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ニュージャージー州モリスタウン。
2009年1月5日午後8:15から9:00頃にかけて、モリスタウン周辺の上空を飛行する奇妙な光の編隊が、多くの市
民によって目撃されました。
警察署には通報の電話が殺到。警察は航空機への障害を危惧してモリス空港に警告を発しました。
モリス空港の職員もUFO編隊を目撃しておりましたが、それが何であるのかは判断できず、レーダーでUFO編隊
を探知しようと試みるも、捉える事はできませんでした。
その間にも目撃者は続々と増え、幾つもの写真や動画が撮影されました。
動画につけられた撮影者のコメント
「これらは私が2009年1月5日月曜日にニュージャージーで見た光です。 撮影したのはモリスタウンの近くで、時刻は8:30位でした。 友人と私は、最初、飛行機だと思いましたが、数分後にはそうではないと考えるようになりました。 編隊は急角度で上昇、下降してしていました。 編隊は数分間漂い、突然方向を変えました。 それは風で流されたのではありません。 そしてとても高く上昇し、見えなくなりました。…」
多くの同時目撃者が存在し、証拠となる画像も多数残っている。
こんな美味しいネタを、マスコミが放っておく訳がありません。
モリスタウンでのUFO集団目撃事件は、地元メディアだけではなく、Fox NewsやCBS Newsなどの大手メディ
アでも大きく報道され、全米に知れ渡りました。
目撃者はモリスタウン、ハノーバー、モリスプレインズ、マディソン、フローラムパークに集中していました。
モリスタウンに住むジョー・ルディとクリス・ラッソは、車の運転中に撮影したUFO編隊の動画をYouTubeなどにア
ップ(冒頭の動画)し、『ニュース12ニュージャージ』のインタビューを受けました。
これが呼び水になり、各メディアに数々の目撃証言が寄せられるようになりました。その中には医師やパイロット
など、社会的地位や信用を持つ人の証言も多く含まれていました。
デイリーレコード紙のインタビューを受けたモリスタウンのトム・ベンダー氏は「L字型の編隊を目撃した。とても人
工物に見えなかった」と証言。
ハノーバーの保健担当官ジョージ・V・オーディンは、午後8:38頃マディソンで犬の散歩をしている最中にUFO編
隊を目撃。「3つの光は編隊を保ったまま高速で移動しており、風向に逆行しているように見えた。3つが別々の
方向に動く事もあった。あれが何なのか、私には判らない」と話しました。
同じくハノーバーに住むポール・ハーリー一家は、自宅でUFO編隊を目撃しました。最初に気付いたのは11歳の
クリスティンでした。ポールは職業がパイロットだったためか、Foxなどのニュースショーに度々呼ばれ、「あれは
航空機ではなかった。私は20年も航空業界で働いているが、あのようなものは見た事がない」と証言しました。
(←)TV出演中のハーリー夫妻。(嬉しそう。)
その後も度々UFOが目撃され、2月に入っても目撃情報は途絶えませんでした。
最大のイベントは2月17日の夜でした。9つの光が編隊を組んで飛行しているのが多くの市民に目撃されたので
す。各地の警察に電話が殺到する中、モリス空港のトラフィックコントロールも高度2,500フィート(約760m)を
飛行するUFO編隊を発見。連邦航空局は、ニューアーク・リバティー空港の発着便に影響する事を懸念し、事態
は郡検察、州警察、国土安全保障省を巻き込む大騒動に発展していきました。そして、その夜を最後に、ぱった
りとUFO編隊は現われなくなりました。 『ヒストリーチャンネル』では1週間続けてこの事件を特集し、UFO雑誌を出版している専門家も「これらは決して
照明弾やバルーンの見間違いなどではない」と断言しました。
―と言う訳で、それなりに全米を騒がせた(らしい)UFO集団目撃事件です。
UFOビリーバー団体が狂喜したであろう事は想像に難くありません。
しかし、そこはそれ、ねちっこい懐疑主義者が念仏寺のお地蔵さんほどもいるアメリカの事、事件当初から様々
な説が出されました。
〇ヘリコプターや飛行船。
〇軍の秘密プロジェクト。
〇赤い発炎筒をつけたヘリウム風船。(警察の意見だが、目撃者たちの同意は得られなかったようです。)
