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雪男捕獲記念に今年最後の大ネタです。ネッシーと並んでUMAネタでは横綱格の雪男。
私の子供の頃はヒマラヤと言えば雪男。雪男と言えばヒマラヤ。
70年代オカルトブームを過ごした我々世代においては、ヒマラヤに雪男がいるのは当たり前田のクラッカーな
話でした。しかし、私自身雪男の話がどうやって世界に広まったのかよく知らないので、大掃除そっちのけで
ちょっと調べてみました。
雪男の歴史
○伝説の時代
昔から、ネパールやチベットの人たちの間では、ヒマラヤに住む謎の生物の言い伝えがあったそうです。
呼び名は場所によって様々ですが、取りあえずここでは、その名を「イエティ」としておきます。
「イエティを見たものは死ぬ」 「足の爪先は前後両方についている」 「メスが走るときには大きな乳房を肩に
背負う」 「メスは凶暴で、腹が減るとオスを食う」 等々の伝承が残されております。恐ろしや…。
しかし、雪と険峻な山々に閉ざされ、そのような伝承が外の世界に出る事は長らくありませんでした。
○目撃の時代
さて、そんなイエティの話が西洋に伝わったのは、イギリスがインドに進出して以降の事です。
ヒマラヤの謎の生物を初めて報告したのは、ネパールのイギリス代理公B・H・ホジソン。ホジソンは探検中に二
足歩行の謎の生物を目撃。「ポーター達がラカシャス(サンスクリット語で悪魔を意味する)と呼び恐れている
野人がいる」と言う話を、イギリスの雑誌に寄稿したのです。
1889年に、インド駐在のイギリス陸軍中尉L・オースティン・ウォデルが西洋人としては初めてイエティのものらし
き足跡を目撃し、1920年にイギリス陸軍のヘンリー・ニューマンが報告書で「忌まわしき雪男(Snowman)」と書い
た事で「雪男」の名が知られるようになりました。
1920年代は本格的なエベレスト探検が始まった時代です。イギリス軍が中心となって、頻繁に遠征隊が送り出
されるようになります。それに伴い、イエティの目撃事例が増えていくのです。
1921年には、イギリスのハワード・ベリー陸軍中佐率いる第1回エベレスト偵察隊が、ヨーロッパ人として初めて
イエティの姿を目撃したとされ、1925年にイギリスの写真家N・A・トンバジーがイエティの姿と足跡を目撃。王立
地理学会員でもあるトンバジーの証言は大きな反響を呼びました。
○写真と物証の時代 1951年、遂にイエティの足跡が撮影されました。撮影したのはイギリスの著名な登山家であるエリック・シプトン
でした。足跡は長さ約32cm幅約20cmもあり、『ロンドンタイムス』に写真が掲載されるや、世界中で大反響を得
て、イエティの実在が広く信じられるようになりました。
1953年のイギリス遠征隊隊長に任命されたシプトンでした
が、色々とゴタゴタがあって、途中で解任され、登山界の表
舞台から去る事となりました。
5月29日、そのイギリス隊のメンバーであるニュージーランド
の登山家エドモンド・ヒラリーが、シェルパのテンジン・ノルゲ
イと共に人類初のエベレスト登頂を果たし、奇しくもエリザベ
スⅡ世戴冠と時を同じくした偉業にイギリスは大いに沸き、
ヒマラヤの雪男も一層の注目を集めるようになりました。
さて、そんなフィーバーを見逃す筈もなく、翌年イギリスのタブロイド新聞『デイリー・メール』が世界初のイエティ
捜索隊を組織してヒマラヤに遠征し、ヒマラヤの僧院に保管されていた「イエティーの頭皮」や「ミイラ化した手
首」などを発見しました。
(↓)イエティの頭皮と手首。似たようなものが近隣の村々で複数発見されている。
いよいよイエティの存在にリアリティーが出て参りました。肝心要のイエティの写真が撮られるのも時間の問題
だと思われましたが、なかなかそうはいきません。足跡を見たとかイエティを見たと言う目撃例は出て、イエティ
のものとされる毛やフンは発見されるのですが、なかなか写真が撮影されない。
―と、そんな中の1986年。
イギリス人アンソニー・B・ウールドリッジが雪の斜面に立つイエティの姿を撮影する事に成功!!
