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9/27(TUE)晴

大阪弁の彼は一日延泊して湖を周遊するらしい。俺らは電車でグリンデルワルトへ。インターラーケンから約1時間で着いた。この間、ホリデーC(*1)でタダ。
i(*2)で宿をとって貰う。一泊60〜70で三泊したいと言ったら、Alpen Blickと言うのをとってくれた。宿に荷物を置いて、駅前のハンバーガー・ショップで昼食。ウェイトレスの女の子が、可愛くて親切だった。

リフトでフィレストまで登る。ホリデーCでSFr13.6。ヨーロッパ最長と言う触れ込みのリフトで、アイガーの壁を望みながら登る。連なる4,000m級の山々の峰を眺め、氷河は淡い水色で谷間を流れている。頂上に着くと、そこはなだらかな起伏の草原だった。

iで買った地図を頼りに、カールの底へ抜けるハイキング・コースを下る。
途中の小川のせせらぎをすくい、紅茶を淹れてのんびりとティー・タイムとしゃれこむ。

眺めおろすカールの底にはグリンデルワルトの村。その向こうにはアイガー北壁。
―この壮大な遠近感は何なんだ!!
稜線を歩くハイカーはまるで宙を歩くように見える。

草原の道をしばらく行くと、樹林帯に入った。途中の山小屋で山々をみながらコーラを飲む。
オレンジ色のパラシュートがゆっくりと村にむけて降りていく。そのパラシュートが着地した頃、俺らも出発。木陰の道を30分も歩くと、グリンデルワルトに着いた。

COOPで買出しして、宿に戻る。シャワーを浴びた後、テラスでビール。アイガーを眺めながら。
青かった空が、だんだんと群青になっていくのにつきあっているのか、白と灰色だったアイガー北壁は、桃色に染まっていた。アイガー北壁は、女なんだと確信した。

ジョッキが空くと、宿のネーちゃんが愛想良く注文を取りに来る。2杯目を空けてしばらくすると、ドイツ人のおっさんが来た。3人でビールを飲みながら話す。ドイツ語は全く解らないが、なんとなく通じて寒いながら楽しいひと時を過ごす。彼はドイツ軍の兵士。一杯飲んだ後、夜の街に突撃して行った。

しかし、カゼが本格化し、腹具合も良くない。今日はふかふかのベッドでゆっくり休もう。
水島はもう寝てしまった。明日、天気さえ良ければヨッホまで行く。

HOTEL ALPEN BLICK 15号室にて。

(*1)ホリデー・カード。何度か出てきましたが、解説が遅くなりました。スイス国内の鉄道他の交通機関が一定期間乗り放題(もしくは割引)になるパスです。私が買ったのは、一ヶ月パスだったと思います。日本で買えます。

(*2)インフォメーション(=旅行案内所)の勝手な略。ヨーロッパ各国、ちょっとした街の駅前にほぼ必ずあり、世界各国から呼んでもないのに押し寄せてくる(主に貧乏)旅行者相手に様々な情報を提供し、便宜を図ってくれる、有り難い存在です。これなくしては、貧乏旅行者はお手上げになり、はっきり言って「地球の迷い方(*3)」の数百倍は役に立ちました。副次的効果として、貧乏旅行者同士の情報交換の場としても機能していました。

(*3)正式名称『地球の歩き方』。今や単なる海外旅行ガイドブックと化していますが、当時は貧乏旅行者向けの、貴重で、思わずそこに行って見たくなる、しかし主観的で不正確で傍迷惑な情報が満載の、魅力が溢れすぎていた本でした。別名『地球の這いずり方』。
蛇足ながら、対抗馬として、『自由自在』がありましたが、こちらは当時にして、かなり真っ当だった印象があります。なのに何故か我々は、この『地球のトンでもない目にあい方』を愛用していたのです。


