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久々の新ネタ入荷です。ある人から今日聞いた話です。語り手は、仮にOさんとしておきます。
Oさんが通うオフィスは、そのビルの最上階、15階にあります。
まあ、最近のオフィスビルなんてどこもそうですが、結構セキュリティーが厳しいそうで、警備員が10人近く常駐
し、四六時中フロアを巡回しているとか。
また、日中は大丈夫なのですが、夜8時を過ぎると、フロアのあちこちのドアがロックされ、セキュリティーカード
が無ければフロアから出る事すら出来なくなるとか。ビル自体は築年数が経っているのですが、Oさんが中途入
社した一昨年、そのちょっと前にその様なシステムが設置されたそうです。
先日、残業で遅くなったOさんが、オフィスから出た時は、もう午後10時をまわっていたそうです。
ふと見ると、廊下をエレベーターホールに向って歩く、警備員の後姿がありました。
例の、節電の為、廊下の蛍光灯は飛びに飛びに抜かれており、薄暗い。
その、ほの暗い廊下を、薄い緑色の制服を着た警備員は、すたすたと歩いていきます。
Oさんはその後を、10mほどの間隔をもって歩いていました。
廊下の先には、ロックのかかったドアがあります。その向こうがエレベーターホールです。
Oさんに先んじてドアに突き当たった警備員は、がちゃ、と開けたドアを通り抜け、がちゃんと閉めました。
(あれ、今あの人、カードをピッとやらなかったな?ロックがかかってないのかな?)
Oさんはそう思いました。
本来、ロックを解くには、壁に後付けされた非接触式のリーダーにカードをかざさなくてはなりません。
それは、警備員でも誰でも同じ事なのです。しかし、今しがたの警備員はそれをせずドアを開けたのでした。
Oさんは、試しに、ドアノブをまわしましたが、やっぱりロックがかかっています。
Oさんはちょっと不審に思いました。
(警備員だけ、カード不要になったのかな?―しかし、どうすればそんな事が出来るんだろう?)
機械の原理として、そんな事が可能なのかどうか、Oさんには良く判りません。
不審に思ったと言ってもその程度なのですが、そう言えば、もう一つ、不審と言うか、引っ掛かる点がありました。
(いつから、警備員の制服が緑になったんだろう?)
そのビルの警備員は皆、青い制服を着用しているのです。さっき、1時間ほど前に、廊下にコツコツと足音を響か
せながら巡回してきた馴染みの警備員も、いつもの青い制服を着て、「Oさん、今日は遅いですね、ご苦労様で
す」と声をかけてきたものです。
(そう言えば、今の警備員は、誰なんだろう?)
Oさんはそう思い当たりました。ビルの警備員は、皆顔なじみです。2年もいれば、後姿を見ただけで、ああ、あの
人だとわかります。しかし、さっきの警備員には見覚えが無い。やや猫背で、早足気味に歩き、髪の毛はかなり
白いものが混じっていた。―そんな警備員には覚えがなのです。
(…そうか、たぶん、警備会社の本社か何かから、視察と言うか、査察とかに来た人なんだろう。だから、制服が
違ったんだ。)
4基あるエレベーターは皆1階に降りていたので、Oさんの居る15階まで来るのにやや時間がかかります。やはり
節電の為、薄暗くなったホールで、昇ってくるエレベーターを待ちながら、Oさんはそんな風に推論しました。
乗り込んだエレベータの中でも、しかし、Oさんには若干の違和感が残っていました。
自分でも、何がそんなにしっくりこないのか、判りませんが。
それが、階数表示が減るにつれ、段々と、その違和感の源が頭の中で形になってきました。
エレベーターは、全部1階にあった。
さっきの警備員がエレベーターで他の階に移動したなら、少なくとも1基は下へ動いていた筈だ。警備員と自分
がエレベーターホールに入った間隔を考えれば、その間に1階まで下りたとは考えられない。なにせ、警備員の
10何秒が後に、自分はエレベーターホールに入ったんだから。例え、警備員がエレベーターホールに入った時
に、エレベーターがあの階にいたとしても、10何秒では1階まで下りられない。
では、あの警備員は階段を使ったのか?いやそれも有り得ない。広いエレベーターホールの隅に階段へのドア
があるが、そこに向ったのなら、後姿があったはずだ。仮に走って行ったとしても、ドアを開け閉めする音は聞こ
える筈だ。それに、走っていったのなら足音も…
足音?足音…。 エレベーターの照明も間引かれ、薄暮の中に居るようです。
―さっき、廊下で、あの警備員の、足音は、していなかった…!!
そのビルの警備員は、いかにも頑丈そうな、安全靴みたいな革靴を履いているので、廊下を歩くとコツコツと、高
い足音を立てるのが常でした。その足音で、夜などは、ああ、警備員さんが来たと判るのです。しかし、先ほどの
警備員は、全く無音で自分の前を歩いていた…。
ただでさえ、薄暗く感じるエレベーターの照明が、一気に暗くなったような気がしました。
いや、何か、俺の気付かない、後から聞いたら、なぁんだそうだったのかと言う様な、そんな事なんだろう。
カードを使わずドアを開けたり、見慣れない制服を着ていたり、見慣れない人だったり、足音が…。
そんな、いる訳ないし。ゆう…なんて。今で、見た事もないし、ゆう…なんて。
しかし…しかし…。あの警備員は、何処に行ったんだろう…?
