスタンレーシェパード氏は「問題の夜に会合に出席したが、『空飛ぶ円盤』の類は誰も憶えていない。
カーター氏のスピーチが退屈だったのは憶えてるがね」と証言。
調べていくと、リアリー・ライオンズクラブ会長だったフレッドハート氏だけがカーター氏と共に光を見ているのみ
だったのです。しかもフレッドハート氏はそれは観測用の気球だろうと思い、あまり強い印象を受けなかったと証
言しております。
つまり、「大勢の同時目撃者」などは存在しなかったのですが、調査を受けた人達は「そんなものは見てい
ない」とは言わず、「そんなものは憶えていない」と証言しているのがミソなのです。
見たかもしれないが、憶えてない。フレッドハート氏がその光に強い印象を受けなかったのと同様、もし光を目撃
した人が他にいても、そんなものは騒ぐ程でもない「取るに足りない」「ありきたりのもの」だったので、記憶に残ら
なかったのです。
では、カーター氏が見たのは何なのか?
一番可能性が高いのが金星です。
(↓)事件当時の現場周辺の空。(お星様とコンピュータより)
また惑星の誤認かよ…とお思いいなるかもしれませんが、カーター氏がUFOを見たどんぴしゃりの場所に金星
が輝いていたんだから仕方がない。
問題の夜に、金星を見た人は大勢いたかもしれませんが、それはあくまで金星であって、「取るに足りない」「あり
きたりのもの」だったので、記憶に残ってなかったのです。
金星
金星が、しばしばUFOと誤認されるのはご存知の通りです。
訓練されたパイロットや科学者、UFO出現の通報を受けて駆けつける警官も、金星をUFOと見間違えます。
一例をご紹介しましょう。 カーター氏UFO目撃の2年前、1967年10月には、同じジョージア州のミリッジビルを中心に11もの郡に属する大
勢の警官、森林パトロールの飛行機パイロットらが足掛け4日に渡り、UFOを追い掛け回しUFOに追い掛け回さ
れるという事件がありました。そのUFOも赤やオレンジ、白など色を変化させる光だったのですが、コロラド大学
(コンドン委員会ですな)の調査によって、そのUFOの正体は金星だったと判明しました。この時の金星は-4.2等
星の明るさでした。
UFOを追いかけたパイロットは、金星説を説明されると、ほぼ納得したそうです。
蛇足ですが、金星があんなに明るいのは、地球より太陽に近いので地球の倍ほどの太陽光を浴びており、しか
も金星を覆う雲の反射率がこれも地球の倍くらい高い為だそうです。より多く降注ぐ太陽光線をより多く反射し、
しかも地球に比較的近いので、地球から見ると最大光度-4.87等の輝きを放つのです(この明るさは、1等星の約
170倍にもなります)。
金星が最も明るく輝く時期には、金星の光による影ができることがあるほどです。しかも地球より内側を公転する
ので、明け方か夕暮れ時しか見えず、その時間帯は他の星は太陽光に隠れて見えづらいので、ひときわ大きく
目立つのです。
でも、金星が緑や青、白、赤に色を変える事などありうるのか??? ―それがまた、あり得るのです。
金星に限らず、シリウス(-1.5等。太陽を除く恒星で最も明るく見える星。それでも光度は金星の20分の1…)み
たいな明るい星が赤白青…と目まぐるしく色を変える事は良くあります。これは、大気のゆらぎの中を光が通過
する時、屈折率の違いによって色が変化する為です。(私も何度か見た事がありますが、確かにUFOッぽいった
らありゃしません)。
(↓)宵の明星。カーター氏の目撃した「UFO」もこんな感じだったのでは?
