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では、いちゃもんをつけていきましょう。
○ワールドトレードセンター(WTC)の倒壊は、仕掛けられていた爆薬による制御解体だった。 制御解体で爆薬を仕掛けるのにどのくらいの人員と時間を要するのか考えた方がいいです。
そこら辺の川に架かる橋の爆破解体でも20人の人員と2ヶ月の工期が必要との事で、これがWTCクラスの巨大
ビルになると、のべ何百人もの人員と、何ヶ月もの工期が必要となるでしょう。
その間、毎日20万人以上が出入りする中、何百人の人員が、誰にも知られずに爆薬や配線を設置する事は不
可能ではないかと。そんな、ちゃちゃっと出来るモノではないらしいんです。巨大ビルの爆破なんて。
(制御解体を主張する人って、大友克洋の『サルタン防衛隊(名作!!)』でも読んでカブれたのかも?)
しかも、WTCの瓦礫を撤去する中で、制御解体の痕跡が全く発見されていないのは何故なんでしょうか。
瓦礫撤去にあたった作業員の人達も、皆グルなのか。ああ、また、「関係者」が大幅に増えてしまいます。
また、制御解体は建物自体の重量を利用するので建物は下層から崩壊して行きますが、WTCビルは旅客機が
突入して火災が発生した階から崩れ落ちています。これは、WTCの崩壊が制御解体ではない事を明らかに示し
ています。確かに、ジェット燃料の燃焼温度では鉄骨は溶解しませんが(ジェット燃料の燃焼温度=約1100〜12
00℃、鉄骨の溶解温度=約1500℃)、鉄骨は約900℃の熱でその強度の90%を失うそうです。旅客機突入によ
って発生した火災によって強度を失った鉄骨が、それより上層の重みに耐えられなくなり倒壊したとする定説の
方に説得力を感じます。大体、制御解体って、経済性と安全性を考えてわざわざひちめんどくさい事をやる訳
で、陰謀で少しでも大きな被害を出したい人が採る方法ではありません。同時に、なんでわざわざ旅客機をぶつ
ける必要があるのか?アルカイダのテロとするなら、ただ単に爆弾を爆発させても良かった筈なのに。
実際、1993年にWTCの地下で爆弾テロがあったのはご存知の通りですが、それの拡大版でも相当な衝撃をアメ
リカに与えられただろうに。
(↓)参考までに、通常のビル制御解体
○国防総省(ペンタゴン)に突入したのは旅客機ではなく、巡航ミサイルだった。
ペンタゴンに突入するアメリカン航空機を目撃した人は大勢います。目撃者達は皆アメリカン航空の旅客機がペ
ンタゴンに突っ込むのを間近で見たと証言しております。(彼らも皆グルなのか!?)
画像があまり残されていないのは、ペンタゴンが観光地ではなく単なる官庁なので、カメラを持ち歩いていた人が
少なかったからではないでしょうか。各所に配置された監視カメラも、別に突入してくる飛行機を監視していた訳
ではないので、空を映してなかっただけの話です。
ペンタゴンの建物の損壊が最もひどい部分の幅は36mもあり、穴の直径は5m以上あります。これは、アメリカン
航空77便・ボーイング757-200が突入した跡としては決して小さすぎるとは言えません。逆に言えば、巡航ミサイ
ル(トマホークの事か?大体、「巡航ミサイル」が何処から発射されたかって、陰謀論の人は明示してくれてない
んだよなぁ…。)の突入にしては、この損壊状況は大きすぎるとも言えるでしょう。
また、ペンタゴン周囲にはアメリカン航空のロゴも確認できる破片が散らばっておりますし、その数が少ないの
は、機体の大部分が建物の中に入ってしまったからです。もちろん建物内部からはアメリカン航空77便・ボーイ
ング757-200と特定できる残骸が数多く発見されております。
(↓)ペンタゴンに散らばる残骸。アメリカン航空のロゴの一部が確認できます。
(←)実機に当てはめると…。
(←)ペンタゴンに残された、ホイールの残骸。
(←)同型機のホイール。形状が一致します。
また、現場からは員6名、乗客58名の遺体が収容され、DNA鑑定も行われています。ハイジャック犯の死体も見
つかっております。
「(ペンタゴンに突入したのは)翼のついた巡航ミサイルのようだった」との目撃証言は、実は全く逆の事を言てい
て、本当はこうです。
「窓の外を見ると飛行機が見えた、それはジェット機だった、アメリカン航空のジェットがやってくる。そして『何
かがおかしい。すごい低空飛行だ』と思った。そして私は見た。まるで翼のついた巡航ミサイルのようだった。
まっすぐ飛んで行ってペンタゴンに突入した」
―つまり、陰謀説を支持する人が、都合のいい部分だけを切り取って引用しただけだったのです。 77便のペンタゴン突入に初めて陰謀を唱えたのはフランス人のMeyssanと言う人。彼によると、77便はオハイオ
の何処かで撃ち落されたと言う事ですが、オハイオの何処でも77便のかけら一つ見つかっておらず、では何故
ペンタゴンに77便の残骸や搭乗していた人の遺体があるのかと言う疑問には一切答えていらっしゃいません。
ペンタゴンの穴が小さすぎるだから、突入したのは旅客機ではない。
―と言い出したのは、どうやら、アルバート・スタッブルバイン元陸軍少将と言う人らしいです。