巨大なビルの中、深夜に、一人でエレベーターに乗るOさんは無性に心細くなりました。いや、正直、無茶苦茶怖
かったと、Oさんはそう言っております。
さて、Oさんを乗せたエレベーターはようやく1階に到着し、ドアがすうううと開きました。
エントランスの、大きな自動ドアはもうスイッチが切られ、施錠されております。
よって、Oさんは通用口から出ることになります。遠回りは遠回りなのですが、通用口の手前には警備員室があ
るので、そこで、人に会える。ほっとした気持ちになったそうです。
エントランスの照明は、非常灯を残して、消されております。真っ暗、と言っていいほどです。
疲れてるし、夜中だし、神経過敏になってるんだな、俺は。
良く考えれば、カードだってかざしてたかもしてないし、足音だってしてたかもしれないし…。
そう思いながら、やはり非常灯のみがぼんやりと照らす、通用口に向う廊下に入ると。
いた。あの警備員が。向こう向きで、やや猫背の背中を見せて。
じっと、立っている。
息を呑むOさんの目の前で、警備員の姿はゆらりゆらりとタバコの煙の様にうごめいたと思ったら、すい と掻き
消えたそうです。
私も、色々な方から幽霊の目撃譚を聞いてきたのですが、多くはこのような場合、わーとかぎゃーとか悲鳴をあ
げる事も無く、淡々と、要は今自分の目の前で発生した事象を理解・解釈しようとして、一見冷静に、しかし心臓
はバクバク鼓動し、鳥肌ぞわわ、―と、そんな感じになるようです。男性に、特にその傾向が強い。
その場のOさんも、まさにそうだったらしく、自分でも何でこんなに普通なんだろう、無茶苦茶怖いのに、と思いな
がら、警備員室に「お疲れ様」と声を掛け、同じく声を掛けられ、ビルを出て、駅に向ったそうです。
そして、いわゆる後日談なのですが。
やはり、気になるOさんは、翌日、馴染みの警備員さんに聞いたそうです。
「昨夜、何か、薄い緑の服の警備員さんがいたんだけど」
すると、馴染みの警備員さんはこう言ったそうです。はいはいはい、と言った表情で。
「ああ、昨夜、Oさん会ったんでしょ?顔見て判りましたよ」
「は?」
「斉藤さん(仮名)ですよ。以前の、ここの主任さんです」
「…斉藤…さん…?」
「ええ。何年か前、亡くなりましたがね〜。夜間の警備中に、心臓発作で。定年も近かったのに。Oさん、ここ来て
まだ1〜2年だからご存知ないでしょう?」
「―じゃ、じゃあ???」
「幽霊、てんですかね。斉藤さん、命日になると、出てくるんですよ。毎年。以前の制服のままでねぇ。ええ、昨日
が斉藤さんの命日でね…」
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あっ命日だったんですね
襲ってくるヤツとかじゃなくてまだ良かったです
でもやっぱりそうゆうオフィスで働きたくないな〜
5時に退社すればそうゆうのに会わなくて済むんですけどね
2011/6/5(日) 午前 1:42
仕事熱心というか律儀というか。
なんか、ホッとする目撃談ですね☆
しかしこの場合、お疲れ様、とか声を掛けない方がいいのかもしれませんね。
振り返られると・・・もしかして一緒に・・・・・( ̄▽ ̄;)。。。
2011/6/5(日) 午前 8:08
知り合いの霊ならやっぱ怖くないんだなぁ。
2011/6/6(月) 午後 2:39 [ クリリン ]
悟さん、5時に帰れる仕事に憧れます。
2011/6/6(月) 午後 8:16
かっちゃんさん、警備員さんが幽霊に遭う話は聞きますが、警備員さんの幽霊に遭う話って、珍しいと思います。
振り返られたら、一生トラウマになりそうですが…。
2011/6/6(月) 午後 8:18
クリリンさん、そうですね。どの程度の知り合いまでなら怖くないんだろう?
2011/6/6(月) 午後 8:19
TOさん、こんばんは。
よろしかったら聞いて下さい。もし、題をつけるとするなら・・・
「真夜中の訪問者 VS 日本刀」
深夜二時過ぎ、ドアが開きます・・・。
ひたっ・・・、ひたっ・・・、ひたっ・・・、
「またか・・・」
次の瞬間、
「どん!どん!どん!」
横を向いて寝ている私の背中を、何者かが激しく叩きます・・・。
最初は、軽い「金縛り」でしたが、腕を強くにぎったり、背中を激しく叩いたり、だんだんエスカレートして行きます。
そしてある夜、
「がん!がん!がん!」
ドアを激しく叩きだしました。これにはさすがに驚いて飛び起きました。
「いい加減にしてくれないかな〜、こっちは寝不足だよ!」
身内や知人に話しても、「錯覚」、「レム睡眠」と言って取り合ってくれません。
そんなある日、知人から「店開いたから、遊びにおいで。」とお誘いがありました。私の職場の近く、歩いて5分、「刀剣○○」。
昼休み、ふらっと遊びに行きました。
「いらっしゃい。○〇さんから聞いてますよ。」
(続きます。)
2011/6/15(水) 午後 10:30 [ のりちゃん ]
のりちゃんさん、続きを期待しながら飲んでます!!
