|
そう言えば、プティンスビーちゃん(浜名湖の巨大生物)はどこ行っちゃったんでしょうか。
続報らしい続報がありませんが、まあ、気長に待ちましょう。
プティンスビーちゃんの再登場を待つ間に、ちょっと、こんなネタをご紹介。
第一次大戦中に、謎の巨大生物を撃沈したUボートが存在する!!
―と言うハナシ。どっかで聞いた事憶えのある方も多いかもしれません。
時は1915年7月30日(31日と言う説もあるが、とりあえずどっちでもいい)。場所はアイルランドのファストネット
東南沖約14Kmの海域。
イギリスの貨物船イベリアン号(Iberian SS・5223t)がドイツ海軍第4潜水艦隊所属のUボート、U-28による魚雷
攻撃を受け、撃沈されました。
水中でボイラーが爆発して大きな水柱が立つ中、戦果確認の為浮上していたU-28のフォストナー艦長以下
5名のクルーは信じられないものを目撃しました。
それは水中爆発の衝撃で、海面から30mも躍り上がった巨大な生物でした。
その生物は全長が20mほどもあり、大きな4つのヒレと長い尾を持ち、ワニの首を長くしたような姿をして
いました。
巨大生物は写真を撮る暇もなく海中に没し、行方は杳として知れず…。
つまりは、U-28は敵国の輸送船と一緒にUMAまで撃沈しちゃったと言う事になり、
こりゃまさしく前代未聞空前絶後な事件が発生した訳であります。
(↓)U-28。
フォストナー艦長はこの出来事を航海日誌に記載しましたが、戦中戦後の混乱でそれも失われ、謎の巨大生物
の目撃譚は一般に知られる事はありませんでした。
が!!
その後、1930年代になってから、フォストナー艦長の体験談がドイツの新聞に掲載され、それがきっかけで
この出来事が世に広まり、今なお語り継がれるUMAネタとなったのです。
好事家の間では、巨大生物は恐竜モササウルスの生き残りではないかとも言われております。
(←↓)モササウルス。
約7,900万〜6,500万年前(白亜紀後期)に生息していた肉食海棲爬虫類。体長12〜18m。海表面を泳ぎ、アンモナイトや亀なんかを食べていたらしい。日本でも化石が発見されている。一見ワニっぽいが、実はワニではなく、オオトカゲに近いらしい。
さて。
海は広いな大きいな…ですから、恐竜の一匹や二匹いてもおかしくないと思うのが普通のUMAファン。
ところがどっこい、こちとら少しばかりヒネくれたUMAファンでぃ!!
―と言う訳で、いつもの如く、ちょっと調べてみました。
フォストナー艦長の目撃談が掲載されたのは、1933年10月19日付のドイツ紙『アルゲマイネ・ツァイトゥング』
です。実はこの、1933年と言うタイミングがポイントで、ミソがいくつもあるのです。
何故、18年も経ってから、この事件が世に出たのでしょうか???
第一のミソは、この時点で、謎の生物の目撃者は、フォストナー艦長以外全員戦死している点。
当時、Uボートの損耗率の高さは並ではなく、「潜る棺桶」と言ってもおかしくない状況でしたので、これは仕方
がない。実際、U-28も1917年9月2日に沈没しております。
ちなみに、フォストナー艦長は1914年8月1日から1916年6月14日までU-28の(初代)艦長を務めた後、Uボート
には乗っていなかったようです。これは、男爵である彼をこれ以上危険な任務に就かせる訳にはいかなかった
からなのでしょうか、その辺はドイツ海軍の事情なのでよく判りません。
ともあれ、フォストナー艦長は第一次大戦を生き残り、1940年に58歳で鬼籍に入っております。
それは兎も角、「こんなのを見たんっすよ!!」と言っているのはフォストナー艦長だけであるのは確かなのです。
第二のミソは、丁度この頃、イギリス発のUMAネタの王者、「ネッシー」が世間を騒がせていた点。
1933年にネス湖周辺の舗装道路が整備され、観光客が増えたところで「謎の生物を見た!!」と言うハナシが
広がり始め、かの有名な「外科医の写真」が1934年に発表されて大ブレークしました。
(←)ロバート・ウィルソンが撮った(とされる)、
「外科医の写真」。インチキだとネタバレ済み。
ちなみに、ロバートは外科医じゃなくて産婦人科医。
最初にイギリスのタブロイド紙『デイリー・メール』が報道した。
第三のミソは、丁度この頃、ドイツではナチスが台頭した時期である点。
何かにつけ、ドイツは英仏なんかと張り合っており、1933年と言えば、国際連盟を脱退した年でもあります。
イギリスの超常現象研究家マイク・ダッシュの調査によって、失われたとされるU-28の航海日誌は現存しており
そこには「謎の巨大生物」についての記述は一切ない事、また、アイルランドやアメリカの新聞のインタビューに
答えたイベリアン号の生存者の中で、怪物を見たと証言する人は一人もいなかった事が明らかになりました。
ちなみに、U-28の航海日誌は原本が残っていた訳ではありません。当時、Uボートは航海日誌(KTB)を無線で
本部に送信しており、それを傍受したアメリカ軍が逐一記録をしており、マイクロフィルムで保存していたのです。
U-28のKTBもその中に含まれており、イベリアン号撃沈の際も詳細な記録が為されているのですが、ワニみた
