ワイキキ・ビーチを東に抜けると、ダイヤモンドヘッドの麓に広大な公園があります。
そこがカピオラニ公園。ホノルルマラソンのゴール地点としても有名な公園です。
敷地内の動物園を過ぎると、だだっ広い芝生が広がり、そこかしこにモンキー・ポットの木が植えられ、
市民の憩いの場となっておりました。
観光客の姿も余り見られず、ビーチの喧騒が嘘のように穏やかな時間が流れている公園です。
さて、このカピオラニ公園一帯は、またまた「心霊スポット」としても有名な場所です。
公園を彷徨うハワイアンの霊の目撃譚は数多いと言います。
近くの小学校の校庭では、深夜、死んだハワイアンの霊が大勢ダイヤモンドヘッドに向って歩いていく、
と言う話もあるそうです。
また、周辺の高級住宅地でも、庭先や屋内にしばしば霊が姿を現すとか。
どうやら、出てくるのは皆、古代ハワイアンの霊の様です。
何故なら、ダイヤモンドヘッド周辺は、かつては数々のヘイアウ(古代ハワイアンの寺院)が存在し、
オアフ島の酋長をはじめ、大勢が生贄(いけにえ)にされたという、そう言う場所なのです。
カピオラニ公園の中にも、いくつかのヘイアウがあったことが知られています。
公園の東端には「カプア・ヘイアウ」があり、今はアーチェリー場やテニスコートがある辺りには、
グルリと石の壁に囲まれた「クパラハ・ヘイアウ」がありました。
このクパラマ・ヘイアウでは1803年、カメハメハ大王の息子リホリホ(後のカメハメハ2世)の成年式典が、
大々的に執り行われたそうです。残念ながら、今ではそれらの遺跡は痕跡もありませんが。
カピオラニ公園とダイヤモンドヘッドとの間にはさまれた高台には、一帯では最大の「パパエナエナ・ヘ
イアウ」があったそうです。
それは戦いの神クーを祀るヘイアウで、人間の生贄が多数捧げられました。
マウイの酋長カへキリはオアフ島の酋長を捕らえると、さっそくここで生贄として捧げたのだそうです。
そして、カメハメハ大王がオアフ島を制圧すると、今度は先のマウイ島の酋長の息子カラニプクレが、
このヘイアウで生贄にされてしまいました。
生贄の儀式を目撃した白人の記述が残っています。
「カフナ(神官)は3人の人間と400頭のイノシシ、たくさんのヤシの実を供え物として用意した。
儀式の3日前、3人の人間の目玉はくり抜かれ、腕、足の骨は折られて、ある建物の中に放置された。
儀式の日、1人はティキ像の足元に置かれ、2人はイノシシや果物と共に祭壇に設置された。
そして、棍棒で肩の上を殴られ、殺された」
また、カメハメハ大王の妻の愛人だった若者が、生贄にされた事もあったそうです。
妻のカアフマヌは、丘の上のへイアウで朽ちていく恋人の遺体を想って涙にくれた…との逸話が今で
も残っています。
とまあ、近代以前のハワイの血塗られた歴史がここ一帯には埋まっていたのです。
「心霊スポット」になる訳ですね。
因みにこれ↑は「カヒ・ハリア・アロハ」と言う、ワイキキで発掘されたハワイアンの遺骨を祀る記念碑。
2001年1月の建立と言いますから、割と最近できたものです。
カピオラニ公園のワイキキ側の入り口に余り目立たず建っていました。
ワイキキがリゾートとして開発されていく中、建築工事の際にしばしば古代ハワイアンの遺骨が発掘され
てきたそうです。
ハワイアンは骨に対して強い畏敬の念を持つそうで、骨には、死者のマナ、つまり霊気というか霊魂がこ
もるとも信じられていました。
そこでこうした「塚」が造られた様です。
(なぜかここの脇にガンジーさんの銅像が建っていました…。ハワイに来たのかな?)
リゾートと言う側面以外のハワイの歴史に触れられ、ついでにお化けにも会えるかも知れない公園。
ワイキキに行かれてビーチに飽きたら、お散歩がてらお出かけになっては如何でしょう?
↑公園内から望むワイキキの街並み。
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