過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

曰くの一室2

「へぇぇ!!じゃ、出たんですかね〜???」

「まあ、それは、その辺のおっさんかもしれないけどさ。その後が面白いんだよ」

「ふんふん」

「で、やっとこ臭いも抜けたって、そろそろ売りに出そうかと言っても、『瑕疵物件』だからさあ。相当
下がる訳だよ」

「そりゃ、そうでしょうね。1年も死体が転がってた部屋なんか、誰も住みたがらないでしょ」

「だろ?しかし、ババァにはそれが判らねぇんだよ。幾らで買ったのに、そんな金額に下がる訳がないとか言ってさ。いや、これこれこうだからって説明しても、理屈が通らない。人一人死んだ位どって事ない、いちいちそんな事を気にしてたら、世の中回っていかないとか言っちゃってさ〜。回ってないのはお前の頭だってんだよ」

「難儀ですね〜。さすが、Uさんの伯母さんですね」

「難儀なんだよ。―て、今のどう言う意味だよ。え、褒めてる?どう褒めたらそんな風になるんだよ?
―まあ、で、仕方ねえから、薄めようって事で、丁度遠縁の若いのが東京に住むとこ探してるって言うんで、ソイツを住まわそうって事になってさ」

「へえ。その人、部屋の曰くを知ってたんです?」

「知らないよ。言ってないもの。言ったら住まないだろ」

「酷い話ですね〜」

「酷かないよ。本人は大喜びだよ。結構なマンションだし、おまけに家賃は格安だしね」

「金取ったんですか!?そいつは更に酷い話だ」

「酷くないって。むしろ、良心的だろ?で、早速、去年の秋口くらいから住み始めたんだけどさ」

「だけど…?もしかして、出たんですか、やっぱり」

「出たんだよ。夜中に台所でガサゴソするんで、何だと思って見に行ったら、見た事ない爺さんがうろついてたんだって。泥棒かと思って大声出したら、消えちゃったって。そんなのを何度か見たって、ビビっちゃってさ。ソイツは旦那と面識は無かったんだけど、面相を聞いたら、ああ、やっぱりと思ったね。
死んだ旦那なんだよ、ソレ」

「ははぁ。リアルな話ですね〜」

「リアルも何も、ホントだもんな。ソイツ、それで一ヶ月もしない内に出て行くって言い出してさ。可哀想に」

「可哀想にって、全部Uさんが仕組んだんじゃないですか。この小悪魔」

「小悪魔って何だよ。何で小が付くんだよ。人を売れっ子キャバ嬢みたいに言うなよ。―まあ、悪いと思って、代わりにいい部屋斡旋してやったんだけどさ。で、次に人入れてもまたすぐに出て行かれるとヘンな噂が立って困るし、空き部屋のままでも良くないしで、困っちゃってさ。そしたら、ババァが自分が住むって言い出しやがって」

「何だ。最初っからそうすれば良かったのに。でも、怖くないんですかね、そのくそババァ」

「怖がるタマかね。って、人からくそババァって言われると意外に腹立つな。一応身内だし。しかし、だんだん口が悪くなってくるね」

「有難うございます」

「言っておくけど、褒めてないからね。―まあ、ババァは、私の所には出ないよって。出ても、あんなの幽霊になっても怖くないって。箒ではたいてやるなんて言っちゃってさ。まあ、確かにあんなくそババァの所になんか、頼まれたって出ないだろうがね」

「はあ。さすがにUさんの伯母さんですね」

「また言いやがった」

「まあまあ。で、出たんです?その後」

「出ない出ない。出ないよ。出る訳ないって言っただろ。でもさ、この間笑っちゃってさ〜」

「鏡でも見たんですか?」

「何で俺が鏡見て笑うんだよ!!そんな面白顔じゃねえだろ」

「いや、十分面白い…」

「うるさいよ。俺はひょっとこか!!」

「ひょっとこってツッコミが世代を感じさせますね」

「いいって、そんな事。―でな、ババァ、そこ気に入っちゃってさ。便利がいいし、眺めもいいから、正月位しか自宅に帰らなくて、ずっとそこに住んでたのよ。で、この間さあ、すぐ来てくれって電話があるから行って見たらさ、こんな事もあるんだなあって思ったね…」