しかし、このおっさん、超能力オタクで、その手の本も出している、ちょっとアレ系なお人。
ある本には、スタッブルバイン少将が超能力により壁を通り抜けようとして失敗し、鼻を壁にぶつけてしまったエピ
ソードが紹介されているとか。
そんな、アレな方の言を頭から信じるかどうかは、あなた次第と言うところでしょうか。
(ちなみに、巡航ミサイル説の他にも、「無人機突入説」とかもあります。まあ、どっちもどっちですが。)
○ユナイテッド航空93便はアメリカ空軍によって撃墜された。
このハナシの出所は、ドン・デ・グラン-プレ元大佐(自称=本によって、肩書きが変わると言う妙な御仁)と言う作
家です。この方は、9.11以前からアメリカ政府の陰謀関係の本を何冊か出していたそうで、「9.11はラムズフェル
ドを含むネオコン一派による文官クーデターだった」とも書いています。
蛇足ですが、9.11テロで旅客機がペンタゴンに突入した時、ラムズフェルド国防長官はペンタゴンの中にいたの
ですが、自分で自分を狙わせたのでしょうか(笑)。
それはそうと、グラン-プレ元大佐によると、93便を撃墜したのは「リック・ギブニー少佐」だったそうです。
しかし、一般向科学誌『ポピュラー・メカニクス』が追跡調査した所、確かにリック・ギブニーというパイロットはい
るものの、階級は少佐ではなく中佐。9.11当日は、モンタナに出張中だったニューヨーク州緊急事態対策部長エ
ドワード・ジャコビー氏を迎えに行き、複座型のF-16に乗せてニューヨークまで送り届ける任務に就いていた事
が判明しました。93便が墜落した時には、ギブニー中佐は現場から1,700㌔も離れた所に居た事が確認されてお
ります。つまり、このネタはドン・デ・グラン-プレ元大佐なる人物の捏造したガセネタだったのです。
ちなみに、ギブニー中佐が表彰されたのは事実ですが、これはあくまでジャコビー氏を無事ニューヨークに送っ
た事に対するもので、理由は明らかにされております。
また、93便からの携帯電話は多くの遺族の証言や通話記録で明らかになっており、これを全部捏造と断ずる事
は不可能です。再び『ポピュラー・メカ二クス』の取材によると、2001年当時でも携帯電話の電波は30,000〜35,0
00フィートくらいまでは余裕で届く事が確認されました。それでも93便からの携帯の通話は途切れがちで、
通話の多くはGTE airphone(機内備付の電話)を通じて行われました。そして93便のフライトレコーダーに記録さ
れた音声記録は、乗客たちが電話で伝えてきた内容と全く矛盾しておりません。
そして、93便の墜落を目撃した人も多くおり、その中に「戦闘機に撃墜された」と証言する人は一人もいません。
現場上空で目撃された「白い飛行機」は、その後の調査の結果、某アパレル会社の社用機のダッソー・ファルコ
ン20ビジネスジェット機である事が判明しました(大体、F-16の塗装は白くないし)。
(↓)ダッソー・ファルコン20。もちろん、非武装の飛行機です。
この手の陰謀論の最も脆弱なところは、「ぱっと見そう思う」をベースにしている為、明確な証拠が何一つないと
ころです。
(一応、証拠がないのは政府が隠蔽しているからだ。―と言う言い訳がありますが、まさに循環論法ですな。)
で、一つ一つのハナシの出所はアヤシゲなオヤジだったりして。信憑性ゼロとは言いませんが、こんな
鵜呑みにするのも如何なものかと言う感じ。
にもかかわらず、数多の犠牲者や遺族の方々の神経を逆撫でするような荒唐無稽な
のと言っては垂れ流している。特に、ユナイテッド航空93便のくだりで、生涯最後になる家族との通話を、なんの
証拠も無しに「捏造だ」と切って捨てるこの無神経さ。調べていて、胸糞が悪くなりました。
UFOネタでもそうですが、何でアメリカで「政府の陰謀」が流行るのかと言うと、1830年代に連邦政府の力が強く
なったせいだと言う説があります。それまでは、アメリカは大いなるイナカの集合体で、どこのイナカにも地元の
有力者と教会を中心とする共同体があって、保安官がいて、と言うローカル社会の自治秩序がありました。
そんなところに、「連邦政府」とか「連邦警察」とか、訳のわからん都会っ子が口を出してきて、イナカの既得権益
を侵し始めたと。そして、イナカ育ちの自分達の手の届かない所に居る「政府」の連中が、自分達を騙して支配し
ようとしていると言う不安感と猜疑心が生じる。そんな心理的な土壌があるので、UFOにしてもアポロの月着陸に
しても9.11にしても、「政府が俺達を騙してる」との考えになりやすいようです。
そして、それに何の検証もなく付き合う日本人ビリーバー様方。
くわばらくわばら…ですね、全く。
(参考) Skeptic's Wiki ほぼ日刊イトイ新聞 Wikipedia 多くの懐疑的及びビリーバー系サイト
『陰謀論に騙されるな!』(竹下節子著/KKベストセラーズ・ベスト新書)
(↓)本格的な夏がやってきました。みんなで一緒に溶けましょう。
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