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いつもの様に、何か一つに引っ掛かると熱中して記事を書きまくると言う癖が出ております。 今回はそれがオーパーツなのですが、じきに熱も醒めると思いますのでしばらくお付き合い下さい。 ひねくれた私が採り上げると、全てのオーパーツが気のせいかインチキかになってしまいそうですが、 中にはそうでもないブツもあります。 それが、これ。 あの、秦の始皇帝の兵馬傭坑から出土した剣です。青銅製の長剣なのですが、これが何と!! この剣にはクロムメッキが施されており、おおよそ2200年の時を経ても輝きと切れ味を保ち、今でも数十 枚重ねた新聞紙を一刀両断できるほどなのです。 おまけに、この剣の他にも、同時に出土した矛、戟、刀や大量の弩、矢じりにもクロムメッキ処理が施され ている事が判っています。 秦の後、漢の時代の銅剣は全てボロボロに腐食し、殆ど原型を留めておりません。 つまり、秦のクロムメッキ技術は後世に継承される事も無く消えてしまったのです。 秦でクロムメッキが行なわれていたと言う記録も一切見つからない。 西洋で電解法によるクロムメッキ技術が開発されるには、1937年のドイツまで待たなければなりません。 一説によると、この古代のスーパー・テクノロジーは、宇宙人によって秦の始皇帝に伝えられたのだ… とも言われております。2000年以上前の中国に電気がある訳も無く、メッキが出来る訳も無い。つまり、 宇宙人のテクノロジーによって武器をクロムメッキした為に、秦は強大な軍事力を手にして、史上初の中 国統一王朝を築いたのだと。 この「クロムメッキの剣」については、何処でどうやって加工されたか等、まだまだ解明されていない謎 が多く、一概に結論が出せない状態にあります。 そう言う意味ではまさにオーパーツ=「場違いな工芸品」であると言えます。 しかし、私の拙い調査力で調べた限りでは、例え古代であろうとも、別に宇宙人に頼らなくとも、クロム メッキを施す事は可能だと言う事だけは判りました。 金属メッキ技術の一つとして、無電解メッキと言うのがあります。電気を使わずにメッキする方法です。 電気を使わずにクロムメッキを施す方法を「クロマイジング」と言うそうです。粉末法・ガス法等があ り、高温でクロムを表面に拡散させる技術だそうです。 「古代の電池」の記事でも、昔から電気を使わずに金メッキする技術があったと書きましたが、金以上に 身の回りにありふれたクロムが無電解でメッキされていたとしても不思議ではない様な気がします。メッ キ技術自体は紀元前1500年頃のアッシリアまで遡れるそうで、それからすると、秦代のメッキはまだまだ 新しい部類なのかもしれません。 メッキと言えば電気メッキしか思い浮かばないと、「メッキがしてある=異星人の技術」なんて思ってし まうのかもしれません。でもよく考えたら、日本でも、奈良の大仏みたいに造仏当初に金メッキされた仏 像が沢山ありますしね。あれをいちいち「超古代文明」だとか「宇宙人のテクノロジー」だとか言ってい たらキリがありません。遥かな昔から、電気要らずのメッキの技術は、世界中に存在していたのです。 秦代の青銅鋳造工芸は、商(殷)と周の非常に高いレベルの青銅鋳造技術を継承した上で、更に著しい進 展を遂げたと言います。秦の始皇帝が中国を統一した平和の下で、技術が急速に発達したのでしょう。 結果、秦の技術は、中国古代の冶金史上における集大成となっており、冶金・鋳造・溶接・金属の常温加 工・組み立てなど、青銅加工の全ての面で、驚異的なレベルまで発達していたのです。 そんな、秦の金属加工テクノロジーの結晶が、この「クロムメッキの剣」なのでしょう。 クロムメッキは、当時の最先端技術であったのはまず間違いないですから、その製造法は極秘中の極秘で あった事は想像に難くありません。何せ、この技術が秦に敵対する勢力に漏れでもしたら、秦の軍事的優 位性が大きく揺らいでしまうのですから。今で言うと、最先端の軍事技術である「ステルス技術」を、ア メリカが門外不出にしているのと似るのではないかと思います。 ―そんな訳で、秦代で開発されたクロムメッキ技術の全てはブラック・ボックス化され、一切が外に伝承 されず、そのまま王朝の滅亡と共に滅んでしまったのではないかと、私TOは思います。 オーパーツ業界では、ちょっと不思議な過去の遺物が出てくると、無批判に宇宙人の技術だ何だと、そう 言う論調になり、それを「ロマンがある」などと言っちゃったりしておりますが、ホントにそれがロマン だとしたら、何と陳腐なロマンなのでしょうか。 私TOは、そんなものロマンでも何でもなく、単なる思考停止だと思います。何でもかんでも、宇宙人や超 古代文明のせいにしてしまうのですから。短絡に過ぎて、頭を全く使っていない。 大昔の人々が、人類の叡智を発揮して開発してきた技術、建設してきた遺跡に対して、ろくに調べもせず に宇宙人だ超古代だと主張するのは、人間を相当甘く見ている、人類に対する冒涜だとすら私TOは思った りしております。