「何があったんです???」

「いやさ、和室に敷いた絨毯が暑苦しくなってきたから、剥がしたらしいんだよ。そしたら、剥がした下の畳に…」

「畳に?猫でもいましたか」

「そう、可愛い猫がニャーと鳴いて。―おい。いる訳ねえだろ。どんだけペッタンコなんだよ、その猫は。ピョン吉かよ」

「いや、ピョン吉と言うよりは、むしろニャア吉と言った方が」

「どっちでもいいよ、そんな事。―で、畳なんだけど、新しいのに替えてあったんだけどな。その畳に、人の形が染み出てるんだよ。どうやら、畳の下の根板に、死体の油が染み付いていたらしくてな…。それが、また畳に染み出たらしいんだよ。それがさあ、手足がこうなってこうなってて、要は、死んで倒れたまんまの格好で染みになってるんだよな」

「うえぇぇ。怖いですね、それ。Uさんの性格より怖い」

「今度は性格にまで言及されちゃったよ。―でも、笑っちゃったのはさあ、ババァは知らずに、その染みの真上に布団敷いて寝てたんだって!!毎日毎日さ。さすがにババァも青くなってたよ。」

「はあ。因果ですかね」

「まあ、そう言うところだよね。ババァももうここには住まないとか言い出しちゃって。ケツ捲くって自宅に逃げてっちゃったよ。結局、和室をフローリングにリフォームして、売り出すって話になったよ」

「はあ。でも、染みはそれでいいとして、幽霊の方はまた出るんじゃないですか?」

「うーん、いやぁ、もう出ないんじゃない?あのくそババァに一泡噴かせたんだから、それで成仏したんじゃないかなぁ」

「幽霊だけに、泡と消える訳ですね」

「上手いねどうも」

曰くの一室

―と、言う訳で、前回の記事は別に「瑕疵物件」のウンチクを語ろうと書いたのでは、実はありません。

本題のネタがあったのですが、そこに行きつく前に睡魔に負けてしまったのです。


さて、「心理的瑕疵物件」の話をして下さった、不動産業を営む私のお客さん。

仮にUさんとしておきます。

私との会話はこんな感じでした。



「―でね、TO君。うちの親戚にとんでもないババァがいてさあ。これがまた、とんでもないんだよ」

「はあ。そうなんですか。でもUさんも大抵とんでもないですよ。このご時世に、GT−〇買って1ヶ月
で飽きて売っちゃうんですから。そんな金あったら、2〜3台買って行って下さいよ」

「判ってるって。今日は1台買うからさ。あの、さっきのヤツでいいよ」

「毎度です〜。―で、そのとんでもないババァってのは?」

「そうそう、俺の伯母さんなんだけどさあ。前に言ったっけ?この話」

「え〜っと、初耳だと思いますがね」

「あ、っそう。―いや、そのババァね、何年か前…7、8年位かなぁ、旦那と離婚してさ」

「へぇ。Uさんの伯母さんの7、8年前って言うと…結構なお歳でしょ?熟年離婚ですか」

「ははっ!!老年だよ、老年。老年離婚だよ」

「ですよねぇ。Uさんからして、もう老年ですもんね」

「嫌な事をはっきり言うなよ。―まあ、それでさ、子供ももうイッチョ前で所帯持ってるし、ババァは家
獲って悠々自適よ。可哀想なのはその旦那でさ。投資で買っといたマンションに独りで住んでたのよ。
孫も寄り付かなくてな。まあ、旦那が下手打って、浮気がバレての三下り半だから、仕様がないけどな」

「良く聞く話ですね〜。Uさんもそうならない様に気をつけなきゃ。この間の、あんなチャン、社長しつこいって言ってましたよ」

「うるさいよ。―でね、この間、っても去年の春か。その旦那が死んでんのが見つかってさ」

「まぁ、年とりゃ死ぬ事もあるでしょうが」

「そりゃそうだけどさ。しかし、見つかった時は、死後1年よ。―つまり、孤独死って奴でさぁ。隣近所
誰も気づかなかったんだよな。見つかったのが去年だから、一昨年の春には死んでたんだな」

「はぁぁ。良く新聞の三面なんかに載ってますね…そう言うの…。しかし、身近に聞くと、何かリアルで
すね。最近のマンションは気密性が高いから、死臭が外に漏れないって言うし…」

「だろ?でも、大変なのがその後よ。旦那、他に身寄りがねえもんだから、ババァが呼ばれて行ったわ
さ。俺も後から知ったんだけど、離婚っつっても、籍を抜いた訳じゃなしに、要は単なる別居だったんだ
よな。手続きが色々面倒だったんだろうなぁ。判るだろ?離婚って結婚するより面倒だもんな」