ちなみに、カーター氏と共に「UFO」を見たフレッドハート氏も、金星説を説明されるとそれに同意しました。
カーターの見解
2007年のインタビューでカーター氏は、「自分が目撃したものは金星だとは思っていない。また、科学者として
(若かりし頃のカーター氏は、原子力潜水艦開発プログラムの担当者になるほどの核技術者だった)は、エイリ
アン・クラフトだとも思っていない。恐らく近くの空軍基地の軍用機だろう」と述べております。
そもそもカーター氏自身も、自分の見たものが宇宙人の乗り物だとは思っていなかったのです。
大統領選挙で隠蔽されているUFO情報公開の公約を掲げたとされるのは、カーターの以下のコメントを指してい
るのでしょうか。
”One thing's for sure, I'll never make fun of people who say they've seen unidentified objects in the sky. If I become President, I'll make every piece of information this country has about UFO sightings available to the public and the scientists.”
大雑把に訳すと、「私は、空に未確認の物体を見たと言う人々を決して笑いものにしません。 私が大統領になっ
たら、この国がUFOの目撃に関して持っているあらゆる情報を、人々と科学者が利用できるようにするつもりで
す」と言った感じ。別に、国家が隠蔽しているUFOの事実を暴くとか、UFOは宇宙人の乗り物である証拠を開示
すると言っている訳ではありません。しかもこのコメントは新聞記者との懇談の中で出たものらしく、選挙戦で公
約として掲げられたものではなかったようです。
こんな事を言ったのは、自分もヘンなものを見たから、同じ様なモノを見た人達に自分が見たのは何だったのか
知る手立てを与るべきだと思ったのかもしれません。
ちなみに、大統領退任後にカーター氏は「CIAがUFO情報の提供を拒否したという噂は真実ではなく、地球外生
命体の訪問を政府がもみ消しているという事もなかった」とコメントしました。
正直者で知られるカーター氏の証言ですから、ここは一つその言葉を信じる事に致しましょう…。
(おわり)
本文に関係ないので、ちょっと控えめに…
スリーマイル島事故の時に大統領だったカーター氏は、専門家として事の重大性を素早く認識し、NRC(アメリカ
原子力規制委員会)の原子炉規制部長ハロルド・デントンを事故処理責任者に任命すると共に全権限を与えま
した。現場にはホワイトハウス・知事・NRCに繋がるホットラインが敷かれ、様々な困難に対応し事故を収束させ
ました。デントンが緊急で必要な資材を提供するよう軍に依頼した時、軍の担当者に「ここにサインを。それから
この書類にも…」と回りくどい手続きを要求され、「許可が必要なら、今すぐこの電話番号にかけろ」とホワイトハ
ウスの番号を叩きつけ、ホワイトハウスは「では、国防長官から君に直接電話させよう」と言って軍担当者を納得
させ、そして翌朝には必要な資材が全て届いたとの逸話があります。
デントンは、「ホワイトハウスに電話するときに交換台を通した事は一回もなかった」と懐述し、官僚主義を排除し
た大統領との連係プレイで原子力災害を最小限の被害で食い止めた事を示唆しました。1952年にカナダで発
生した冷却水漏れ事故に対処した経験を持つカーター。「大統領の深い関与が、問題解決の力となった」とデ
ントンは振り返りました。
―だから何だと言う訳ではありませんが。 参考
『UFO学入門』(皆神龍太郎著・楽工社) 読売新聞2011/4/12
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まぁ科学的&オッカムのカミソリ論的に言えば、見間違いや思い込みの類だったのかもしれませんが、実際に見た人の記憶を覗けでもしない限り実際のところはどうなの分かりませんよね〜^^;
それにしても画像表示が出ていないのが多くなってきているようなw
2011/4/22(金) 午後 8:46 [ リットリオ ]
リットリオ さん、実は将来の大統領を観光宇宙人が見に来たと言うのがホントところかと。宇宙人の中にもジュセちゃんみたいなのがいて、「ジョージアのピーナッツ畑から大統領が誕生する」とか何とか言ったのでしょう。
しかし、画像が出ないのは何故なんでしょうか???
2011/4/22(金) 午後 10:36