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ある女性から聞いた話です。 彼女のお父さんは会社勤めで、出張や単身赴任の繰り返しで、殆ど家に居なかったそうです。 父親の居ない生活が当たり前でした。 居ない時も、お父さんは毎晩の様に、家に電話を架けてきました。 見ていたテレビの途中でもお構いなしで、「学校どうだ?」とか、どうでも良い事を聞いてくる。 たまに家に居るとしつこく学校や友達の事を聞かれる。 お父さんが帰って来た時、一緒の布団に寝るというのは、小学校も高学年になってくると苦痛でした。 お母さんが居れば何でもしてくれるし、お父さんはずっと帰って来なければいいのにとも思ってました。 そんなお父さんが亡くなったのは、彼女が中学2年生の時でした。 癌でした。気付いた時はもう…と言うやつで、あっと言う間の事だったそうです。 彼女は、正直あまり悲しくも無く、只々「これから、お金どうするんだろう?せっかく入った 私立もやめて、公立に行くのかなあ…。」と、そんな事ばかり考えておりました。 と言うのも、彼女は吹奏楽部に入っており、その私立中学は全国大会の常連。 せっかく頑張って、クラリネット・パートのリーダーになれそうなのに…。 お父さんの葬儀や、その後の法事なども済んでやっと落ち着いても、彼女の心配事はそればかり。 もしかして転校どころかこの家にも住めなくなるんじゃ?とも。 ところがそれからも、生活には何の変化も無く、母親が働きに出る事も無く、今まで通りの日々。 なんだ、やっぱり家にはお母さんが居れば大丈夫じゃん、と、そう思っていました。 ただ、お父さんが亡くなってから、夕餉の食卓に一人分の食事が余計に出される様になった事。 少な目の食事ですが、お母さんが言うには、これはお父さんの分だと。 それだけが、変化といえば変化でした。 そして、その年の自分の誕生日。昼間は友達がお誕生パーティーを(デニーズで)やってくれ、 夜はお母さんが手料理で祝ってくれました。 母の手作りケーキを食べていると、家のチャイムが鳴りました。 いつもなら、お母さんがそそくさと出て行くのに、その時は「あなた、出て。」と。 え〜食べてんのに〜、とぶつぶつ言いながら玄関に行くと、来客は宅配屋さんでした。 受け取った荷物の贈り主を見て、彼女は立ちすくみました。 「ありえない…。」 そこに記された名前と癖のある筆跡は、紛れも無く彼女のお父さんのものだったからです。 ゾッとした彼女は取り乱し、ぎゃーお母さん、変なの来たああ!!と大騒ぎ。 しかし、お母さんは平然と、いいから開けてみなさい、と言います。 何でお母さん平気なの?何か変?と思いつつ、母親の毅然とした雰囲気に気圧され、包みを開けると… そこには、欲しくて憧れていた、高価なクラリネットがありました。 お母さんが言うには、あなたが部の備品のクラリネットを使って頑張ってたから、お父さんは 俺は仕事を頑張って、誕生日にいい奴を買ってやるって言ってたよ…。 実は、もう病気が治らないって判った時に、一番最初にこのクラリネットを買いに行ったの。 誕生日に自分が渡すんだって、お父さん頑張ってたんだけど… その後は、涙で詰まってお母さんの言葉は続きませんでした。 思えば、父の死後、初めて見せる母の涙でした。 彼女はその時やっと気付いたと言っていました。 しつこい電話も何もかも、私の事を案じて、心配して、私としゃべりたくて、 お父さんはやっていたんだと。 クラリネットの事なんか言った憶えは無いのに、お父さんはちゃんと知ってたんだ…と。 そしてそして、お父さんは、私のことが大好きだったんだと。 後日談ですが、宅配便の正体は、お父さんが亡くなる間際にお母さんに託したもの。 誕生日に合わせて出してくれと。 彼女の生活が守られたのは、生前にお父さんがきちっと自分で生命保険に入っていたから。 お母さんには、普段何もしてやれないから、せめて万一の時位は…と、かねがね言っていたそうです。 更に後日談ですが、彼女の結婚披露宴には、お父さんの席にお父さん分の料理が並びました。 いつもの我が家の食卓の様に。
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すごい、僕には真似出来ない・・・。
2008/4/24(木) 午前 7:26 [ 気まぐれ ]
そうですよね、哀しいけど、思春期の娘さんにはそう取られてしまうんでしょうね・・・。
でもちゃんとお父さんの気持ちが伝わって良かった(涙)
2008/4/24(木) 午後 2:29
KANATA さん、子を持つ親としては色々と考えさせられるお話でした。
2008/4/24(木) 午後 2:34
minamiさん、父親の愛情と言う物は、なかなか伝わりにくい
物の様です。
2008/4/24(木) 午後 2:35
歳のせいか涙腺が・・・・えぇ話やぁ〜〜by旦那
2008/4/25(金) 午後 8:51
旦那さん、生きている内に子供に愛情を注ぎたいと思います。
世のお子様方、お父さんも子供の事をずっと想っているんですよ〜。
2008/4/26(土) 午前 9:51
泣けます・・・
2008/12/10(水) 午後 8:24
りくんちゅさん、古い記事にコメント頂けると、大変嬉しいです。
また、泣ける怪談を探して来ます。
2008/12/11(木) 午後 6:46
よろしくお願いします!!!
楽しみにしてますよ〜♪
2008/12/11(木) 午後 7:00
ワタクシ未だに辛いことやむかつくことなどありますと
亡き父のメアドにメールしますよ〜。
「そんなアドレスあれへんわ!」ってエラーで戻ってくるけど
そんなのは鯖側の物理的な問題で
キモチはちゃんと届いてると思うから。
えぇ、ファザコンですがなにかw
2009/6/15(月) 午後 2:46
良い話ですね(´;ω;`)
死は突然訪れたり、このように医者から宣告されることもあったり・・ 僕も生命保険に入ろうかと、悩みます( 。◕ˇдˇ◕。)
facebookにシェアしたいのですが、駄目でしょうか?
2012/3/23(金) 午前 10:23 [ やん ]
やんさん、昔の記事をお読み下さって嬉しいです!!
facebookの件、全然OKです!!
2012/3/23(金) 午前 11:52
ありがとうございます!
TOさん(^o^)ノ
早速、facebookにこの記事を載せます〜♪
2012/3/26(月) 午前 10:12 [ やん ]
やんさん、こちらこそ有難うございます。
−今ひとつフェイスブックがわかっていない、時代遅れの私ではありますが…。
2012/3/26(月) 午後 11:12