〇飛行機。…と言う意見ももちろん多かったのですが、取材を受けた全米UFO情報センター (National UFO Reporting Center)代表のピーター・ダベンポートは「飛行機の赤いライトは左翼端一箇所だけであり、この光が飛行機だとは思えない」とコメントしました。
〇お祝いの時に空に揚げる「スカイランタン」(孔明灯みたいなものか?)。
しかし、否定派・懐疑派にも決定的証拠はない。
UFOビリーバーは遂にUFOの存在が明らかになったと騒ぎ立てる。
そんなこんなしているうちに、3月が終わっていきました。
4月1日、この事件は思わぬ幕切れを迎えました。
UFO懐疑派のサイト『eSkeptic(2009/4/1)』で、2人の若者が「UFO編隊は、我々がでっち上
げたイタズラでした」 と暴露したのです。
その2人とは、YouTubeにUFO編隊の動画をあげ、ニュースのインタビューも受けていた、前出のジョー・ルディと
クリス・ラッソでした。
大騒ぎしていたビリーバーも、否定派も、懐疑派も、これには皆ひっくりこけました。
(←)ジョー・ルディとクリス・ラッソ
ジョー・ルディー=ニュージャージー州モントクレア州立大卒。科学教師であり、クラッシック演奏家でもある。ニュージャージー州チェスター在住。
クリス・ラッソ=ペンシルバニア州ゲティスバーグ大で経営経済学の学位取得。モデル・俳優。モリスブレーンズ在住。
しかも、彼らの行為はただのイタズラではなかったのです。
彼らは、最初から4月1日に真相を暴露するよう用意周到に計画し、”犯行”の模様の一部始終をビデオに録画し
ていたのです。
1月5日から始まって、26日、29日、2月7日、17日の計5回に渡り、彼らは赤く燃える発煙灯(フレア)をぶら下げた
幾つものヘリウム風船をニュージャージーの夜空に飛ばしました。(警察の見立ては正しかったんですね〜。)
その模様は、ビデオ画像に克明に残されております。(巻末参照)
(←)使用した発煙灯(フレア)。
さてさて。何故、何の為に、ジョー・ルディとクリス・ラッソはこんな手の込んだイタズラをしたのか。
―実は、彼らはUFO懐疑論者だったのです。
彼らは、「どれだけの人が不合理な迷信に興味を持っているか」、「UFO専門家がいかに信頼できない連中であ
るか」、「ケーブルネットワークがどれほどのナンセンスな情報を流しているか」などを実証する為に、このイタズ
ラを計画・実行したのです。
ちなみに、彼らは事前にこの計画の概要を文書にして保存していました。ビリーバーから「真実を隠蔽する陰謀
だ」と言われるのを避けるための方策まで考えていたのです。
実は、モリスタウンでは1947年(ロズウェル事件の起きた年)にもUFOが目撃・撮影されており、ジョー・ルディと
クリス・ラッソはこれを元ネタにしたのではないかと思います。
『eSkeptic』での声明文を、ジョー・ルディとクリス・ラッソはこう締めくくっています。
後日談。
4月7日、治安紊乱を行ったとしてジョー・ルディとクリス・ラッソは250ドルの罰金と50時間の社会奉仕活動を科せ
られました。
そのまた後日談。
7月18日ジョー・ルディとクリス・ラッソはMUFON(全米最大のUO研究団体)の調査官との「UFOの存在」に関す
るディベートに打ち勝っちゃったりしております。
TOの感想。
やるなぁ、こいつら!!天晴れだ!!
(参考) Putorius「モリスタウンのUFO騒動」 Wikipedia(英語版)「Morristown UFO hoax」 The reveal of the hoax in eSkeptic Newsweek「The Great UFO Hoax of 2009」 eSkeptic. Skeptics Society. 2009-04-01.
【特別付録 連中のイタズラの一部始終】英語が良くわからなくても、臨場感溢れていて面白いです!!
(いけしゃあしゃあとインタビューに答える2人の姿が笑える。)
それにしても、ポールさんはTVに出すぎ〜!!
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同感です。あらゆるオカルト現象は、肯定するにせよ否定するにせよ実証実験をしなければいけません。こやつらは見事にやってくれやがったんで文句のつけようがありません。ギャフン!
2014/8/11(月) 午前 11:48 [ あやしい ]
あやしいさん、全てのUFO事象に対するアンチテーゼですね〜、コレ。
よくやったと思います。
2014/8/13(水) 午後 5:47