いな生物が飛び出てきたとは一言も書かれていなかった事が判明したのです。
(↓)U-28のKTB。
なお、上に挙げた「謎の巨大生物」のイラストは、『アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙に掲載されたもののような
のですが、これはカイマンワニの子供の剥製を模写したものと思われ、決してフォストナー艦長が見た(とする)
生物を描写したものではなかったのでした。
どうも御他多分に漏れずドイツの船乗りも迷信深いらしく、呪いのUボート(以前記事にしましたっけ)とか、
呪いの戦艦(シャルンホルスト)とか、その手のハナシが山ほどあります。
そんな中で、爆発で飛び散る残骸か何かをを巨大生物と見間違ったのかどうかは知りませんが、そんな体験談
を持つフォストナー艦長のハナシに飛びついたドイツの新聞が、「イギリスにネッシーがいるんなら、ドイツ人だっ
てこんなの見てるんだぞ!!」と対抗意識を剥き出しにして大騒ぎしたのではないか…。
つまるところ、このネタは、ネッシーフィーバーの中で当時のドイツメディアがでっち上げた創作。
―そんなところがこのネタのオチなのではないでしょうか。
もっと言うと、「ドイツ人がそんなの見てるんだったら、イギリスにはこんなのがあるぞ!!」と繰り出してきたのが
件の「外科医の写真」だったりして。こうして、第二次大戦における英独の戦いの前哨戦として、両国庶民の間で
UMAネタの応酬が盛り上がっていったのではないかと、そんな気もしてきます。
だって『デイリー・メール』は当ブログ御用達の『ザ・サン』と同じく、いわゆる『東スポ』的新聞だし、このネタを
最初に報道した『アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙も『ドイツの東スポ』っぽさがプンプン漂っているんだよなぁ…。
(参考) uboat.net 「U28」 WRECK SITE 「SS Iberian」 CHARLES FORT INSTITUTE「Baron Von Forstner and the U28 sea serpent of July 1915」 UNKNOWN EXPLORERS「U-28 Creature」 Wikipedia「Mike Dash」 ASIOSブログ「チャールズ・フォート」 UMAファン いきものはおもしろい 他
『未確認生物学!』(天野ミチヒロ×武村政春/メディアファクトリー) 『世界の陰謀と戦争の謎』(高野聖・工藤智明他/学研パブリッシング) 他
【お願い】 あのゾルゲが隠れ蓑にした『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙と、この記事にある『アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙が同一のものなのかは不明です。知ってる方がいらっしゃったら、是非お知らせ下さい!! |
UMAコーナー
[ リスト ]








おはようございます。


いつも楽しみにしています。
今回はUMAですか。
私はそれらの類は見ていないが…
我が実家の自室(結婚前)で、体長1cm位のかなり小さい蜻蛉なら見かけ、逃がした事があったが。
世界最初の蜻蛉は何cmか
2012/4/26(木) 午前 8:20 [ MAYオリーブサンフィッシュ ]
MAYオリーブサンフィッシュさん、それはたぶん「ハッチョウトンボ」では?世界でも最小の部類に入るトンボだそうで、1円玉にすっぽり収まる大きさ(体長20mm弱)です。一応青森から鹿児島まで広く分布していますが、最近は環境破壊の影響で数が激減しているとか…。
2012/4/26(木) 午前 10:38
このネタまじめに信じてたのに.こんなオチだったとは。
2012/4/26(木) 午後 5:07 [ HHH ]
HHHさん、調べてみるもんです。
2012/4/26(木) 午後 5:43
よく調べましたね!さすがです。カーペンターさんみたい。
このカイマンは有名になったもんですね。
2012/4/26(木) 午後 9:04 [ - ]
懐かしい話ですね。これを初めて読んだのは、小学校の高学年頃だったでしょうか?その本には、非常に細密で、幻想的な挿絵が掲載されていました。元々古生物等が好きだった事も有り、夢中になって何度も読み返した記憶が有ります。まあ、現実は現実として認識せねばなりませんが、この大海原の何処かに、今でも我々人類が想像した事も無い異様な生物が潜んでいるのでは、と妄想して楽しんで居ります(=^x^=)。
2012/4/27(金) 午前 1:17 [ そまりん ]
giu** さん、よく見るとこのワニさん、気持ちよくおねんねしているように見えますね。剥製を模写したのなら当たり前か…。
2012/4/27(金) 午後 10:13
そまりんさん、絶対いると思いますよ!!人類未踏の深海底とかに。
いつの日か、見た事もない巨大生物が発見される事を祈っております!!
