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「先輩、後ろに誰か居るんですけど…」 ちょっと前から気付いていましたが、なかなか切り出せませんでした。 しかし、恐怖に耐え切れず、恐る恐る先輩に言いました。 何せ、この人ときたら、少しでも気にいらなければすぐに拳が飛んでくる。 中古とは言え、大学生の分際でソアラを買って上機嫌の先輩に、こんな事言っていいものかどうか。 でも、後ろの席でじっと座っている女の人も先輩と同じ位に怖い。 学食で先輩に捕まり、おう、これから俺の車でドライブ行こうぜ。行くよな。よし来い。 と、有無を言わされずに連れ込まれたのが運の尽き。 先輩の同期の人たちがこの車に乗りたがらない理由が、今判りました。 「あ?何?」先輩はカーステから流れる曲に合わせて鼻歌を歌っています。 「いや、後の席に女が…」 「ああ、見える?いいのいいの。何にもしないから」 「いや、でも」 「だって、お前、そりゃ、出るよ。この車、事故車二台をくっつけた『ニコイチ』だもん。前半分の車で 2人、後ろ半分で1人。都合3人死んでるんだから。そりゃ、出るって。なあ」 先輩はお気楽に後席の女に同意を求めます。 先輩の声が聞こえているのかいないのか、女は相変わらず黙ってじっと座っています。 「お陰でパッと見新車のソアラが安く買えたんだから、こっちゃ御の字よ」 がははははと、笑う先輩。 その後、深夜まであちこち連れまわされて、後席の女も飽きずにずっと座り続けていて、ほとほと疲れ果 ててようやく朝方に自分のアパートまで送って貰いました。 その頃には、いつの間にか女は消えていて、先輩にその事を言うと、 「疲れて、寝たんじゃない?」と。 応援団の団長って凄いなぁと、つくづくそう思いました。 [怖い話] ブログ村キーワード [怪談] ブログ村キーワード
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2009年09月17日
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