遂に撮影された、世界で初めてのイエティ写真は一大スクープとして世界中に配信されました。
事の真相は? こうしてみると、雪男の存在は間違いないような気がますが、ホントにそうなのか、もう少し調べてみました。
まず、取っ掛かりであるホジソンは、実は部下から聞いた話を報告しただけで、「オラウータンでも見たのだろう」
と述べております。ウォデルも自分の見た足跡は「ヒグマのものだろう」と自著の中に書いております。
雪男の名付け親であるヘンリー・ニューマンも、イエティーはチベット人が信じる精霊だとした上で、「雪男の話は
自分がでっち上げたものだ」と告白していた事が、ニューマンの元同僚の大佐によって暴露されております。
つまり、雪男の話の初期段階では誰もそんなものの存在などは信じていなかったのです。
初めて「足跡の写真」を撮影したシプソンも、「常習的にホラ話を吹聴していた」人だったそうで、同行者の手
記の中に雪男の事など1行も書かれてなかったり、エドモンド・ヒラリーから写真の矛盾点を突かれたりしており、
今ではどうやらこいつは捏造もしくはヒグマの足跡が解けて広がったものであると考えられております。
1957年にイエティに興味を持った米テキサスの石油王トム・スリックが本格的な雪男調査隊を派遣しました。
この時収集された「イエティの頭皮」や「イエティのフン」がパリ、シカゴなどで検証され、それぞれ鹿とヒグマのも
のであることが判明しました。
1960年にエドモンド・ヒラリーも参加した国際学術探査隊がエベレスト山麓を調査した結果、「イエティの足跡」
とされるのはキツネのものであり、毛やフンもヒグマ・カモシカ・アカゲザルのものである事が判明。
「イエティの頭皮」はシーローと言うカモシカの一種の毛皮をつなぎ合わせたものであり、つまりは偽造品だっ
た事も判りました。
「イエティの手」については、ロンドン動物園の鑑定では明らかに人間のものであると言う結果が出ており、
さらに2011年12月に行われたエディンバラ動物園によるDNA分析でも、同じ結論に至っております。
ウールドリッジが撮影した「雪男の写真」は、翌夏になって雪がなくなってから地元の人が撮影現場に行って
写真を撮ったところ、全く同じ場所に同じポーズで立つ「雪男」が撮れました。そう、その「雪男」の正体は
ただの岩…だったのです。
イエティの正体は!?
雪男を調査で有名な青森県の登山家・根深誠氏は、ネパールやブータンなどでシェルパ族のガイドへの聞き取
り調査を続けました。氏の調査によると、雪男を意味するとされるシェルパ語の「イエティ」はヒグマの一種(ヒ
マラヤン・ブラウン・ベア)の事で、他の地域でも「雪男」指すとされる単語(ブータンの「メギュ」やチベットでの
「テモ」など)も同じく全てヒグマを意味しておりました。別の調査でも、ヒグマの姿を見せられたシェルパ族はみ
なそれを「イエティ」と呼びました。
つまり、イエティとはヒマラヤに住むヒグマの事だったのです。
(↓)神戸市立王子動物園のチベットヒグマ。
オチ!!
雪男の歴史は、殆ど最初から最後までイギリス人がからんでいます。
調べた所、どうやら雪男は、イギリスのヒマラヤ探検登山隊の資金集めに利用されていたようなのです。 イギリスの貴族などは、昔から冒険・探検・学術調査に出資するのが好きで、エジプトの遺跡発掘のスポンサー
になったり、沈没船からお宝を引き上げる計画に出資したりするのが一つの文化になっておりました。
そんな貴族達に出資をお願いするのに、「ヒマラヤの雪男」はうってつけのネタだったのです。
1938年、ヒマラヤに行ったドイツの動物学者で探検家のエルンスト・シェーファーが、「イエティは熊だ」と書いた
本を出そうとしたら、その本の内容を英語圏の報道機関に公表しないよう、イギリスの登山家らから懇願されまし
た。つまりは、エベレスト探検の資金集めに困るから止めてくれと。そのイギリスの登山家とは、後に「世
界初の足跡写真」を公表する事になる、あのエリック・シプトンでした。
と言う訳でオチですが…。
現地の人々にとってはイエティ=ヒグマでしかなかったところに、イギリス人が現地の伝承をベースに
して架空の「二足歩行の謎の生物」と言うイメージを持ち込み、雪男が生まれた。
―と言うのはどうでしょうか。
その上で重要な役割を果たしたのは、『デイリー・ミラー』が1954年の捜索隊を出した時に掲載した「雪男の想像
図」だと思われます。
(←)これ。
この「想像図」によって、雪男のビジュアルが確定し、