2012/4/27(金) 午後 10:15
むしろ第一次世界大戦期では、当時潜水艦というものがどういうものなのか広く知れ渡っていなかったので、通常船舶搭乗員にとって潜水艦のほうがUMAだったことでしょう。
なんとなく海底二万マイルを思い出したヨ。
やはりだな。海のUMAといえばヒトガ……(もういいて
2012/4/28(土) 午後 8:41 [ リットリオ ]
リットリオさん、海底二万里、好きでしたね〜、子供の頃!!
ノーチラス号の一員になった気分で読んでました。でも、あの話って、何となく浦島太郎に通じるものを感じます。
ところで、ヒトガ…も含めて、こんど海のUMA
スペシャルでもやってみましょうか。
2012/4/29(日) 午後 11:48
こんばんわ。連休は小生も外出は控え飲んではネットをするという健康的?な連休を過ごしております。この潜水艦の話子供の頃に何かの本で読んで以来気になっていましたが、さすがTOさんです。謎が解けました。しかし次の第二次世界大戦ではこの手の話を聞かないのは時代のせいなんですかね〜
2012/5/1(火) 午後 9:55 [ 宗麟 ]
宗麟さん、私はドクターストップにより酒はNGなので、結構辛いです(涙)…。
第二次大戦でもこの手の話は無くはないですが、「フーファイター」
みたいな戦場伝説が幅を利かせて、今ひとつ影が薄くなっているようです。
2012/5/1(火) 午後 10:30
はじめまして。
この話は本で読んだことがあって信じ切っていたのですが…。
でもやはり深海には何かいると思います。メガロドンあたりは絶対に。
2012/5/19(土) 午前 1:26 [ しゅんきち ]
しゅんきちさん、はじめまして!!
メガロドンは、いかにもいそうですね〜。いや、いて欲しいと心から思います。
2012/5/20(日) 午後 11:57
ピョ〜ンと飛び出たUMAがなんとなくユーモラスでカワイイ絵ですねえ。UMAとUボート、なんと素晴らしい組み合わせでしょうねえ!。
またトラックバックさせていただきました〜<(_ _)>
2012/5/23(水) 午後 7:03
まころうさん、コイツをネタにした食玩(?)があるとは!!
うれしくなっちゃいますね〜!!
まさか、「スクリュー尾のガー助」の食玩なんてないでしょうねぇ?
2012/5/23(水) 午後 10:40
*アルゲマイネツァイツゥング=ヨハンフリードリッヒコッタが1798年1月チュービンゲンで設立
*フランクフルターツァイツゥング=ヘンリーバーナード·ローゼンタールがフランクフルトで "フランクフルトアニュアルレポート"として1856年に設立
全く別の新聞ですね、ドイツではではゾルゲはフランクフルターツァイツゥング紙の特派員となってます。『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』とは呼ばないようです。
2012/8/29(水) 午前 0:43 [ アナベル・加トー少佐 ]
アナベル・加トー少佐さん、貴重な情報をありがとうございます!!
なるほど、全く別の新聞だったのですね。すっきりしました。
2012/8/29(水) 午後 2:11
はじめまして。
私もこのエピソードが大好きなのでいろいろ考察したことがあるんですが、一番疑問だったのは、怪物の正体ではなく目撃された状況でした。
船の爆発で20mの生物が海面上へ20〜30m吹き飛ばされた。
15秒くらいで海に消えた。
↓
1000mの深海で爆発したのに、そんなに威力があるの?
どうして近くにいたハズのU-28は何故無事だったの?
出現から落下まで15秒もかかったの?20〜30m程度の高さなのに?
もっとも、目撃時の状況は本によって表現が違うのでよく分からなかったんですが。
この話ガセネタだったんですね。ガックリ。
オレの青春の貴重な時間を返せ〜w
2012/12/16(日) 午後 8:46 [ かつお節 ]
かつお節さん、はじめまして。コメント有難うございます!!
青春とは無駄な時間の積み重ねですから、こういうネタでしばしの時間を費やすのも良かったのではないでしょうか(笑)。
海外ネタは、UFOでもUMAでも何でも、日本に入ってくるまでに随分と尾ひれがつき、さらに「意訳」されるケースも多いみたいなので、元ネタ以上に現実離れしちゃうみたいですね〜。
2012/12/16(日) 午後 11:24