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「先輩、実は…」 何処行きやがったんだと部屋の中をきょろきょろ見回しているWさんに、Kさんは言いました。 「先輩、今の、泥棒とか…その…生きた人間じゃないんです…」 「はぁ?何言ってんのお前。人間じゃないって???」 ふと、Wさんの脳裏に寝苦しかったこの数日間がよぎりました。 「何か心当たりがあるのかよ」 「たぶん、僕が故郷から、連れてきちゃったんです…」 Kさんの話はこうでした。 部活を引退した後も、Kさんは時々野球部に顔を出しては後輩達とランニングをしていました。 春先の頃、久々にランニングに出て、何人かの後輩達といつものコースを走っていました。 コースの途中には、橋があります。 その橋を渡る途中、Wさんは欄干の外に作業服にヘルメット姿の男が歩いているのを見ました。 (欄干の外に、何で!?)と怪訝に思いましたが、(ああ、補修工事か何かで、足場が組んであるんだな) そう思い直して、一回りして学校に戻りましたが、何となくあの作業員が気になる。 そこで、一緒に走った後輩達にそれとなく聞いてみると、そんな人は見なかったと口を揃えます。 大体、今あの橋では工事なんてやってませんよと。 そんなアホなと、学校帰りに自転車で橋に寄ってみましたが、後輩達の言う通り、欄干の外には 足場などは組まれておりませんでした。もちろん、欄干の外は、人が歩ける様なスペースはありません。 Kさんは、そこで初めてゾーッと背筋が寒くなりました。 「―ふーん。で、ソレがお前についてきた訳?考えすぎじゃないの?」 幽霊だのお化けだのを余り信じていないWさんは内心(コイツ、就職でノイローゼか何かになったんじゃ ないの?だからタバコ吸ったりしたんのか…)と、そう思いながらKさんの話を聞いておりました。 「いや、気のせいとかじゃないんです。橋で作業員を見た後…」 (もうひと引っ張り) |

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