2011/6/15(水) 午後 10:49
(続きです。)
その方は、知人○○さんから依頼され、店を任されている店長。
温厚な老紳士。実は居合の達人。
「何本か見せて下さい。」
すると金庫から、大小あわせて4本取り出し、私の眼の前に。
以前から興味はあったのですが、購入しようとまでは思っていませんでした・・・が・・・
その中に、非常に美しい「脇差」があります。
一目惚れです。
「店長、これ、おいくらですか?」
なんとか手の届く金額でした。
「やはり、「縁」ですかね〜」
店長はおもむろに、目釘をはずし、「なかご」を見せてくれました。
「豊後住△△」
△△・・・、珍しいと言われる私の「姓」と全く同じ「銘」が彫られている。
その週の日曜日に、貯金をはたき購入。帰宅し、早速お手入れ。
目の錯覚なのですが、鞘から出すと、刀身が異様に長く見える。
(続きます。)
2011/6/15(水) 午後 11:00 [ のりちゃん ]
(続きです。)
登録手続きのための書類を、管轄する教育委員会に郵送したその日の夜、早速、やって来ました・・・招かれざる訪問者が・・・
ドアが開きます・・・
ひたっ・・・、ひたっ・・・、ひたっ・・・、
・・・「うぎいっ!!」
初めて悲鳴を聞きました。
ちょうど脇差を置いている部屋の前に「足音」がさしかかった瞬間です。
やっぱり夢かな?そう思いながら起床し、「日本刀の間」(笑)に。
「あれっ?」
刀袋の口を結ぶヒモが緩んでいました・・・。
それ以来、真夜中、訪問する方は誰一人いません。
このコメを読まれた方は「夢!」、「錯覚!」と言うかもしれません。
確かに夢かもしれません。
ですが、一つだけたしかなこと、それは「脇差」を購入してから「安眠」できていると言うことです(笑)。
長文、失礼しました。
2011/6/15(水) 午後 11:34 [ のりちゃん ]
のりちゃんさん、その脇差の元の所有者はよほどの練達だったのでしょう。私、記事にしませんでしたが、日本刀にまつわる話を調べたのですが、どうやら刀には所有者の念が宿りやすいみたいです。
2011/6/21(火) 午後 10:22
のりちゃんさん、書き忘れて失礼しましたなのですが、「コメ怖」に載せさせて頂きます!!
2011/6/21(火) 午後 10:23
TOさん、お仕事ご苦労様です。
コメントを拝見させて頂き、購入の際、店長から言われた一言を思い出します。
「大切にして欲しいが、あまり「執着」しないように・・・」
TOさんの仰るよう、私がこの世を去った後も存在し続ける「刀」に変な念を残すなと言う意味だと思います。
実は昨日、刀剣店店長に「悪い」刀は存在するのか?と言う質問をしました。
答えは「Yes」です。
店長は、かなりの数の日本刀を見てきたそうです。
中には、刀身が微妙に歪んでいたり、大きな刃こぼれを隠すため多く砥いだりしているものがあるそうですが、これは「使用された」証になり、このようなものは絶対に仕入れないそうです。
しかし、使用された形跡のない綺麗なものでも、見ているだけで気味悪さ、嫌悪感を感じるものがあるのも事実だそうです。
(すみません、もう少し続けさせてください。)
2011/6/22(水) 午前 0:11 [ のりちゃん ]
のりちゃんさん、お待ちしてますよ〜。私も妖刀の話を記事にしようかな…。
2011/6/22(水) 午前 0:21
(続きです)
ですが、このような「気味の悪い刀」は比較的少ないそうです。
何故か?
昔の人たちは、今の時代より信心深く、刀が引き起こした(と思われる)災いが起これば、直ちに神社仏閣に刀を納め、処分してもらったそうです。
そう考えると、それを切り抜けた「悪い」刀に宿る「念」の強さは、かなりのものだと思われます。
「豊後住△△」、我が家にやって来てから、変なことがパッタリなくなりましたので、私にとっては「守護刀」なのかもしれません。
P.S 私、医療関係の仕事をしております。愛刀を振りかざすことはございませんのでご安心を。(笑)
2011/6/22(水) 午前 0:39 [ のりちゃん ]
のりちゃんさん、愛刀でバッサバッサと病気を斬ってください!!
ブラックジャックみたいに!!
2011/6/22(水) 午前 11:42