ちゃんと調べていくと、遥かな昔の人々が、大変な努力をして驚く様な事業を成し遂げ ていたのだと言う事が判ったりします。そっちの方が、よっぽどロマンがある様な気がするのは私TOだけ でしょうか? 現に、「ナスカの地上絵は宇宙人が造った」などと言う与太話を主張する輩に対して、ペルーの国民は 「我が祖先が造った偉大な遺跡を宇宙人風情の所業とするは、何事か!!」と、至極もっともな憤りを表明 しております。ろくに調査もしていない外人に、法隆寺は宇宙人が造った…なんて言われたら、日本人と してはあまりいい気分がしないでしょう。オーパーツ業界には、平気でそんな暴論を吐き捲くっている人 が大勢いるのです。 ―とは言え、浜の真砂は尽きるとも、世に不思議の種は尽きまじ。 いつか本当に「宇宙人が造ったオーパーツ」とか、「超古代文明が栄えた証拠のオーパーツ」が見つかる かもしれないので、今後もこのジャンルには注意して参りましょう…。 |
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2010年05月19日
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リットリオさんから頂いたコメントに「太古の地層から発見された人間の足跡」のお話があったので、記 事にします。 「太古の足跡」とは、つまり、人間が存在しなかった時代(例えば1億年前とか…)の地層などから人間 の足跡が見つかる―と言うオーパーツ業界では定番のネタで、ざっと数えても世界のあちこち、5〜6箇 所で発見されております。 その中でも有名なのを一つ。 アメリカ・テキサス州グレンローズ近郊に流れるパルキシィ川の河川敷。その岩層は1億1000万年前から1 億1500万年前の白亜紀前期に属しています。 1930年代、パルキシィ川で、「人類の足跡の化石」が発見されました。 正確に言うと、その存在は20世紀初め頃には地元の住人に知られていたのですが、パラクシー川から切り 出された「人類の足跡化石」の標本が、ある考古学者の目に止まったのです。 (↑)恐竜の足跡の右に「人間の足跡」が…!! 人間と恐竜が共生していた!! 「人類の足跡化石」は、その動かぬ証拠として、一躍有名になりました。 面白いのは、「人類が1億年以上前に存在していた」ではなく、「地質年代が間違っており、恐竜が割り と最近まで生きていた」と言う事の証拠として扱われた事です。その説に則り、『石の上の足跡』と言う 映画まで製作されました。 しかし、人類学者や考古学者の調査の結果、「人類の足跡」は、単なる岩の凸凹だったり、三本指の恐竜 の歩行痕の指部分が風化して消えたりしたものだった事が判明しました。(中には、明らかに捏造された ものもありました。) 1986年に、国際的な恐竜足痕のシンポジウムでこの調査結果が発表されると、参加した研究者達は「私も 同じ様な『足跡』を見た事がある」と口々に語り、パルキシィ川に刻まれた「人類の足跡みたいなもの」 は世界中で普通に見られるものだと言う事も判りました。 ―と、以上が事の顛末なのですが、最初に「人類の足跡化石」の標本を見た学者も、はなからそれが人間 の足跡だとは思っていなかったそうです。 では何故「人類の足跡化石」が世界的に有名になったかと言うと、創造論を信奉する人々が肯定的かつ 大々的に宣伝したからなのです。映画を作ったのも創造論者の人達です。 創造論とは、聖書に書いてある「神による天地創造」は全て事実であると言う考え方。進化論を完全に否 定する立場であります。 聖書では、天地創造から現代まではせいぜい1万年位のスパンしかなく、その期間に地球の全歴史を詰め 込まなくてはならない為、1億何千年前に地球があっては困るのです。だから、「1億年以上前に人類がい た」と言わずに「つい最近まで恐竜がいた」と主張したのです。 しかし調査が進むにつれ、特に創造論者のグループが足跡の偽造をしている現場が押さえられると、ほと んどの創造論団体が自らの誤りを認めるようになり、映画の公開をとりやめ、出版物をの販売も中止しま した。現在のアメリカでは、もう殆ど見向きもされないネタになってしまったのです。 ところが、その手の「否定的な情報」は殆ど無視される日本のオカルト業界では、このネタはまだまだ立 派に現役で頑張っております。時には、「1億年以上前に地球を訪れた宇宙人の足跡」などと紹介される 事もあります(笑)。こう言うのを見ると、アメリカで使い物にならなくなった大リーガーを有難がって 日本の球団が契約するみたいな情けなさを感じます。最近の日本プロ野球はレベルがあがり、そんな事も なくなりましたが、日本のオカルト業界はまだまだその程度の様です…。 (参考)トンデモ超常現象99の真相(洋泉社・と学会著) パラクシー川の足跡化石/足跡の中の足跡 |
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