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昨夜の事です。友人と飲んでいる時、ふと私のブログの話題になりました。
また近々心霊スポット巡りに行かなきゃ…と言う私に、彼は言いました。
「じゃあ、あそこ行けば?〇〇駅の近くの廃屋。出るので有名みたいだけど…」
え、何それ?何処?―と身を乗り出す私に、彼は曰くを語ってくれました。
その家には、奥さんに先立たれた老人が一人で住んでいた。
バブルの頃、その周辺にマンションを建てる計画が持ち上がり、老人にも用地買収の声がかかった。
いわゆる、地上げである。
老人は、土地売却を頑なに拒み、交渉はやがて嫌がらせや脅迫に変わって行った。
老人は心身ともに消耗し、身体を壊して、遂には亡くなった。
これ幸いと、遺族から土地を買収した地上げ屋は、早速家屋の取り壊しにかかった。
小さな家の事、解体工事は数日で終わる筈だったが、遅々として進まない。
業を煮やした地上げ屋は、解体業者に詰め寄った。
業者の言い分はこうだった。
「現場の人間が、口を揃えて『老人の幽霊が出る』と言うのです。
二階から階段を降りて来て目の前で消えたとか、庭で作業していると腕を掴まれたとか、風呂場から呻き声がするとか…。皆、あの現場は嫌だと言って、行きたがらない。辞めた者までいます。
現場の者にはあの家に老人が住んでいたとは言ってないのです。なのに、皆老人の幽霊を見ている。
私も色々な現場を踏みましたが、あんな所は初めてです…」
そんな馬鹿馬鹿しい言い訳をするなら業者を替えるぞ、と脅しても、ええどうぞ、是非そうして下さいと言われる始末。
地上げ屋はどうにか業者を宥めすかし、幽霊に悩ませられながらも、ようやく解体工事は終わった。
しかし、その後、バブルが弾けてマンションの計画は頓挫。
老人の住まいだった場所は、更地のまま放置された…。
それからと言うもの、その場所では老人の幽霊が頻繁に目撃される様になった。
ある人は、誰もいない廃墟跡から「ただいま」と老人の声を聞いたと言う。
また、廃墟跡にじっと佇む老人の姿を見たことが無い近所の住人はいないと言う。
廃墟跡に通じる小道でも、彷徨うような老人の霊が度々目撃されていると言う。
最近こそ、廃墟跡の曰くを知る者も少なくなったが、それでもまだ老人の幽霊は現れ続けている…
聞いてみると、物凄く「 ベタ」な怪談です。その手の話は、日本中何処にでも転がっています。
しかし、この話の場合、現場がすぐ近くにある!!
行って見ない手はありません。
早速、これから行こうと彼を誘いますが、彼は頑として拒みます。
一度、昼間に行ってみた事があるが、明るい内でも怖かった。夜に行くなどトンでもないと。
とりあえず、場所だけは詳しく教えてくれました。
それから暫く酒を飲み、店を出ました。
友人と別れ、時計を見遣ると、まだまだ終電には遠い時間です。
(よし、行って見よう!!)
酒の勢いもあり、私は現場に向かうべく、家とは反対方向の電車に乗りました。
鞄の中には、愛機「鶴亀1号」が入っています。
ほんの数分で、取材班(一人)は目的の駅に降り立ちました。
良く通る駅ではありますが、そう言えば降りるのは初めてかも…。
駅前にはコンビニと小さなスーパーがある位で、割と閑散としております。
友人が書いてくれた地図を頼りに、裏通りを進みます。
電車から降りた人達は、バス通りを行き、裏道に入って来たのは私だけ…。いきなり不安が襲います…。
細い道を歩くと、森に沿った小路につながりました。
これでもか!!と言う位、人通りがありません。
恐る恐る、歩を進めます。(しかし、40オヤジが夜中に何をやっているのでしょうか?)
何か出そう、と言えば、これ以上出そうな雰囲気はそう無いでしょう…。怖いよぉ…。
そろそろかな…。
あ、あったあった。ここですね…。森を背にして、ぽつんと一軒だけ…。
私には霊感はありませんが…。気圧されるような冷たい空気…。これが「霊気」と言うものなのか?
階段を昇って行きましょう。
そこで一枚…と。暗くて良く見えませんが、確かに更地のまま放置されております。草がぼうぼう。
―あ〜、もうダメだ。耐えられない。と、思ったその時…
ぐ ぐ ぐ…ぐうう…
―え?今の何?人の声の様な…?更地の中から聞こえたぞ???
いや、カエルか何かだろう!!―っても、今はカエルは冬眠中だし…。
空耳!?そう、空耳だ!!
取材班は「明日も早いから帰らなくちゃ!!」と自分に言い訳をしつつ、脱兎の如く現場を後にしました。
逃げ際に一枚。
何か、真ん中辺に、人が立っている様ないない様な…。
顔みたいなのも、幾つか写っている様な気も…。
あーもう、二度と来ないぞ、ここ!!
―以上、非常に珍しく、「夜の心霊スポット巡り」のレポートでした!!
【何かと差し障りがあるので、場所は伏せさせて頂きます…】
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