以後それらしいモノに遭遇した時には何でもかんでも
雪男に見えてしまい、伝説の一人歩きが始まったのでは
ないか。
いい例がウールドリッジの一件で、彼が例の写真を撮影した
時、「雪男」は40分もじーっとして、動かなかったのです。
そんなもん、普通なら岩か何かだと気付きそうなもんですが、
バイアスがかかってしまうと雪男に見えてしまうんです
ね・・・。 よく、「ヒマラヤでは標高4,000m以上に生物はいないのに、雪男の目撃や足跡の発見はそれ以上の標高で為さ
れている」と言われます。つまり、誤認の対象となる動物がいないのだから、やはり雪男なのだと言う事です。
しかしそれは間違いで、ヒマラヤではかなり高いところまで動物達の生息が確認されています。
クマ(5,000m)を初め、ユキヒョウ・ヤク・ブルーシープ・ヤギ(6000m)、ヒツジ・オオカミ・キツネ(5800m)、
レイヨウ・ロバ・ガゼル(5,000m)、カモシカ(4,300m)等々。(カッコ内は生息が確認された標高。)
雪男目撃例の多くが標高5,000m以上の高地である事を見ると、高山病や低酸素状態による幻覚・錯覚によ
ってこれらの動物が雪男に見えてしまった可能性も考えられます。
あと、誤認の対象となるのは人間。脱走した犯罪者やラマ教の隠者などを雪男と誤認したケースも存在すること
が判明しています。 だいたい、長い事雪男雪男と騒がれてきた割に生体の捕獲はもとより鮮明な写真1枚撮れていないと言うのは
やっぱりおかしいよなぁ…。でも、シェルパの伝説では「イエティは自らの意思で姿を現したり消したりできる」そ
んなんで、やっぱりいるのかなぁ・・・?
(おわり。文字制限の為尻切れトンボ…。)
(参考) イエティ・プロジェクト・ジャパンHP 東奥日報「ヒマラヤの雪男の謎を解明する/根深誠さんの手記」 超常現象の謎解き「ヒマラヤの雪男」 ファンタジィ辞典「イエティ」 UMAファン「イエティ(ヒマラヤの雪男)」 X51ORG「イエティに関する諸考察」 X51ORG「イエティはヒグマに非ず」 東北アルパインスキー日誌「イエティの噂話」 WoofWorks「王子動物園」 Wikipedia 他
『新・トンデモ超常現象56の真相』(皆神龍太郎・志水一夫・加門正一著/大田出版) 『未確認生物学!』(天野ミチヒロ・武村政春著/メディアファクトリー)
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岩だったんかい
。1986年の写真はちょっと騒ぎになりましたよね、懐かしい。
。
北海道のひぐまも2足歩行する時ありますよ。私の中ではみこし入道とかでっかい黒天狗の目撃談もひぐまの2足歩行中の見間違いなのではと言う思いがあります。
それより、ミイラ化した人の手?いったい誰のお骨
2012/1/1(日) 午前 7:38 [ クリリン ]
イエティ=ヒグマ
モケーレ ムベンベ=サイ(多分)
UMAは大海原に求めるしかありませんね。陸上よりは、多少新生物発見(出来ればトンデモない奴)の可能性が残されているのでは⁇(=^x^=)⁇シェルパの伝説にある、自らの意思で姿を消す事の出来るイエティというのは、日本の妖怪みたいな存在なのですかね?滅茶苦茶な例えですが、イエティ=ヒグマが野襖=ムササビで、現出・消失自在イエティ=伝説的存在、精霊?が野襖=ヌリカベみたいな…実在する野生動物と空想上の存在が、山岳信仰等の宗教観(一部外部の人間の入知恵有)を背景に妖しく入り混じった物が正体であった、という事にしておきますか?(=^x^=)。
2012/1/1(日) 午後 3:33 [ そまりん ]
クリリンさん二本足で立つレッサーパンダもいるくらいだから。見越し入道=ヒグマ説は説得力ありますね〜。しかし、この「手」、ある意味バラバラ殺人ではないかと…?
2012/1/3(火) 午後 0:18
そまりんさん、北極海のニンゲンとか居てほしいですよね〜。ところで、海で捕まったUMAはやっぱり水族館で飼育されるんでしょうか?八景島に来ないかなぁ、ニンゲン。
2012/1/3(火) 午後 0:20
八景島シーパラダイスに「ニンゲン」というのは良いですね、間違い無く目玉商品ですよ。ちょっと気色悪いかも知れませんが…「オオムカデクジラ」も是非実在して欲しいUMAの一つであります。
2012/1/3(火) 午後 1:50 [ そまりん ]
そまりんさん、私はシーサペントがいいですね〜!!
シーパラにUMA専用水槽か何かつくってほしいです。
2012/1/3(火) 午後 6:46