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2010年07月17日
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続いて、Fさん話です。
ある夜、バイク仲間と峠を走ろうと言う事になり、その峠にあるパーキングで待ち合わせる事になりました。
山に入ると、それまで快調だったバイクが、何となく重く感じるようになりました。エンジンの調子はいいのです
が、何か重い気がする。そのまま走って、パーキングに着くと、友達は先に着いて待っていました。
バイクを降りて、「よう」と挨拶すると、友達は「F。こっち、来い、こっち来い」と、Fさんを引っ張って行きます。
「何?どうしたの?」と言いながら、言われるままについて行って、バイクから10m程離れると、友達が言いまし
た。「F、お前、あんなの乗っけてて、気がつかなかったのか?」
自分のバイクを見ると、後席に、ヘルメットを被り、革ツナギを着たままじっと座っている男が。
メットの首からは、真っ赤な血がだらだらと垂れていました。
「うわー!!」
Fさんが叫ぶと、男の姿はかき消すように見えなくなったそうです。
(←)夏は、やっぱり怪談だなぁ。私が書くと怖くなくなるけど。
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同僚から仕入れたネタです。
同僚は若い頃バイクに乗っていたのですが、当時のバイク仲間の一人で良く心霊体験をしていた奴がいたと。
ある夏、その人(Fさんとしておきます)がソロでツーリングに行った時の事。
その日、泊まる予定の山奥の秘湯の宿に急いでいました。夕方には着くつもりが、もう既に陽はとっぷりと暮れて
しまい、人家もない山間の道は夜の帳に包まれています。山奥の道で、街灯すらありません。ヘッドライトの灯だ
けが目に入る唯一の人工の明かりで、他に光と言えば、晴れ渡った空に浮かぶ月が時折木陰から顔を出すだけ
です。
30分程前に通った最後の集落で道を聞いたら、この道を真っ直ぐ行けばじき着くよと言われたのですが、いけど
もいけども人家の灯すら見えてこない。道を間違えようにも、辿ってきたのは車がやっと1台通れる程の一本道
で、脇道は無かった筈です。
ちょっと路肩が広くなっている所があったので、バイクを寄せ、ヘッドライトで地図を確認していると、ドコドコとアイ
ドリングするエンジン音の中に、 チーン チーン と、澄んだ音が聞こえました。
(あれ?何か聞こえたな…何の音だ?)Fさんは、エンジンに耳を近づけ、次にエンジンを切り、しばし耳を澄ませ
ます。バイク乗りと言うのは、異音が気になるものなのです。
Fさんを静寂が包み、時折さわさわと風が木々をそよがせる音が聞こえるだけ。(気のせいか)エンジンキーに指
をかけた時、再び チーン チーン と音が。(何か、仏壇の鐘みたいな音だな…)少々気味が悪くなってきたFさ
んが、バイクに跨り、エンジンをかけ、ヘルメットを被ろうとした時。
すぐ近くから、読経の声が。
それも、老人が呻く様な、しわがれた声で…。
ヒーッ!! Fさんは慌ててバイクを出しました。
じき辿り着いた宿で、宿の人に自分の体験を語ると、宿に人はこう言ったそうです。
「そこ、小さな慰霊碑がありませんでした?ええ。随分前に、おじいさんが車で転落して亡くなって。ええ。あそこ、
すぐ脇が崖なんですよ。そんなに高い崖じゃありませんけどね。それからしばらく、おじいさんが迷って出るのを
何人も見ましてね。それで、慰霊碑作って…」
「慰霊碑、効果なし」 Fさんは思ったそうです。
(←)山の中で、お経はいやですね。
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