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当ブログで、コンスタントな人気を誇る(?)「カーディーラーの怪」なのですが、最近収集する話は、
「自動ドアが勝手に開いた」だの、「展示車のスモールライトがひとりでに点いていた」だの、
割とありきたりな話ばかりだったので、あえて記事にしませんでした。
そんな折、今晩私自身がちょっと変な体験をしたので、ここぞとばかりにご報告致します。
(言っておきますが、あんまり怖くないですよ。)
昨日(24日)夕方、うだるような暑さが残る中、50からみの男性が当店を訪れました。
とんとん拍子に話は進み、男性客は「今日買うつもりは無かったんだけど…。ちょっと妻に電話します」
と、携帯のボタンを押します。
暫く奥さんと話した後、男性客は言いました。
「TOさん、ちょっとこれから家まで来て、妻に車を見せる事、出来ます?」
男性客の住所は、まあ車で20分ほどの所。この後予定も無いので、「勿論、構いませんよ」と
お客さんの車の後について、ご自宅まで行きました。
ところが、お客さんの自宅に着き、奥様に一通り車を見て頂いた上で「じゃ、ご試乗を」とエンジンを
かけると、ブッロロ、ブロロと、不機嫌な音をたてます。
(あ、こりゃ、一発死んだな…)と私は心中そう思いました。コイルが一つトンだ。そう言う症状です。
お客さんに、消耗品の不調でこんな風になったので、修理して後日出直します。と、ことわりながら、
内心、こりゃこの商談は決まらないな。と諦めていました。
新車の展示車や試乗車と違い、中古車は自分が買う車そのものをご覧頂くので、その車に不調があれば
普通は「こんな車、買いたくない」となります。
ところが、今日のお客さんは、「じゃ、直ったらすぐ電話下さい」と、乗り気です。
殊勝な方も居るもんだ…と、不調のエンジンをだましだまし店まで持って行きました。
サービス工場に車を入れると、先に連絡しておいたので、交換部品を用意したクルーが「10分で直りま
すから、待ってて下さい」と言います。
車は程なく完調を取り戻したので、お客さん宅にその旨電話すると「8時に来て下さい」と仰います。
先程はお客さんの車にボーっとついて行ったのですが、裏道をクネクネ走ったので、道筋を覚えてない。
乗っていく商品車はナビが着いていないので、GOO地図で経路をプリントして行きました。
ちょっと早めに店を出て、お客さん宅直近までは順調に行程を消化。
ところが、もう、お客さんの町内だ、と言うところで道に迷ってしまいました。
もともと、その辺りは多摩丘陵を切り開いて造成された住宅地。
整然と並んだ宅地を少しでも外れると、途端に森の中です。
GOO地図のプリントアウトを透かしながら、あれれ?道順通りなのに…と思った時には、
暗い森の中の一本道におりました。
行けども行けども、両側には金網が張られた幅3m位の道。
舗装がやたらと綺麗なのを見ると、つい最近造られた道の様です。
これは、明らかに道が違う。Uターンしよう。と思っても、その余地がありません。
仕方なく、ハイビームを照らしながら、進んで行くと、路肩に手書きの看板が立っていました。
「この先、〇〇墓苑500m」
うええ、墓場かよ…勘弁してよ…と思いつつ、片手は携帯のカメラをスタンバろうと動いていました。
「この先、〇〇墓苑300m」
また、看板が。周囲は相変わらず金網に仕切られた真っ暗な森。街灯も疎らにしかありません。
「この先、〇〇墓苑200m」
「この先、〇〇墓苑100m」
同じ字体の手書きの看板が、墓地が近い事を告げます。
頭の隅では、墓苑と言うくらいだから、門の前でUターン出来るだろ。ついでに写真を撮って、ブログに
載せよう。なんて事を考えていました。
―と、走っていると、ヘッドライトの中には、どん突きの行き止まりが。
何故か、カーブミラーが一つ突っ立っております。
墓苑…は何処にいったんだ!?今まで、脇道も無い一本道だったのに…。
怖い、と言うより、不思議。好奇心に駆られた私は、とりあえずそのカーブミラーを撮影し、わずかな
スペースを切り返して、今来た道を戻りました。
道が住宅地に戻ると、途端にお客さんの家が見つかり、ドアチャイムを鳴らしたのが丁度8時。
ああ、間に合った。とホッとしました。
その後、商談もまとまり、冷たい麦茶を頂きながら、ご夫婦とお話していた時。
奥さんが「でも、夜に時間通りに家に来た人(営業の人と言う意味)、いないんですよ。だから、TOさ
んが時間通りにいらした時、主人と驚いたんです」と…。
ああ、そうなんですか。と軽く聞き流したのですが、もしかしたら、ここに来た車の営業マンは皆、
車の不調と迷い道と言う目に遭ったのかなあと、頭の片隅でそう思いました。
だから、さっきエンジン不調が起こっても、このご夫婦は大して気にしていなかったのかなあ、と。
まあそれはそれなのですが。
携帯で撮った写真。
後から見たら、こんなのでした。
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