「判りませんよ。離婚したことないし。でも、もうすぐするかもしれませんがね」

「え?そうなの?なんで?」

「冗談ですよ!!冗談。私、Uさんみたいにお金持ってないから5回も6回も離婚できませんよ」

「ばか!!俺はたったの4回だよ!!」

「だってそれは、今の奥さんが知ってる回数でしょ?」

「―何でTOが知ってんの?―あ、そう。この間飲んだ時に言ったっけ?おい、来月もう一台買うから、
カミさんに言うなよ」

「毎度あり〜。Uさんの美人の奥さん、怒ると怖そうですもんね。じゃ、あの、あそこのアレ買って下さいよ。あれ、長在なんで。原価でいいですよ。―そう言えば、今の奥さんって、私とタメ(同じ年)だってご存知でした?」

「え〜そうなの???TO今幾つだっけ?…あ、そう。じゃ、タメだ。41年?―あ、そう。タメだわ。
へぇえ。―あ、おい、お前、手ぇ出すなよ!!出したらお前から二度と車買わねぇぞ!!」

「出しませんよ。でも、来月買ってくれなかったら、離婚回数…」

「判った判った!!酷い男だね、お前は。―まあ、前妻の息子が免許取ったから、何でもいいから一台入用
だったから、アレでいいや」

「で、孤独死はどうなったんです?話の腰を折らないで下さいよ」

「ああ、そうそう。いやさ、ババァも権利書だけかっぱらったらそれで満足でさ。一応世間体で立派な
式もあげたんだけどね。旦那を墓に放り込んだらすぐ俺のとこ来てさ。あのマンション売るから買えって言う訳よ」

「ははぁ。そんなの、さっきUさんが言ってた『心理的ナンとか』って奴じゃないですか」

「『瑕疵物件』な。そりゃもう、ドンピシャリよ。何せ、1年も死体が放置されてりゃあ、まず、臭いだ。お前、その辺に置いてあった雑誌にまで臭いが染み付くんだぞ」

「ああ、そりゃ人間の死体に限りませんよ。だってUさん、いつかイカ釣ってきたクーラーボックスを
1週間もトランクに入れ放しにした事があったでしょう?腐ったイカの臭いが取れなくなったんで、すぐ
車を買い換えたじゃないですか」

「ああ、あの時は酷かったな〜。オー〇バック〇にある芳香スプレーを全部買ってきてぶち捲いたんだけどな〜。臭いが取れるどころか」

「そうそう、この世のものとも思えない異次元の臭いになっちゃいましたよね〜。フローラルな腐臭って言うんですかね?あんな得体の知れない臭いを嗅いだのは後にも先にもあれっきりですよ」

「だよなあ。あの車、800万もしたのになあ。買って半年も乗らなかったよなぁ」

「何言ってんですか。随分値切って買ったから800しませんでしたよ。でも、どうせ、1年位で乗り換えるくせに」

「まあ、そうだけどもさ。それでTO君の売り上げに貢献してるじゃない」

「ご馳走様です。―それは兎も角、それからどうしたんですか?」

「まあ、仕方ないから、まず荷物は全部廃棄よ。(TO注;ここで、その手の専門業者の話になりまが、割愛します)で、壁紙から襖から、畳から、臭いが残る物は総取っ替え。でも、その辺サラにしても、臭いはすぐ取れないからさぁ。しばらく置いとかなきゃいけないのよ。でさ、TO君が言ったけどさ、マンションは気密が高いから、放っときゃ臭いがこもるばっかりだから、毎日会社の若いのに窓開けに行かせる訳だ。そうやって、半年も経つとやっとこ臭いも消えるんだ」

「そりゃ、Uさんとこの若いのもいい迷惑ですね〜」

「何言ってんだよ。そん位若い時にはやっとかないと、不動産なんて扱えないよ。―でも、そいつ、そのマンションの廊下で、変な爺さんがこっちを睨んでたって言ってたな。ちょっとしたら居なくなってたらしけどな。―それがさ、その爺さんの身なりがさ、旦那が死んでた時の格好とそっくりなんだよな。
もちろん、俺がその部屋で何があったかなんて言う訳がねぇ。そんなの、知ってる人は少なければ少ない方がいいんだから」




―と、この辺で続きにします。(ねむいので…はねるさんの気持ちが判ってきました…)

全1ページ

[1]


.
TO7002
TO7002
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

過去の記事一覧

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!
お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事