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「橋で作業員を見た後…家で変な事が起こる様になったんです。うちは誰もタバコを吸わないのに、あち こちにタバコの灰が落ちてたり」 (あっ)と、Wさんは思いました。(では、あのタバコの灰は…。)タバコの灰が落ちていた事は、特段 Kさんには話しておりません。 「それに、家の中をドタドタ歩き回る足音が聞こえたり…夜に、息苦しい様な感じで眠れなかったり。 しまいには、作業服姿の男が、鏡や窓に映るように…。怖くて、家族全員やつれちゃって。」 「そ、それが、お前に憑いて来て、この部屋に?」 Wさんは少々背中を寒くしながら、部屋中を見回しました。 あーっ!! うわーっ!! WさんとKさんはほぼ同時に声を上げました。 部屋のガラス窓に、作業服にヘルメットを被った男が浮かんでいました。 外に居るのではない。部屋の中、二人のすぐ横に立っています。 二人が金縛りに遭った様に、身体が竦んで動けないでいる内、男の姿は消えていきました。 「あ、あ、あ、あいつですっ!!あいつ!!」Kさんは震える声でWさんに訴えます。 「兎も角、この部屋を出よう」とWさんが言うと、「先輩、何処に行っても駄目ですよ。だって、僕に 憑いてるんですから」とKさん。 あ、そうか。と、仕方なく、一応部屋に塩をまいて、その日は眠りました。しかし、案の定、二人とも金 縛りに苦しめられました。 それから、数日。男は姿を現すことはありませんでしたが、やはりタバコの灰が落ちていたり、人の気配 がしたり、と言う事は、Kさんの滞在中ずっと続きました。金縛りは毎晩です。含み笑いの様な声が聞こ えた事もありました。 しかし、Kさんが故郷に帰ると、その様な怪異もぴたりと治まり、やっぱり、Kに憑いて帰ったんだなあ とホッとする反面、Kさんが心配になる。神社かなんかで御祓いを受けろと勧めてはおきましたが…。 しかし、就職活動では、幾つか良い話もあったらしく、春にはまたKさんは上京してくる筈。 そう思っていたWさんの期待は間もなく裏切られました。 ある冬の日、Kさんの訃報が届きました。 Kさんの家族が乗った車が、あの橋から転落して、家族全員亡くなったそうです。 [怖い話] [怪談]
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