しかし、このアルペン・ブリックと言う宿は、最高でした。

家族でやっているらしいのですが、アットホームで、オネーチャン(と言っても当時の私と同い年位)は

ブロンド美人で優しいし、料理は美味いし、お布団フカフカだし。

最大のおまけに、目の前アイガーだし。

駅から若干遠いのが欠点でもあり、良点でもあります。

絡新婦2

「あんたのところは昔は女郎屋でねぇ。女郎屋と言っても、子供に言っても解るまいが」

「大体、解ります」

「はあ、そうかい。じゃあ、まあ、話は早いが、女郎屋と言うのは、必ず逃げ出す女がいるもんだ。

女にとっては辛抱できない事もある仕事だからね。中には、逃げ出す女もいるのさ。

―朝方、客が引けた時にね、こっそりね。でも、草履を持っていないから、裸足で逃げるんだよ。

女郎屋は、逃げられない様に、履物を与えないんだね。

裸足の女がそう遠くへは行けない。大抵はすぐに捕まって、連れ戻される。そうなると、仕置きをされ、

只でさえ嫌で嫌で逃げ出したのに、余計につらくなる。

終いには、ほれ、そこの松の木で首を括るのさ。昔は、たまにそう言うことがあったのさ…。だから、こ

の木の近くでは遊ぶなと言ったのさ」


もしかしたら、この、齢いくつかも知れぬ隣の婆ちゃんも、女郎屋に居たんじゃないか…?今まだここに

住んでいると言う事は、もしかしたら、女郎屋の主だったとか…?

その発想に、W少年は、金縛りや女の笑い声よりも、ゾッと背筋を寒くするのでした。

「あんたの家、随分手が入れられて綺麗になったが(え、これで?とW店長は思ったそうです)骨組みは

昔のまんまなんだよ…」


隣のオバアチャンから聞いた話を父親にすると、既に知っていたそうです。

親戚が仲立ちに入ったところだから、良いも悪いもなく、ここを借りたんだと。

過去記事をご記憶の方は、W店長の父君が、かなりのレベルで「見える人」だと思い当たるでしょう。


金縛りに現れる天井の巨大な女郎蜘蛛の話をすると、それはお前の前では蜘蛛の姿だっただろうが、俺が

見た時は、長い髪を振り乱した、死相の女が天井に張り付いて見下ろしていた―と言ったそうです。

また、真夜中に響く女の笑い声の事を言うと、そうか、お前は笑い声だけ聞いたのか…と。

親父が笑い声の他に何を聞き、何を見たのかは、さすがのW少年も、訊けなかったそうです。


そうして、巨大蜘蛛や笑い声に囲まれながら数ヶ月が過ぎ、いい加減それに慣れてしまい、笑い声が聞こ

えないと「今日は静かだなぁ…」と少々寂しく感じる様になった頃。

唐突に、引越しが決まりました。


一家の中で、親父さんの次に「霊あらたか」な、W少年の妹さんが「もうこんな家、ヤダ!!

とゴネたからだそうです。

妹さんが言うには…。


毎晩寝る前に便所を使うと、そこに必ず、江戸時代みたいな格好をした若い女が居ると。

(W店長によると、便所は不自然に広かったそうです。やっぱり、商売をやってた建物だよねぇと。)

何もしなくて立っているだけだからずっと無視してたけど、最近は髪を引っ張ったりとちょっかいを出し

て来る様になった。ゆっくり便所も使えない。いい加減鬱陶しくなってきた。昨夜はフマキラーをかけ

けど消えなかった。もう、こんな家ヤダ!!


そんな訳で、それから早々にその家を引き払って何年か経ち、すっかりそんな事を忘れていた頃。

親戚筋からこんな話が流れてきました。


あんた達が前に住んでた、あの家。あの辺にマンションが建つんで取り壊したら、昔の人骨が何人か分出

てきたんだって!!松の木があったでしょ、庭に。何でもほら、あの根元から…若い女の…







蛇足  そんな事がありながらも、W店長のご母堂は一切何も見ず、何も感じずだったそうです。

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